6.やっぱりIndependentが好き

 当地に来て、新聞は定期購読していない(だいたいにして小生の英語力では英語ですべてを読むことなど不可能だが)。情報はもっぱらWWWで得ている。小生のパソコンには、北海道新聞社、CNN、共同通信社そして日本経済新聞社のページがブックマークされており、毎朝目を通している。これで世界、日本そして北海道の情報は十分手に入る。また、大学のスタッフ食堂では10種類以上の新聞が閲覧でき(日本の新聞はないが)、読みたければいつでも読めるので、あえて定期購読する必要はないわけだ。

 しかし、勝手に投函される新聞は別だ。その新聞とは、Aberdeen & District Independent紙とAberdeen Herald & Post紙である。2紙とも毎週木曜日の夕方、アルバイトのハイスクールの生徒によって配達されるタブロイド版の週間新聞である(夕刊フジを思い出す)。どちらも無料の新聞のためやたらと広告が多いが、地域情報は満載だ。

 Aberdeen Herald & Post紙の9月15日号には、老舗のIndependent紙の発行部数が落ち込み、Aberdeen Herald & Post紙が逓増傾向にあると書かれていた。具体的な数字を挙げれば、現在の平均発行部数はABC(Audit Bureau of Circulation)によればIndependent紙が85,430部、Aberdeen Herald & Post紙は123,182部である(Audit Bureau of Circulationという発行部数を監査する機関があるらしい)。たしかに、Independent紙は80ページのうち、ほとんどが不動産や自動車販売の情報(いずれも広告)で読むところは少ない(Aberdeen Herald & Post紙は96ページ)。

 それでもIndependent紙にはAberdeen Herald & Post紙にはない面白い欄があって好きだ。それは「お友達探してまーす」という欄である(こんな軽いノリではないのかもしれないが)。

 この欄は、友達を探している男性や女性が自己紹介をしてどんな相手を希望しているかを、20語以内で広告するもの(20語以内というのが英語的。さしずめ日本なら100字以内といったところだ)。'FEMALE ADVERTISERS'というのは女性が男性を、'MALE ADVERTISERS'というのは男性が女性の友達を探しているものだが、'FEMALES SEEKING FENALES'、'MALES SEEKING MALES'なんてものもあって、なんかいかがわしい香りがする。

 ところで、9月16日号の'FAMALE AD OF THIS WEEK'と'MALE AD OF THIS WEEK'は次のようなもの。

FAMALE AD OF THIS WEEK MALE AD OF THIS WEEK
FAMALE, 23, single parent, likes nights
in and occasional nights out, WLTM tall,
muscular male aged 28-35, for friendship,
possible relationship.
SINGLE male, 28, 5'11'', blue eyes,
GSOH, enjoy pubs, clubs. WLTM single famale,
22-32, GSOH.

 'FAMALE AD OF THIS WEEK'の場合、「23歳の女性で親は一人です。夜は家にいるけどたまには外出もできるわ。お目にかかるとすれば、背が高くて、28歳から35歳のたくましい方がいいわ。たぶんお友達か、もっとそれ以上の関係になるわ、きっと」てな感じだろうか。

 面白いのは略語だ。小生、最初はわからなかった。そこで友人のクリスに電話で聞くと、WLTMは'would like to meet'、GSOHは'good sence of humour'の略語とのことだった。いずれも決まり文句なので略語を使って1語で表現しているのだろうとのことだった(TLCというのもあり、これは'tender loving care'でなかなか意味深。思わず笑ってしまった)。
[ここまで書いてふと気付いたこと。こんな記事に興味を示し、こうしてホームページで紹介しているようでは勉強する暇はないな、と反省。こんなところで止めておこう。][20/Sept/1999]

追記:Aberdeen Herald & Post紙の9月22日号の中に、Voice Personalsという、Independent紙と同じような欄を見つけた。しかし、この欄の内容はかなりおとなしく、Independent紙のような「あやしさ」「おもしろさ」はない。[23/Sept/1999]


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