―縦社会―
日本は基本的に縦の社会です。年長者を大切にし、経験者を尊重します。例えば、会社では必ず「〜課長」、「〜部長」などというように名前の後に役職名をつけて呼びます。席につく順序、場所などにもしきたりがあります。
上座・下座
目上の人、来客の席が上座です。原則として入り口から一番遠いところが上座、正面に向かって右側が上座、左側が下座というのが一般的です。また、景色のよく見える席も上座です。
<エレベーター>
ボタンのある側の奥が上座。ボタンを扱う場所が下座。
<車>
運転手の真後ろが上座、助手席が下座。
<日本料亭>
入口から一番奥(床の間)が上座。入口に一番近い席が下座。
昔、日本には武士の時代に封建制度をとっていたため、その封建社会の背景が現代の日本人にまだ根強く残っているとされています。次第に民主化されてきていますが、封建社会=縦社会の意識があります。それは企業、スポーツ、やくざの世界で起こりえます。特に、企業での意識は強いため、縦社会の具体例と言えます。
企業において
それぞれの役割に、上下を表す名前がある。(社長、課長、部長、マネージャー、チーフなど)
どんな時でも自分より上の地位にいる人には従わなければならない。何か物事を決める時でも、上の人からの許可がいる。
ある会社では、いくら自分の仕事が早く終わっていたとしても、自分より上の人が帰るまで帰れない。
縦社会の意識により自分より上の人たちには逆らいにくい。そのため、自分の意見を言えない人もいる。
スポーツにおいて
上下を表す「先輩・後輩」という呼び名、意識がある。
後輩は、先輩の言うことには必ず従わなければならない。逆らうといじめや無視などが起こる可能性がある。
先輩よりも後輩の方が気を使うことの方が多い。
やくざ
とても恐ろしい世界で、上が言うことは何がなんでも絶対。反抗なんてしたら、殺されるくらい恐ろしい。
厳しい上下関係で組織されている。
下の人たちは、常に上の人を尊敬している。
縦社会も一概に良いとは言えないし、悪いとも言えません。縦社会意識の悪影響もありますが、これのおかげで円滑な人間関係を築けるという利点もあります。