自 動 車 関 連 情 報  

1.自動車の購入
  小生の場合、幸いなことにアバディーン到着後、すぐに自動車を所有することができた。
  きっかけはこうだ。日本にいるときから何かとアドバイスをしてくれたサムが、アバディーン大学の学生(博士課程)が自動車を売りたがっている、一度見ませんか、と伝えてきた。到着後すぐのことで早まって自動車を購入しなくてもいいかなと考えていたが、あとで自分で探すというのも面倒だし、いずれは必要になるのは目に見えていたので、見に行ったその場で購入した。
  購入と同時に、前の所有者から2枚の書類を受け取った。まずV5といわれる申請書。これにはV5/2という証明書も添付されている。そしてMOT。
  今から思えば、英国で自動車、とくに中古車を個人的に購入する際に注意しなければならないことは、次の3点である。
  @車輌登録税の期限はいつまでか
  A車検証(MOT)の期限はいつまでか
  BV5申請書があるか

  小生が購入した自動車は、車輌登録税の期限は、1999年12月末だった。ということは1999年12月末に、今度は小生が支払わなければならないことを意味する。また車検は1999年7月31日に受けていたので、期限は2000年7月30日までだ。そしてV5申請書も問題なく受け取った。

2.損害賠償保険
  自動車を運転する前に、まずしなければならないことは損害賠償保険契約を結ぶことである。このあたりの制度がどのようになっているのか、詳しくはわからないが、日本のように強制保険・任意保険という区別はないようで、とにかく保険に入ることが義務付けられている。
  保険は、保険代理店(Insuranceの文字が目印)でならどこでも契約することができる。しかし、代理店、あるいは契約時期によって保険料が異なる。小生はサムが契約している代理店を紹介してもらった。
  契約時には、日本の免許証、国際免許証、そして日本の保険代理店に発行してもらった英文の無事故証明書を持参する。
  保険は「第三者のみ保障(Third party)」「第三者+火災・盗難保障(Third party, fire and theft)」そして「包括(Comprehensive)」の3種類から選ぶ。包括は、「対人・対物+火災・盗難+自分」を保険の対象にしたもの。当然高い。第三者のみは、「対人・対物のみ」が対象。小生は「第三者+火災・盗難保障」を選択。
  小生の場合、かみさんの運転も対象とした契約を結んだ。保険料は年額£175程であった。後日届いた契約書にはそれら(「第三者+火災・盗難保障」・かみさんの運転にも適用)とともに無事故証明書に関する情報も記載されていた。無事故証明書がなかった場合と比べてどの程度ディスカウントされているのかはわからないが、大学で同室の研究者の話では「それはリーズナブルだ。いい契約をした」とのことだった。なお支払手段は現金、小切手など。
  保険は、契約したその日から有効。後日、正式契約証書が届くまで仮の契約書を発行してくれることは日本と同じ。

3.V5申請書
  V5申請書は、車輌登録証(Vehicle Registration Document)である。早い話がその自動車の特徴(ナンバー・車種・排気量・製造年など)と現在の所有者が印字されている。車輌の特徴に変化はないが、所有者が小生に変わったので、この申請書を使って名義変更をする。住所・氏名・所有変更年月日などを記入して、DVLA(Driver and Vechicle Licensing Agency)宛送付する(送付先はV5の裏面に記載されている)。市販の封筒を使用し、セカンドクラス郵便でかまわない。DVLAは、当地ではその所在地(Swansea)をとってスワンジーということが多いようだ。おおむね2週間後、スワンジーから新しいV5が届く。今度は小生が所有者になっている(当たり前だが)。新しいV5がこれである(ブルーの部分)。記入するところが多く見えるが、最低限記入しなければならないのはB(新所有者情報)とDの宣誓(Declarations)である。なお、免許証番号を記入するところがあるが、小生の場合、日本の免許証番号を書いて投函したが問題はなかった。

4.V5/2証明書
  V5にはV5/2という新しい所有者が保有する証明書(New Keeper's Supplement)が添付されている(グリーンの部分)。これには、自動車の新しい所有者名等を記入するが、小生が前の所有者からもらったV5/2がこれである。これは自分がその自動車を使用しなくなるまで持ち続ける必要がある。スワンジーから受け取ったV5にもV5/2が添付されているので、今度小生がこの自動車を転売するときには、V5とともに、この新しいV5/2を相手に交付することになる。

