Excelでは数値データを「,」で3桁区切りにしたり,割合データを「%」表示に
したり,金額データに「\」記号を付けたりといった表示にしても,普通 に計算操作やグラフ作成を行うことができる。では,データが人数や台数であったり,百万円などの単位表示であったらどうなうであろうか。セル内の数値の後
ろに「人」や「千台」あるいは「百万円」といった単位を追加した場合,単位を文字列として入力した瞬間に,計算もグラフ表示もできなくなってします。その
原因はやはりデータの種類が変わってしまうことにある。(参考1)
表示形式を使うと,セルに入力したデータは元の数値のまま,表示のみ単位を付けることができる。表示したい単位が,あらかじめ用意されていなくても表示
形式の「ユーザ定義」で新しく作ることができる。
例題:
セル内の数値データの表示を,「\」(円符号)や「%」(百分率)付きの表示にしたりすることは簡単である。分数を入力するにはどうするか? また,\や%付きのデータや分数データに対して「計算」を行いたい場合はどうするか。
例題:
次のような複数の単位が含まれている表で,金額に「億円」を付けたり,人数の元の数値を1000で割り算せずに「千台」単位で表示する操作 を実際に行ってみよう。

Fig.1
練習1:
上の表で「売上高,営業利益,純利益」の金額の少数点以下を見えなくし,「億円」の単位を付けて表示してみる。表示形式の「ユーザ定義」は,まずセル範
囲を指定し,「セルの書式設定」ダイアログの「表示形式」タブで設定する。「分類(C)」で「ユーザ定義」を選択し,「種類(T)」の中から目的の表示形
式に近いものを探して選択する。
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- ここでは,「#.##0."億";[赤]-#,##0."億"」を選んだ。このまま指定すると,正数は27,814.億のよう に,負数は赤字で
-27,814.億のように表示される。 「,」で3桁に区切られ,1桁目の数字に「.」が付くこと,および「億」は「"」で囲まれていることに注意。
- 「種類(T)」の編集欄の中で,書式記号の組合せを次のように変更しよう。「0.」を「0」に,「"億"」を「"億円"」に変更
する。
#.##0"億円";[赤]-#,##0"億円"
- 「OK」ボタンを押す。
- 従業員数を「千人」単位で表示する場合は,「種類(T)」の中から近いもの(「#,##0 "人"」等)を選択し,これを編集して「#,##0,
"千人"」を作る。
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Fig.2 |

Fig.3
数値を1000で割らず,表示のみを「千人」単位にするには,「数値の下3桁を省略する」という「ユーザ定義」の表示形式として,末尾の「,」を付けて
「#,##0,」に単位を付けて「#,##0,"千人"」とする。
「ユーザ定義」の書式記号の指定の仕方を以下にまとめておく。
書式記号
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記号の意 味
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#
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数値の桁を示す。数字が「0」のときは表示しない。
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0(ゼロ)
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数値の桁を示す。数字が「0」のときは「0」を表示する。表示形式が
「#00」なら,0を入力すると「00」と表示される。 |
,(カンマ)
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3桁区切りのカンマを挿入する。「##0,」のように末尾に「,」を指
定すると「,」以下の3桁を非表示(四捨五入)にする。 |
.(ピリオド)
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小数点以下の桁数を示す。表示形式が「0.00」なら,123.468
を入力すると「123.47」と表示される。
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"文字列 "
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「"」で挟んだ文字列を数値に付けて表示する。
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練習2:
次に,「ユーザ定義」の表示形式に変更しても元の数値を利用することができることを示す。グラフウィザードを利用して次のようなグラフが容易に作成でき
ることを確認してみよう。

Fig.4
セルに「9/15」を入力すると「9月15日」のように表示され,数式バーの内容は「2004/9/15」になっているとする。西暦で入力した日付を元号の表示に変えたいというような場合は,「セルの書式設定」画面を開く。この画面で「表示形式」タブを開き,「分類」欄で「日付」を選べばいくつかの表示形式を選択できる。しかし,元号表記はあるが,「平成○○年○月」といった「年月だけ」の表記は見当たらない。
日付の表示形式は,年を表す「y」,月を表す「m」,日を表す「d」などの書式記号を組み合わせて表現する。「平成○○年○月」と表示するには,表示形式を「ggge"年"m"月"」と定義すればよい。
最後に,日付や時間を表す書式記号の指定についても一覧表示す。
表示形式が「ge/m/d(aaa)」なら「H16/9/15(水)」のように,「yy/m/d(aaa)」なら「04/9/15(水)」のように曜日が追加されることがわかる。