サマータイムの開始とともに公開される史跡もある。グランピアン地方にあるヒストリック・スコットランド指定のお城のうち、キルドラミー城、バルベニー城は4月から公開されるお城である。
4月の初旬、数日前に降った雪が融けたある日、キルドラミー城、バルベニー城を含む、残された史跡巡りに出た。
その日はやや肌寒さは残るもの(最高気温は7〜8度)、朝からいい青空がのぞいていた。アバディーンからA944を快調に走る。アルフォード(Alford)を過ぎたあたりから路側に残雪が見え始め、A97に入った頃には道路以外は一面真っ白な世界。『こりゃ、お城も雪の中じゃないかな』と思いながら走ること1時間15分、最初の目的地キルドラミー城到着。案の定、駐車場にはまだ雪が残っていた。
売店で会員証を提示してお城に通じるエントランスを歩く。かろうじてエントランスは除雪がしてあるもの、前方に見えるお城のまわりには雪がたっぷり残っていた。
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案内プレートによれば、このお城はマー伯爵(The Earldom of Mar)が13世紀に建て18世紀まで使われていものだという。すでに大部分が取り壊されているが、相当大きなお城であったことを伺い知ることができる。現在は失われているゲートハウスの二つのタワー、そしてかろうじて下部が残されているワーデンズ・タワー(Warden's Tower)、さらに土台だけが残されているスノー・タワー(Snow Tower)と、4つのタワーがあるお城なのである。
このお城で見るべきところは、礼拝堂跡の3つの窓。これは完全な形で残っていてそのカーブが美しい。
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本来であれば廃墟の跡は芝で覆われているのだろうが、あいにくの雪。しかし、見方によれば、真っ白な雪の中だからこそ、その美しさが映えるのかもしれない。
そういえば、ここの売店に、ハントリー城で見た、あのアイスクリームがあった。まったく同じもの。ということは、ハントリー城で我々が食べたアイスクリームは、ハントリー城特製というわけではなく、ハントリーでヒストリック・スコットランドのために作っているアイスクリームということになる。これから行く訪問地に果たして同じアイスクリームがあるのか、密かな楽しみになった。
雪が靴の中にしみてくる中、あちこち見て回り、50分後、次の訪問地、バルベニー城に向かった。
Aberdeen-(A944-A97)[42.2miles]-Kildrummy
Castle-(A97-B9002-A941-B9014)[29miles]-Balvenie
Castle-(B9014-A941)[23.7miles]-Elgin
Cathedral-(A96-A940)[14.5miles]-Dallas
Dhu Distillery-(A940-A939-A95-A939)[47.4miles]-Corgarff
Castle-(A939-A944-A97-A944)[57.7miles]-Aberdeen[Mileage:214.5miles]