情報処理論 1996 .. 2001年度講義資料

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  1. データの読み方

  1. 1 時系列データの読み方

 

  1. 2 バブル経済の終焉(GDPの指数化)

【ブック名=バブル経済】(CSVデータ d-bbl 90/95/98, あり)

練習1: 時系列データのグラフ化

データの変動形態について(1)や(2)に関して経年変化の動向を判定するには、折れ線グラフで表してみることが基本となる。 実体経済の指標であるGNP(GDP)の変化、地価と株価の3つを折れ線グラフで描き、それらの動向を比較しなさい。

1995年度までのデータ d-bbl95.csv を利用して、横軸を西暦年、縦軸にGDP、地価と株価をとって折れ線グラフを作成する。 その前に、上の図はデータを1985年を区切りとして分けてあるが、これは画像の横サイズを小さく抑えるための便宜的処置である。70年から95年までのデータを3〜6行目に複写し、8〜11行目を削除しなさい。

練習2: GNP(GDP)の指数化

時系列データの変化を記述するためのデータの加工には、「指数」の形にすることがよくある。 指数というのは、基準年を定めてその年の値が100となるように他の年の値を変換して得られる指標である。

3つのデータの中でGNPは大きな数値なのでその変化を他と比較しにくい。そこでGNPについても1985年を基準に指数化する。

  1. セルA13に「指数(1985年=100)」を入れ、セルA14〜A17にそれぞれ「西暦年、GDP、地価、株価」を入れる。1974年から1995年の元のデータをセルB15以降に複写する。
  2. 1980年を例として「指数」の計算式を入力してみる。1980年のデータはH列に、1985年のデータはN列にあるはずである。 1980年のGDPの指数を求める式は、セルB15に「=100*B15/N$15」となる。
  3. 同様に、地価と株価についてもあらためて1985年を基準に指数化する。地価の式は、セルB16に「=100*B16/N$16」、株価の式は、セルB17に「=100*B17/N$17」である。
  4. 1980年に対する計算式をその他の年度に複写してすべてのデータを指数化する。 ただし、77年以前の地価についてはデータが無いためエラーとなるので、式を削除しておく。
  5. 地価、株価、GNP(GDP)指数の3つの指数について折れ線グラフを作成する。練習2のグラフと比較してどのような相違があるか述べなさい。(1985年を基準にしたので、すべて100で交差しているのもその1つ)

    練習3: 対前年変化率または年間の変化率

    練習4: 変化率を折れ線グラフで描く

    次に、名目GDP、地価および株価の変化率を折れ線グラフで描きなさい。練習3での表を観察したときの印象と比較してみなさい。株価(年平均)はバブル崩壊以外でもかなり変動してきたことがわかる。

    練習2の生データや練習3の指数値のグラフでは名目GDPが加速度的に増加しているようにも見えたが、変化率のグラフからは、1975年以降の増加率が低下してきていることが分かる。95年にはついにマイナス成長になった。長い不況期のはじまりであろうか?

     解説:  1990年4月から日本銀行が不動産業向け融資の総枠規制を民間銀行に行政指導し、更に公定歩合が連続的に引き上げられ、株価は大幅な値崩れを起こしてしばらく低迷した。 同時に不動産投機の行き詰まりが表面化した。上のグラフでも分かるように、地価はその後1990年9月をピークに若干下落に転じている。 しかし、地価の緩慢な落ち込みは、株価の崩落現象と比較すると同じマネー投機の対象であったことを思うと意外な印象を与えるかもしれない。 これに関する説明は日本経済の専門書に譲る。

    練習問題3。1 上の練習1で取り上げた3つの経済指標に関する 1995年〜 年の暦年データを集めて、1995年以降(できれば 年まで)について同様なグラフを作成しなさい。 ただし、1980年のデータを100として各指数を計算する。また、データの出所を明示すること。

     ヒント:総務庁統計局のPSI(ポケット統計情報)、 http://www.stat.go.jp/ 、経済企画庁の公表資料集、http://www.epa.go.jp/ 、およびそれらの資料に明示されている参照先を検索してみるとよい。(注:2001年1月の省庁再編に伴うURLの変更のためリンク先が見つかりません。)

