2013年3月

測ってみれば・・・

ご卒業おめでとうございます。
 1999年の「卒業生へおくることば」に書いた内容で恐縮ですが、条件が大きく変わりましたので改訂版ということでお許しを。
 ・経済学部は124単位以上取得が卒業要件で、1科目2単位が標準なのでこの4年間で62科目以上履修したことになる(演習科目など4単位科目もありますが)。
 ・1科目15回の授業を行うので、62科目で930回の授業を受ける機会があった。
 ・4年間の学費はおおよそ433万円だった。
 さて上記の条件のとき、授業1回あたりの学費は4,656円になります。見方を変えていえば、1回自主休講(サボりともいう)すれば4,656円分の権利を放棄したことになります。1日に3科目の授業があって1日丸々自主休講したとすれば13,968円分の授業を受ける権利を放棄したといえます。ちなみにアルバイトをして13,968円を得るためには、時給720円として19.4時間働かなければなりませんでした。
 ところで、現在のところ学費は従量制ではなく定額制なので、何単位履修しても同じ金額です。ということは単純に履修科目や授業回数でのみ学費を考えてはいけないのかもしれません。
 そこで今度は、大学4年間1,460日を物さしに使ってみます。学費総額を大学4年間の日数で割ると1日2,966円になります。1日おおよそ3,000円で学生としての身分が保障され、学割など、形としては残りませんがさまざまな恩恵を受けてきました。何より学生としての自由な時間を手に入れて、大学生でなければできなかったこと(楽しいことも苦しいことも悲しいことも)を経験できたことになります。
 今ふたつの物さしを使って大学生活を表現してみましたが、4年間の学費の効果が将来にわたって発現するという点も見逃してはなりません。会計的にいえば、433万円は4年間の費用として消費されたと考えるのではなく、将来の便益をもたらすための投資であったと考えなければならないということです。この投資が成功するのかどうかは、今この時点ではわかりません。その判断のためには、今日卒業する皆さんの継続した努力が必要です。
 この4年間、科目担当者や学問領域を通してたくさんの知識を得たハズです。その知識を最大限に活かすことができれば、きっと投資成功ということになるハズです。
皆さんの今後に大いに期待しています。

おくることば 2012年→2013年→2014年

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