6.カルシュ・アース・ハウス(Culsh Earth-House)

  トムナベリー・ストーン・サークルからB9119に乗り換えて、またまた山道を走る。すると付近にカルシュ・アース・ハウスがあるという道標。注意深く車を走らせると、道沿いの右手に矢印の付いた道標。カルシュ・アース・ハウスである。トムナベリー・ストーン・サークルからは約20分。
  ここには駐車スペースらしきものはなく、路側に広がる足の短い草むらに停車。
  道路を渡ってカルシュ・アース・ハウス方向に向かう。そこには大きな民家と芝の生えた平坦地があるのみだった。

  それにしても予備知識が全くない状態で訪問する愚かしさを感じてしまった。ストーン・サークルは円形の石、キャッスルはとりあえずお城だ。しかし、アース・ハウスは想像もつかない。直訳すれば「地球の家」だ。「ところで地球の家って何だ?」
  その場所は芝の生えた平坦地だった。道路側から接近しても何も見えない。『おかしいなあ』と思いながら説明プレートを見る。説明プレートの絵からは藁葺きと思しき円錐形の家があるハズだったがそんなものはどこにも見えない。『変だなあ』と思いつつ付近を歩くと地中に続く穴がポッカリ。これがアース・ハウスの入り口だった。
  説明プレートをさらによく読むと、アース・ハウスと名付けられてはいるが、要は居住スペースを地中に持った家とのことだった。これが作られたのが西暦100年から200年頃と推定されるということだから、おおむね2,000年前の家(住居)だったのである。その穴の上に藁葺きで屋根のようなものを作ったらしい(という想像に基づいて説明プレートの絵が描かれていたわけだ)。これが愚かしさその1。

  住居であるからして、その入り口は大人が立って入ることができるほど大きい。しかし、2、3歩中にはいると前方は真っ暗闇。こんな時、日本なら、電球などを設置して見物客の便宜を図る措置を講じるところだが、ここにはない。何も見えないのである。上に手を伸ばせば天井に触れることができる。穴のまわりはどうやら岩でできているらしい。壁を触るとじっとりと濡れている。すべてが手探りの状態。真っ暗ながらどこまで続いているのか手探りをしながら歩く。手探りだからどの程度歩いたのか、内部がどんな形状なのか想像もつかない。我々の後に見に来た人は手に懐中電灯を持っていた。これが我々の愚かしさその2。

  ここには10分程度いたが、帰りにかみさんが一言。
  「そしてあの家がその子孫というわけね。」
  「えっ?」
  「だって、あの家の表札にはCulshと書いてあったわ。」
  『残念、見てくるのを忘れてしまった。』と思いながら、次の目的地に向けて出発した。


Aberdeen-(A93-B972-A939)[63miles]-Corgarff Castle-(A944-A97-B9094)[23.8miles]-Tomnaverie Stone Circle-(B9094-B9119)[3.8miles]-Culsh Earth House-(B9119-B9125)[21.9miles]-Cullerlie Stone Circle-(B9119-A944)[18.5miles]-Aberdeen[Mileage:101miles]


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