10.ダフハウス(Duff House)

  B9018をクレンに抜け、A98に入って東へ進む。目指すはバンフ(Banff)。

  午前中の訪問先で予想以上に時間がかかってしまったので、バンフとマクダフ(Macduff)の中間に注ぐデヴェロン川(River Deveron)の河口にある駐車場で昼食。


デヴェロン川河口と北海。そしてバンフの町並み

  昼食後ダフハウスへ。ダフハウスは、有名な観光施設なのでいたるところに道標があるが、これが紛らわしい。マクダフ方向から見れば最初に右の道路際にまず道標。これはダフハウスの庭園に向かうもの。一度はこちらに入ったがここにはダフハウスはない。ダフハウスは、庭園の道標をちょっと越えたところにある道路左側の道標方向に左折する。そこはすでに敷地内だ。駐車場も広くて整備されている。


絵はがき風の写真ですが・・・

  ここは見事な建物だった。まずその壮大さに驚かされる。建物に近づくにつれ壁に施された飾りものにも驚かされる。ガイドブックによればジョージ様式というのだそうだ。

  4階建てのこの建物は2階が入り口。入り口を入ると係りの人に入場料支払い窓口に案内された。もちろん我々はフレンド会員なのでカードを示して無料。ところが、ここでは正規の入場者であることを示すプレートを渡される。これは受け取りと同時にデポジット(保証料)が一枚50p払わされる。そして帰りに、売店に行ってこのプレートを返すと50pが返却される仕組みになっている。

  現在、この建物の内部はNational Galleries of Scotlandとして利用されており、さまざまなものが展示されている。
  そもそもこの家、ファイフ(Fife)の伯爵だったダフ氏のために、ウィリアム・アダム(William Adam)という建築家によって設計されたものだという。そしてこれはウィリアム・アダムの最高傑作だともいう(余談ながら彼の命日は1748年6月24日)。

  ダフハウスの建物自体は1739年に完成したというが、その後も未完成部分を建築していった。しかし現存する建物だけがすべてではなく、設計では、この建物の左右にウィング(翼)まで付いていた(内部に模型があり、それを見ると恐ろしく大きな建物になったであろうことがうかがえる)。

  2階から、3階、4階と順路どおりに見学し最後は1階に戻り外に出るというルートになっている。とにかく一つ一つの部屋が広く天井も高い。個人的にはライブラリーの作りや机などの調度品が気に入った。3階のある部屋には、ピアノが置かれていた。ドイツ製だ。長女が手を振れたので手で制すると、係りの男性が自由に弾いていいですよと勧めてくれた。ここで長女が粋なことをやってくれた。彼女が弾いたのは、当地で覚えた、オールド・ラング・サイン(日本名「蛍の光」)。男性は「伝統的なスコティシュメロディーですね」と目を細めた。広い部屋、高い天井にすこぶるクリアなピアノの音が響く。それは隣の部屋にも反響する。

  さらに見て回る。どの部屋も豪華な調度品に目を奪われる。決して成金趣味のものではない。いずれも重々しさを感じる。
  子供達にはあまり興味のなさそうなものばかりだったので早足で見て回ったが、それでも建物に入ってから出てくるまで小一時間かかったので、この建物がいかに広いかおわかりいただけるだろう。

  ダフハウスのまわりには、散策路や遊具のある公園もあった。子供達にはダフハウスよりは遊具の方が楽しいらしく(当たり前だ)、しばし公園で遊んでダフハウスを後にした。

Aberdeen-(A90-A96-B933)[27miles]-Kinkell Church-(B933-A96-A95-B9018)[51.6miles]-Deskford Church-(B9018-A98)[19.6miles]-Duff House-(A98-B9031-A90-B9032)[31.3miles]-Memsie Cairn-(B9032-A90-A952-A950)[13.2miles]-Deer Abbey-(A950-B9106-B9029-B9170-B999)[35.1miles]-Aberdeen[Mileage:177.8miles]

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