情報処理論 1998..2002年度講義資料
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  1. Excelの主な機能とその活用
2.4 簡単な財務関数の利用

単利と複利の計算では1期づつ積み上げることで将来の元利合計を求めた。 ここではN期目の元利合計を一度に求める方法を考える。 まず、準備としてブックファイル「財務関数」を新規に作成し,2.2節のブック「金利計算」のシートをSheet1に複写する。 N期目の元利合計を一度に求めるには,知りたいセルにそれぞれ次の式を入れる。 10年目のセルについて書くとセル A11 に"10"という年数が入っているので、

  1. 単利計算なら、B列のセルB11に = B$2 + (A11 - 1) * ( B$2 * 0.05 )
  2. 複利計算なら、C列のセルC11に = C$2 * ( 1.05 ) ^ ( A11 - 1)
という式を入力する。
ほかの期についても同様に上の式で A11 の箇所を変えればよいから、この式を複写すれば正しい答えが得られる。 しかし銀行や証券会社で行われる金融や投資にはもっと複雑な計算を必要とするものが多い。 ここでは関数機能の中でも財務関数を利用して日常的なお金の問題が簡単に解けることを紹介する。
なお、各関数の引数とその使い方の詳細については必ずExcelのヘルプ機能(〔ヘルプ(H)〕メニューからトピックスで検索する)を参照して確認してお くこと。関数はfunctionとも言う。
  1. FV関数とPV関数の利用

FV関数は、定額の支払いを定期的に行い、利率が一定であると仮定して、投資の将来価値を関数値として返す。 FV関数の引数は(利率,期間,定期支払い額,現在価値,支払期日)である。引数はargumetまたはparameterとも言う。

逆に、PV関数は投資の現在価値を計算する。 PV関数の引数は(利率, 期間, 定期支払額, 将来価値, 支払期日)である。なお、これらの関数の支払期日の指定は下記のとおりである。

支払期日 支払いが行われる時期
0 各期の期末
1 各期の期首

練習1:  2年後に海外旅行をするために、定期預金を始めるとします。

現在、年利 1.0 % (月利は 1.0% / 12 ) の銀行口座に 100,000 円の預金をしています。 これを頭金とし更に、今後 24 か月の間、月の初めに 15,000 円ずつ預金した場合、24 か月後の預金残高はいくらになるか。

FV関数を含む次の式をどこか空白のセルに与えると,答えは約465,793円になる。
= FV(0.01/12, 24, -15000, -100000, 1) → \465793.35

ここで、支払期日は毎月始めで計算した。FV関数の引数は、定額預金のような預金者から見た支払い(出金)では負数で 表し、配当金のような受け取り(入金)は正数で表す。 FV関数の答えも同様に表される。銀行から見た場合は正と負の解釈が反対になる。

練習2:  半年複利の定額貯金の計算。

元金10万円を年利率5%の半年複利の定額貯金に10年間預けると10年後の元利合計はいくらになるか。

これは紙と鉛筆でも計算できるが、FV関数を次のように使って
= FV ( 0.05/2, 20, 0, -1, 1 ) * 100000 → \163,861.64

セルにこの式を入れると、答えは約1.64倍の 163,861円になる。ここで、定期支払額は0,支払期日は期首とした。また現在価値を−1とおいて元金は関数の答えに掛ける形にしてある。もちろん
= FV ( 0.05/2, 20, 0, -100000, 1 )
としてもよい。

 

  1. PMT関数とPPMT関数の利用

PMT関数は、定額の支払いを定期的に行い、利率が一定であると仮定して、貸付に必要な定期支払額を算出し、これを関数値として返す。 PMT関数の引数は(利率,期間,現在価値,将来価値,支払期日)である。 最後の引数の支払期日の指定については、FV関数などど同じである。

この定期支払い額のうち、元金支払分 (principal payments) を求めるにはPPMT関数を使う。PPMT関数は、定額 の支払いを定期的に行い、利率が一定であると仮定して、投資の指定された期に支払われる元金を返す。 PPMT関数の引数は(利率,期,期間,現在価値,将来価値,支払期日)で、「期」の指定が追加されている。

 練習3:  借入金を元利均等返済方式で返す。

100万円を年利率3%の定額返済で借りる。10年間で返済を完了するとしたら、毎年の返済額はいくらになるか。 また、毎月返すとしたら毎月の返済額はいくらになるかか。いずれも期末払いとする。 総返済額は返済期が毎年と毎月の場合それぞれいくらになるか。《参考書�Δ�3章》

