1994年3月

自分の存在証明

 ご卒業おめでとうございます。
 さて、唐突ですが、つぎの数列が何を意味するか、わかりますか。
  1957
  4980 0131 1076 9999
  062-365214
  S403625
  3540 6909 8730 2563
  171
  071
 これら一連の、なんの脈絡もなさそうな数列は、すべて「大原昌明」を意味する数列です。つまり、カード入れに入っている各種カードのID番号です(もちろん、一部数字は変えてありますが)。
 まさに現代社会は、カード社会であり、そのカード社会は、言い換えれば数列によって個人を認識する社会であるといえます。
 しかし、カード社会はまた、カードという「個人」が、自分の知らないところで一人歩きする社会でもあります。あるカードを所持していれば、それが本人のものでなくてもその人のものとして処理されてしまうのです。カードが個人を証明してしまうわけです。
 これからの社会は、数列の中の「個人」としてではなく、自分自身が自分の言葉で、自分の存在証明をできるような、そういった表現力がますます求められる社会になると思います。
 皆さんは、自分の存在証明ができますか。

おくることば 1993年→1994年→1995年

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