23.ピール・リング・オブ・ランファナン(Peel Ring of Lunphanan)

  ヒストリック・スコットランド巡りのドライブもいよいよ残り少なくなってきた。それと同時に、訪れる場所も飛び地のように残された場所が多くなり、移動している時間の方が長くなってきた。

  この日の最初の訪問地は、A980沿いにあるピール・リング・オブ・ランファナンであった。
  我々はまず、アバディーンからA944を走り、途中でB993に入ってA980に乗る予定だった。しかしA944を快調に進んでいたが、途中で「前方の橋は通行止め」の標識に出くわす。仕方なく、A980方面に向かっている細い道を走ることになってしまった。こういう時土地勘がないと不安になる。頼りは自分の「勘」だけである。走っても走ってもA980にたどり着けないように思えた頃、B993に向かう標識を発見。ホッと一息ついたのもつかの間、今度はA980との交差点を見落とし、A93との交差点まで走ってしまったのである。
  A93からももちろんピール・リング・オブ・ランファナンまでは行くことができるが、かなり遠回りしてしまったのは否めない。

  それでもアバディーンを出発して1時間ちょっとでピール・リング・オブ・ランファナンに到着した。駐車場に車を停めて何かありそうなところまで歩く。


Peel Ring of Lunphanan

  ピール・リング・オブ・ランファナンは、13世紀の城跡だというが、現在では、地中から顔をのぞかせる土台であっただろう石以外、何も残っていない、唯の丘である(丘といっても20歩程度で登れてしまう)。そもそもピール・リング・オブ・ランファナンのうち、ランファナンは地名である。問題はピール・リングで、これは手元にあるハンディな英和辞典にはその単語さえも出ていない。オックスフォード辞典ではpeelは砦だと説明されている。したがってランファナンの砦だということになるが、リングについては意味がわからないままだ。

  その丘の下に、説明プレートがあって、そこに想像図も出ていたが、どうやら丘の上に小規模なお城か砦が立っていたようだ。説明によれば、1,291年にエドワードT世(Edward T)が入城したらしい。しかしそれが何のためなのかについてはわからなかった。

  しかしそんな歴史的な展開よりも、そんなに高くない丘であるにもかかわらず、そこから見る景色は最高によかった。視界を遮るものは、現在でもなにもないのである。鳥の鳴き声も聞こえてきて、しばし時間が止まったような錯覚を憶えたほどであった。

Aberdeen-(A944-B993-A93)[39.9miles]-Peel Ring of Lumphanan-(A980-A944-A97)[30.1miles]-Glenbuchat Castle-(A97-B9002)[11.7miles]-St Mary's Kirk-(B9002-A97)[12.4miles]-Huntly Castle-(A97-A96-A90)[44.4miles]-Aberdeen[Mileage:138.5miles]

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