PMT関数を使って
= PMT ( 0.03, 10, -1000000, 0, 0 ) → \117,230.51
となる。 セルにこの式を入れると、毎年の返済額の答えは2.3節「ゴールシーク」で求めた値と同じになる。 ところで、117,230円の返済額のうち元金返済分を1年目について求めるには、PPMT関数を用いて
= PPMT ( 0.03, 1, 10, -1000000, 0, 0 ) → \87,230.51
となる。

注:期末払いで計算しているので1年目の利子支払分はちょうど3万円になっている。
87,230 + 30,000 → 117,230

また、100万円を10年の月賦で返済する場合、毎月の返済額は次の式で計算される。
= PMT ( 0.03/12, 10*12, -1000000, 0, 0 ) → \9,656.07
総返済額は毎年の場合は,
\117.230.51 * 10 = \1,172,305,
毎月の場合は,
\9,656.07 * 10 * 12 = \1,158,728.97
となり、後者の方が約13,576円(利払いの年平均より少ないが)得である。

練習問題 (2-9)

  1. 人から借金を申し込まれ、年利 10% の 5 か月払いで 50 万円を貸した場合、毎月の受取額はいくらになるか。
  2. 10年間で 500万円をためることを目標に、毎月一定の金額を預金することにした。毎年 3% の金利が期待できる場合、毎月の預金額として銀行口座にいくら預ければよいか。

 練習4:  ボーナスを併用したローンの返済
2000万円の住宅ローン(年利4.5%)を,ボーナス時返済を併用して返済期間20年の元利均等返済方式で契 約する。 年3回のボーナス時返済分を900万円,毎月返済分を1100万円としたとき,それぞれ毎期の返済額はいくらになるか.また,20年間の返済総額はいくら になるか.

【ブック名 = 財務関数、シート名 = PMT関数】

  1. 図のような準備をする.この表ではセルE3とF3に毎期の返済額を求める.金額が入るセルの表示形式を¥印がつくように変更する.
  2. セルE5とF5には返済総額を計算する式を入れる.毎期の返済額が求められていないので結果はまだ¥0になっている.
  3. E5 = E3 * 12 * C5
    F5 = F3 * 3 * C5

  4. 毎月の返済額をセルE3に求める.次の式を入力する.

  5. = PMT ( C3/12, C5 * 12, -E4, 0, 0 )
  6. 毎ボーナス月の返済額をセルF3に求める.簡単 の為に4ヶ月毎に返済するとして,次の式を入力する.

  7. = PMT ( C3/3, C5 * 3, -F4, 0, 0 )
  8. 全ての式を入力すると,セルE5とF5の返済総額が それぞれ,\16,701,943, と \13,712,450, とになっていることを確認する.

練習問題 (2-9)

元利均等返済方式で 2000万円を年利 3.5% の 10年ローンで借り入れた場合、

  1. 毎月の返済額はいくらか。 また、最初と最後の年の1月の利子支払額はそれぞれいくらになるか。
  2. ボーナス時返済を併用して返済するものとし、年3回のボーナス時返済分を1000万、 毎月返済分を1000万としたとき、それぞれ毎期の返済額を求めなさい。
  3. 上の問、ボーナス時返済を併用した返済において、返済総額を求めなさい。
    ただし、いずれの問でも、支払いは月単位で月末に行われるものとする。

練習問題 (2-11)

  証券投資を見積る

向こう10年間は毎月末に2万円の配当が支払われる証券があり、現在の価格は200万円である。 向こう10年間には年率 3.5%の金利を見込めるものとし、この証券の購入が有利なものであるかどうか判定しなさい。

ヒント:  PV関数を使う。引数は次のように書く。
= PV(年利/12,12*年数, 毎月の配当, 0, 0) →
計算結果は出金であるため負数になる。
投資の現在価値が200万円より大きいければ、この投資は有利といえる。配当の総額240万を目安にするのではない。

参考:
他の関数についての追補(一覧は教科書�,良嬾殖粥�
  1. データベース関数 → 教科書�,裡掘檻伽�
  2. 日付/時刻関数 → 教科書�,裡掘檻雲瓠ぃ掘檻汗瓠ぃ江蓮�
  3. 論理関数 → 教科書�,裡粥檻垣瓠ぃ隠亜檻垣�
  4. 情報関数 → 教科書�,裡隠亜檻垣�
  5. 数学/三角関数 → 教科書�,裡押檻伽瓠ぃ掘檻垣瓠ぃ検檻汗瓠�
  6. 検索/行列関数 → 教科書�,裡絃�(p.161),13−2節,12章(p.224)
  7. 統計関数 → 教科書�,裡粥檻伽瓠ぃ絃�(p.193),10−3節,12章(p.224)
  8. 文字列関数 → 教科書�,裡掘檻汗