     

    1. 3 日本のGDP

    練習1:  名目GNPおよび人口に関するれ線グラフを描いて、それを観察して、いずれの時系列データとも単調に増加し続けていることを読み取りなさい。

     この例では、名目GNPおよび人口の両方のデータにおいて1950年の値に比べて1995年の値の方がはるかに大きくなっているので、両者ともこの区間で増加傾向を示していると言える。

     注: 国際的にはGNPの代わりに一般にGDPを使うことが多い。 近年のGDP値は、1985年が 320.4187、90年が 430.0398、95年が 482.9300 である。GNP値より若干少ない。

    練習2: 形態の(3)に関して判定を行なう。  これに関しては5年間の変化率を次式で計算し、変化率の形に加工したデータを用いて判断する方がよい。

    練習3: 名目GNPの変化率の折れ線グラフ
     次に、名目GNPの変化率を折れ線グラフで描きなさい。 生データのグラフでは名目GNPが加速度的に増加しているようにも見えたが、変化率のグラフからは、1970年以降の増加率が低下してきていることが分かる。

    練習4: 人口データの変化率
     人口データについても変化率を計算し、変化率の折れ線グラフを作成しなさい。 生データのグラフでは一定のペースで増加してきているようにも見えたが、変化率のグラフを見ると、人口の変化率は期間ごとに大きく異なった値で増加していることが分かる。

    練習5: 人口データの指数化
     人口に関して1995年を基準年と定め、1950年の指数値を計算する例を考えてみる。 指数値をH列に計算することにしよう。1950年の人口の指数値をセルH6に求めるには次の式

    = ( F6 / F$15 ) * 100
    を入力する。1995年も含めて他の年の指数はこのセルを複写すれば計算できる。

     指数に加工されたデータのグラフは、変化率の場合とは異なり、生のデータとまったく同じ形状のグラフとなる。しかし、指数データでは値が基準化されているので、生のデータよりも倍率が簡単に比べられるという利点がある。指数を本格的に用いるのは、複数のデータ系列を総合して分析する場合である。このような指数に関しては後の章で取り上げる。

    練習問題3。2: 
     いま仮に、実質GNPは名目GNPを消費者物価指数で調整したものであり、

    実質GNP =(名目GNP/消費者物価指数)×100
    で与えられるとする。上の例で、実質GNPと名目GNPの変化を比較し、その違いがわかるグラフを描きなさい。(まず、棒グラフで試してみる)

    練習問題3。3: 
     時系列データの表で人口1人あたりの実質GNPについて、5年ごとの年平均成長率を計算し、練習3の名目GNPの平均成長率とを合わせて、1つの折れ線グラフでを描き、2つのGNPの変化を比較しなさい。

     この章で説明してきたような観察を行い、データの変動形態を正確に把握することはデータの見方の基本であり、その目的に表計算ソフトウェアは手軽で非常に便利な道具となる。 このことは、統計学の色々な手法を学んでデータの性質に対する高度な分析結果が得られるようになっても、軽視してはいけない。 《参考書:�い�4.2章》

    練習問題3。4: 
     企業が発行している株価の傾向を観察しその企業の業績を予測する。
     (注:株価は投資家の財務分析の結果を反映したもので、経営業績を予測する材料として適当ではないとする学説も有力である)
     1995年1月から1996年12月までの2年間(もしデータが手に入るならばより最近の2年間へシフトしてもよい) について、北海道拓殖銀行と野村証券の株価を東証第1部の平均株価と比較したい。東証第1部における始値、高値、安値、終値および1日売買高の月平均値を図書館やWWWの検索サービスなどで調べて、これらをグラフで表しなさい。
     株価グラフを作るには、まず、折れ線グラフを選び、その書式指定(フォーマット)にローソクの様式を選ぶ。 株価グラフには、始値・高値・安値・終値の4つのデータが必要である。売買高はオプションで付けられる。
     注:上記の2社は1997年始めに経営状況が不良なものと優良なものの代表として選んだ。しかし現在、前者は既に消滅しているのでこれに代わる別の企業を選ぶ必要がある。また、ここでは全てのデータの入手が困難ならば、始値=高値などとおいてよい。

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