いつの頃からだろうか、アバディーンからの最後の旅はスカイ島に行こうと決めていた。そしていつの頃からか、我々はそれをスカイ島計画と呼ぶようになっていた。

  スコットランドの地図を広げてみれば、アバディーンは東海岸に位置する。一方スカイ島は、アバディーンの真西に位置する。
  スカイ島は文字通り島だが、スカイブリッジによって本島とつながっている。つまり、アバディーンから自動車でスカイ島に渡ることができるのである。
  しかし、AAのロードアトラスを見ると、アバディーンからスカイ島までは直線で結ぶ道路はなく、アバディーンからは北西方向に位置するインヴァーネスまで走り、そこからネス湖畔を南進し、途中からスカイ島に向かう道路を西に向かって走ることになる。目算でその距離200マイル(約320q)。途中休憩を入れて約5時間の行程である。

  スカイ島計画とはいえ、インヴァーネスを経由し、ネス湖畔も通過するのであるから、スカイ島ばかりではなく、アッカート城も再訪することを計画に加えた。そこで我々は、スカイ島で一泊、インヴァーネスで一泊することにした。

  いつものように問題は宿泊先。我々は子連れゆえ、部屋の確保と同時に夕食の確保も大きな問題である。スカイ島にもあまたのB&Bがあるが、文字通りB&Bは基本的には夕食は付かない。『はて困ったな』と思っていると、5月のはじめ、スコットランド・メーリングリストでエディンバラの坂本さんがスカイ島に行ってきたとの報告とともに宿泊先の情報も伝えてきた。それによれば、清潔で親切、しかも料理が美味しい、子供達も大満足という、我々が探していた条件にピッタリのホテルが紹介されていた。そこで早速、メールで問い合わせ。すると、そのホテルの予約担当のジュリアさんからウェルカムのリプライ。
  そのホテルの名前はウリニッシュ・ロッジ・ホテル(Ullinish Lodge Hotel)という(ウリニッシュと書いたが本当のところはわからない。何しろもともとゲール語なのだから)。坂本さんの情報では大人二人、子供二人で£100ということだったが、何しろ我々は6名。2部屋で£140だった。また、夕食は別で名物はロブスター。これは前もって予約が必要とのこと。もちろんそれを予約した。これでスカイ島での宿泊先は確保できた。
  次はインヴァーネス。ここでは、かつて「パソコン教室」と称して遊びに行ったアヤコさんが、引越をして新しくB&Bをオープンしたばかりだったので、そこでお世話になることにした。こうして2泊3日の中継地点が確保され計画実行日を待つばかりとなった。

  アバディーンのみならず、スコットランド全体の6月、7月の天気はミゼラブルだった。毎日曇り空でにわか雨があり、最高気温も15度前後と肌寒い。
  スカイ島に出発する朝、アバディーンはやはり曇り空で肌寒かった。


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