普段は自動車で移動することが多いのですが、天気のいい日などは近所を散歩します。ブリッジ・オブ・ドン地区はアバディーンの中でも高台にありますので、ちょっと見通しのいいところに行けば、北海を望むことができます。また、道路が意図的にカーブを描いて作られていたり、家と家の間に歩行者専用の小道がたくさんあったり、立派な道路なのにその先は袋小路になっている道も結構あります。
  ここでは、散歩の途中で見付けたもの、気付いたことを紹介します。


1.ロイヤルメイル

  何といっても最初に紹介しなければならないのが郵便。
  英国ではポストマン(郵便配達)は早朝に仕事を終わってしまいます。アバディーンでも例外ではありません。我が家では、早ければ朝8時30分、遅くても10時には配達されます。
  我々が住む地域担当のポストマンは初老の方です。ポストマンはほとんど徒歩です。サンタクロースのように大きなナップザックを肩にかけ、手には数軒分の手紙を持って歩いています。
  彼らは番地を見て手紙を配達しているようで、たとえ宛名が違っていても配達していきます。我が家には、我々以外に3人の異なる名前の郵便物が配達されます。これはたぶん我々よりも前にここに住んでいた方のものなのでしょう。

  さて、我々が利用しているポストはNewburgh Roadにある小さなポストです(徒歩3〜4分)。こんな小さなポストでも、我々にとっては日本への窓口ですから愛着がわいてきます。
  古ぼけてはいますが、ちゃんとPOST OFFICEの文字とロイヤルメイルのロゴマークの王冠が刻まれています。しかも平日は一日に3回集めに来ます。
  ところで、ポストに行く道すがら気になっていたものがありました。
  そこにはROYAL MAILの文字が見えるので、はじめはポストかなと思いましたが、投函口がありません。カギもしっかりかかっているのです。

  これは投函予定の手紙を入れておく保管箱でした。
  つまり、配達地域の手紙は多い。一度に持っては歩けない。そこで、集配局から手紙を自動車に積んで運び、その地域の保管箱に入れておく。
  ポストマンはその箱からナップザックに入るだけの手紙を取り出して配達し、それが終わったらまた手紙を取り出して配達するというような感じのようです。

  近所を歩いてみると、いろいろな形のポストと保管箱がありました。

2.屋根

  北海道の屋根は、日本の中でも特殊な屋根で、大雪に備えてフラットになっています。大雪とはいえ重い雪ではないのでそうした造りをしているのでしょう。それに比べて本州の屋根はいわゆる瓦屋根が主流。というより、伝統的な日本風の屋根には瓦があり、雨や水を流すとい(樋)があるのが普通でしょう。

    

  当地の屋根は、その日本風の屋根にそっくりです。遠くから見ると「絶対にあれは瓦だ」といいたくなります。
  なお、アバディーンでは日本でいうVHFのアンテナはなく、UHFのアンテナばかりです。また衛星放送用のパラボラアンテナを付けている家が数多くあります。

3.電線と電柱

  電線は地中に埋設されていますので、アバディーンには電柱も電線もありません。ですから、何かスッキリした感じがします。面白いのはアバディーンの郊外に出ると送電線も鉄塔も見られますが、それがどこからか地中にもぐってしまうわけです。ブリッジ・オブ・ドンではそれがどこかはわかりません。

  また、道ばたには左のようなものがあちこちにあります。いまだにこれが何かわかりませんが、これが電線のかわりか、あるいは電話回線が入っているものかもしれません(そういえば、電話回線用の電線もありません)。結局のところ、アバディーンには、いかなる電線もなく、そのために視界が広く感じます。


4.犬の散歩とマナー

  近所に犬や猫がたくさんいます。猫は道路や庭をウロウロしているのをよく見かけますが、犬は散歩している以外見かけません。第一、犬小屋というものが見当たりません。犬も家族の一員なのでしょう、外で寝かせるということはせず、皆さん家の中で暮らしているようです。
  ところで、近所のちょっとした広場の片隅には、必ず赤いボックスがあります。ボックスには「ゴミ箱ではない」と書かれています。これは、犬のフンを処理するボックスでした。散歩の途中で愛犬がフンをしたとき、それをこの箱に入れて処理して下さいというもので、市当局が設置したもののようでした。もしその処理を怠った場合、最大£100のペナルティが課せられるようです。

  しかし、道路にも、歩行者用道路にも、広場にも、犬のフンは落ちています。日本よりはるかに多く見かけます。「かなり多い」と表現すると語弊があるかもしれませんが、決して少なくありません。くれぐれもいっておきますが犬が悪いのではありません、飼い主のマナーの問題です。

5.滑り止め

  札幌でもおなじみ雪の時の滑り止め用砂。当地でも交差点・横断歩道付近に設置されていますが、その大きさは札幌のものよりだいぶ大きいです。


Grit Saltと書いてあるが「塩」ではない。

6.公園

  子供達が遊びに行く公園。当地には公園の名前がなく(少なくとも表示されてなく)、我々は、アスダパークと呼んでいます。アスダというスーパーマーケットのウラにあるからです。
  当地の公園は、すべて地面に木くずを敷き詰めています。転んでも大丈夫なような配慮なのでしょう。
  そのためかどうかはわかりませんが、砂場はどこにいってもありません。

7.歩行者専用通路

  いたるところに歩行者専用道路があります。迷路のような感じがします。意外なところに案外早く着いてしまいます。これを覚えれば一人前のブリッジ・オブ・ドンの住人ということになるのでしょうね。

8.袋小路

  歩行者専用道路とともに多く見かけるのが袋小路。道路の入り口にはその道路の名前を示したプレートがあるのですが、上に赤く塗られたT字型のマークが袋小路を示すサインです。なお我々が住むNewburgh Roadは袋小路ではありません。

9.ランダバウト(Roundabout)

  自動車の往来が激しい場所にだけランダバウトがあるというわけではありません。袋小路になった道路の一番奥にはランダバウトがあることが少なくありません。ランダバウトがあると、自動車をバックせずにUターンができるので便利です。

10.歩行者用信号とセーフティゾーン

  信号自体日本よりは少ないのですが、信号のある場所には、ほとんど歩行者用信号が付いています。ここまでは日本と同じなのですが、この歩行者用信号と自動車用信号は連動していません。日本では歩行者用信号が青の時は、同じ方向の自動車用信号も青ですが、こちらでは歩行者用信号が青の時でも、同じ方向に進む自動車用信号は赤の時がほとんどです。つまり、歩行者が道路を横断するときには、いずれの方向からも自動車が進入できないように制御されているようです(そのかわり歩行者用信号が青の時間は恐ろしく短いのですが)。
  また道路に歩行者用のセーフティゾーンが設けられている場所もあります。日本は、横断する道路の左右から自動車が来ていないか確認して横断しなければなりませんが、このセーフティゾーンがある場所では、とりあえず右から自動車が来ていなければ、セーフティゾーンまで渡ることができます。次に左から来ていないことを確かめて残りの半分を横断すればいいわけです。

       

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