ドラム城と庭園(Drum Castle & Garden)

  クラスィス城を訪れたとき、入場料を支払う場所で、「ドラム城とのジョイント・チケットあります」との表示があった。しかし、その日にはドラム城に行くだけの時間的余裕がなかったし、何より、その時期にはまだドラム城はオープンしていなかった。
  ドラム城はイースター・ウィークエンド(4月21日の金曜日)からオープンした。それを待ちかまえるように、我々も早速ドラム城を訪れた。

  ドラム城はA93沿いにあり、自宅からは16.7マイル、約40分で到着した。
  まず我々は、駐車場に自動車を停めた。さすがに訪れる人が多いのか、駐車場には結構な数の車が停まっていた(もっとも満車にはほど遠いけれど)。駐車場にはアバディーンの路上駐車場に似た券売機があった。このお城の駐車場は有料だったのである。しかし必ず払わなければならないかといえばそうでもなさそうだった。管理する人はいない。駐車料金を支払わなくてもまったく構わないような雰囲気だ。要はその人の気持ち次第といったところ。見ればチケットを提示していない自動車も多い。もちろん小生は支払ったが、何時間停めても£1。何より、これまで訪れた施設では、駐車料金を支払う施設はなかったので、ちょっとした驚きがあった。

  次は入場券を買う。この日は今後のことを考えて、NTSの家族会員になるつもりだった。お城の入り口付近の掲示板に「今なら3ヶ月分が無料!」という会員加入ポスターが貼ってあった。よく見ると会員は年会費が正規の料金から3ヶ月分無料になるというものだった。家族会員は正規では£45.00。それが£33.75になるという。なるほど、1ヶ月£3.75で3ヶ月分は£11.25。これがディスカウントされて£33.75になるわけだ。
  ところが、手続きをして気付いたことなのだが、この割引を受けられるのはダイレクト・デビット(Direct Debit:口座振替)を利用して会費を支払う場合に限られていた。現金やカードの支払いでは割引を受けられないという。小生は、幸いにして銀行のカードを持参していたのでそれを示してダイレクト・デビットで手続き。係りの方は非常に親切丁寧(でも乱筆)。申込書には小生のサインの場所を残してすべて記入してくれた。ここで申込書の写しをもらう。これが仮の会員証になるという。この段階で入場料は無料になる(無料とはいっても年会費の中に含まれているいるのだが)。


Drum Castle

  さて、順路どおりに城内を見学。ここでもクラスィス城と同じように、入り口に日本語の解説書があったので、それを見ながら歩を進める(ここも城内の写真撮影は禁止)。
  このお城は、元をたどれば13世紀後半には存在していたらしい。城主(なんか日本の城のような感じの表現だが)はアーヴィン(Irvine)家。そのアーヴィン家の23代当主が1940年に独身のまま亡くなり、その10年後ぐらいに、このお城の管理がNTSに移されたらしい。ということはこのお城もつい最近まで邸宅として実際に人が住んでいたのであり、その意味では「新しいお城」といえる。

   

  内部は19世紀頃に作られた調度品などが展示されていた。
  主寝室のベッドは、フォーポスター(four-poster)といわれる、カナピー(canopy:天蓋)を支える四柱のあるベッドである。クラスィス城のときも思ったことだが、寝室のベッドの幅は広いのだが、長さは短いように見える。もちろん、足を伸ばして十分な長さはあるのだろうが、それでも短く見える。幅が広いせいだろうか。
  また、ここでも我々は、トイレを発見。ここのトイレにはおまるはなかった。その代わり、陶器製のボウルと水差しが置いてあった。

  一通り、内部を見終えて売店に来てみると、庭の方向から銃声が聞こえた。
  驚いて庭に出てみると、古い時代の服装をした男達が、行進をしたり、一斉にかまえて銃を撃っていた(その銃は火縄銃と同じ構造)。見物客も結構いる。我々もそれを見てお城の見学は終わり。


戦争ごっこでも楽しめる

  子供達の希望で、お城に隣接した、遊具が設置された広場で遊ぶことにした。そちらの方向に移動していく道すがら、先ほどの男達が、駐車場の奥の一角でテントを張って何かやっていた。そこには女性も子供達もいて、みんな独特の衣装を着ていた。近くにあった看板を見ると、彼らは、フレイザーズ・ドラゴーンズ(Fraser's Regiment of Dragoones)という、17世紀の兵士の技術を再現するチャリティー団体だった。いわば「戦争ごっこ」をする団体といったところだ(ホント、戦争ごっこといった感じ。敵味方にわかれて戦っていたのだから)。

  前に訪れたクラスィス城もそうであったが、NTSの施設は、お城が完全な形で残っているので見る時間もかかり、さらにお庭も広いのでとにかく時間がかかる。どんなにがんばっても1日2ヶ所が精一杯といった感じだ(しかも午後からしか開館しないお城もあるので、そうなれば1日1ヶ所だ)。このあたりがグランピアンにあるヒストリック・スコットランドの施設とは違うところだ。

  広場で遊んで帰宅の途についたのは4時30分。2時間半程度いたことになる。それでもまだお庭は見ていなかったのである。


クラスィス城と庭園 ピットメデン庭園

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