4.環境問題を考える(その2)

 スコットランドの土地、空気そして水を守ること、これは決してSEPAだけの仕事でもなく、企業にそのすべての責任を押しつけることもできない。我々住民の環境に対する意識を向上させることも必要である。
 スーパーなどで買い物をすると、日本と同じように、多くの商品にrecycleのマークが付いている。また、空き箱はゴミ箱に捨てるように促すマークも付いている。

 ところが、である。アバディーンのゴミ収集は分別収集ではない。紙もビンもペットボトルも何もかも、いっしょに収集する。左の写真は、アバディーン市から支給された家庭用ゴミボックス。これに一週間分のゴミを何もかも放り込んでおく。我が家の地区の収集日は水曜日。朝のうちに道ばたに出しておくと、大きな収集車が来て、2軒分ずつゴミを収集していく。日本で分別収集に慣らされた我々にとって、「一緒くた」の収集には抵抗がある。また、recycleしようにも、身近にリサイクルボックスはない。もしかして収集したゴミの山から、燃えるゴミ、燃えないゴミ、資源ゴミを分別しているのだろうか(まさか)。
 また、ここは、smokerにとっては少々肩身の狭いところでもある。建物の中、とくに自分以外の誰かと接する公共施設では、どこもかしこもNo smokingのプレートが掲げられている。アバディーン大学構内もしかりである。そこで、建物の入り口にはスタンド灰皿が設置され、外から建物に入る時に、そこで消すことになる(小生は、吸いたくなったらofficeを出てそこまで行って吸っているが)。
 しかし、である。大学構内も街の中も、くわえタバコで歩いている人が多い。男ばかりではない。若い女性も、子供を連れたミセスも、堂々とくわえタバコである。問題はその吸い殻をどうするか。ポイッである。街にもスタンド灰皿はある。ただその数は少ない。そこで、街中が灰皿と化す。その光景は、smokerである小生が見てもいただけない。日本でくわえタバコをしているのは、最近では、「自分はタバコだって吸えるんだぞ」と粋がっている高校生や、大人ぶったつもりの大学生ぐらいだろう。普通の大人は、マナーの一つとしてくわえタバコで歩くことは、ほとんどなくなった。ポイ捨てもしない。少なくとも、街の中が吸い殻で汚いという光景は滅多にお目にかからない。これも環境にやさしい配慮の一つである。ここには、その意識が、ない(言い切っていいかなー)。
 さらに、ちょっと小道に入ると、スナック菓子の袋、ジュースの缶や瓶が散乱している。誰も掃除をしないのだろうか。
 小生、日本から、100円shopで買った携帯用吸い殻入れを持参した。外でタバコを吸って吸い殻入れがなかったら困ると思ったからだ。しかしそれは杞憂だった。堂々とポイ捨てできる環境がここにはある。何と素晴らしい。英国バンザーイ(もちろん、ポイ捨てなどできない。携帯用吸い殻入れは非常に役立っている)。[14/Sept/1999] 
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