5.MOT
  「モット」と省略していうが、正式にはMinistry of Transport Testという。日本でいえば車検にあたるらしい。これはガラージ(Garage)といわれる自動車修理業者でやってもらう。コストは不明。ただし法律で定められた検査項目はきわめて少ないようだ。小生が購入した自動車は、7月31日にMOTを受けたので有効期限は2000年7月30日。この日には小生は帰国しているハズなので、自分がMOTを受けることはないかもしれない(転売価格を上げるために受けるかもしれないが)。MOTを受けると証明書を発行してくれる。

6.車輌登録税
  自動車のフロントガラスに必ず貼ってあるのが車輌登録税を支払っていることを証明する車輌登録証(Tax Disc)。登録してある所有者なら、期限の2週間前にスワンジーから支払通知書が届く。
  支払うべき税金は、1年分が£155、半年分で£85.25である。
  支払い手続きは郵便局で行う(郵送も可。詳細は通知書の裏面に記載されている)。この際、郵便局に持参するものは次のとおり。
  @スワンジーから届いた通知書
  A税金に見合うキャッシュ(または小切手)
  B損害賠償保険契約証書
  CMOT

  郵便局ではこれらの書類を確認後、登録証にプレートナンバー、税額を記入し、領収印を押して新しいものを交付してくれる。

7.AA
  日本にJAFがあるように、当地にもJAFに似たロードサービスを行う会社がある。そのうちの一つがAA(The Automobile Association Ltd)である。
  当地で、自動車を利用して遠出をする機会はそんなにないだろうとは思ったが、何しろ購入時にすでに11万マイル以上走行している自動車である。どこでどんなトラブルが発生するかわからない。それに備えてAAに加入した。AAの加入はホームページからでもできる。一応ホームページで情報を仕入れ、念のためホームページ経由で申込書を送ってもらった。
  故障対応オプションは4種類用意されている。支払方法によってディスカウント幅が設定されているが、小生は、家族型(登録は4名まで)で、故障の場合、自宅まで送ってくれるサービスがついた「option 400」というもの。口座自動振替(Direct Debit)の場合と現金・小切手・クレジットカードの場合とで金額が異なる。小生は前者を選んで年額£190。申込書を郵送後、登録した家族分の会員カード(4名登録で4枚のカード)と、サービスとして車輌登録証ホルダーが送られてきた。

8.ガソリン
  日常的にはガソリンスタンドを利用することになるが、いわずと知れたセルフサービス。小生は安いアンリーディッド(unleaded:無鉛)ガソリンを使用している。ガソリンの価格は決して安いとはいえない。ここ1〜2ヶ月、リッター74.9p程度だ。スタンドによって1p程度差があるが大した問題ではない。
  支払いは、自分の使った給油機の番号を支払所で告げると支払うべき金額をいってくれる(もちろん給油機にも表示される)。些末なことだが、現金で支払いをすると、こちらから請求しない限り領収書はくれない。それに引き替えスイッチ(Switch)を利用すると、ガソリンの量、金額を書いた「控え」をくれるので、こちらの方が何かと都合がいい。

9.エアー
  タイヤの空気も当然自分で入れることになるが、スタンドによっては有料。たとえばBPでは3分10p。スーパー系のスタンド(たとえばASDAなど)では無料で入れ放題。

10.MOT再び
  帰国間近になって自動車を転売することになった。7月30日までMOTは有効であったのでそのまま売却し、新しい所有者にMOTを取ってもらおうとしていた。
  しかし、先方は「何か重大な問題があってMOT以外の修理代金が高ければ困る」といってきた。これまでの走行では問題はなかったが、先方の不安を解消するためにも小生がMOTを取ることにした(MOTの料金は先方負担。修理代だけ小生負担)。
  MOTそれ自体は£30程度らしいが、業者はMOTにかこつけていろいろ修理や部品交換を要求するという情報を得ていた小生は、オフィスメイトに業者を紹介してもらい仲介をお願いした。
  朝9時に業者の工場に自動車を持ち込み、引き取りは4時30分。MOTは£32.11だったが、タイヤを2本交換させられ、これが£89.80。人件費が£35。その他小さな部品の交換などを含めて総額£161.91だった。
  この金額は安いか高いか。数人に意見を求めたが、評価は分かれた。

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