1997年3月

大学時代の足跡

 ご卒業おめでとうございます。
 晴れて卒業式を迎える皆さんの足跡を示すデータをいくつか挙げてみます。
 卒業要件である取得単位数は136単位以上。もちろん、皆さんはこの条件をクリアしています。通年科目(以下これを基本にします)の単位数は4単位ですので、単純に計算すれば136単位を取得するために34科目を履修したことになります。また1科目は年間26回程度の講義が設定されていますので、34科目×26回、つまり皆さんは884回以上の講義を受けたことになります。さらに、1回の講義は90分ですので、884回×90分=79,560分を費やしたことになります。ここまでは、「結構がんばったな」と思えるデータではないでしょうか。ところで、79,560分を時間であらわすと1,326時間。1,326時間を日数であらわすと約55日。これは寝食を忘れて講義を受け続けた場合の日数ですので、1日6時間の講義(つまり4講)として考えれば、221日間ということになります。在学中、4年間(1,460日)で221日です。「そんなものかな」と思ってしまうデータになってしまいました。
 しかし、ここで示したデータは、卒業要件を満たす講義に関する最低限のデータでしかありません。この4年間、勉強ばかりに時間を費やしたわけではないでしょう。部やサークル活動に費やした時間、アルバイトやボランティア活動に費やした時間、友人と夜を徹して話し合った時間などなど。それらもまた、データというかたちではあらわされませんが、大学時代の足跡として残り続けます。大学時代は、実は、そういった事柄を行うことができる十分な時間を与えられた期間でもあったわけです。
 最後に、こんな話をひとつ。
 ある作家と大学入試を控えた娘の会話。
 娘「わたし、大学に行くの止めようかな」
 父「どうして?」
 娘「だって、大学って遊んでばかりだっていうし、つまらなそうじゃない?」 
 父「遊んでばかりなのか、本当につまらないか自分で体験してみなければわからないじゃないか。止めるかどうかは大学生活をやってみて決めればいい。まずは入学してみることだよ。」
 さて、卒業する皆さん。皆さんにとって大学は、やっぱり遊んでばかりで、つまらないところだったでしょうか?

おくることば 1996年→1997年→1998年

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