クラスと講時
クラス | 曜日・講時 | 教室 |
経部L | 月曜・1講目 | A-509 |
文部I | 火曜・1講目 | A-507 |
社部J | 木曜・5講目 | A-507 |
社部I | 金曜・4講目 | A-706 |
経部Q | 金曜・5講目 | A-509 |
科目概要
時代背景
文献や資料から必要な情報を読み取り,それに基づいて自分の解釈や意見を正確に分かりやすく伝えることは,大学の中だけでなく,社会に出てからも必要とされる能力のひとつである。だが,情報を正確に分かりやすく伝える能力は高校までの教育で十分に行われてきたとは言い難い。なぜなら,高校までの授業における日本語の文章表現教育では,「意見」が重要視されることが多く,「説明」は軽視されてきたからだ。
科目内容
そこで,この授業では,文献や資料の正確な読み取りと,自分の持つ情報を正確にかつ分かりやすく伝えるための技術を紹介する。前期では,説明する技術,情報を読み取る技術,意見を述べる技術の3つに焦点を置く。そして後期では,これらの技術の定着をはかるために,テーマを考える,アウトラインを作る,段落を作る,草稿を書く,口頭発表をする,推敲するというレポートを書く一連の作業を体験する。
授業では文章の構造に重点を置く。文章は全体にも,段落(パラグラフ)にも構造を持っている。その構造を意識し,使いこなせるか否かで文章の質は大きく変わる。なお,授業では個人での作業のほかに,他の学生との共同作業に多く時間を割く。具体的には,自分の発表・レポートのテーマ案について質疑応答をする,アウトラインやレポート原稿を読み合い,分かりにくい点や形式が統一されていない点などを指摘する,レポート原稿や口頭発表について批評しあうといった活動を行う。
人材目標
自分の持っている情報や意見を想定される聞き手や読み手が理解できる形で文章化できる人材を育成することを目標とする。特に,構造を持った文章が書けるようになることを目指す。
単位取得の指標
この授業で単位を取得したということは,以下のことを意味する。
- 序論・本論・結論,及びそれを応用させた形式について,そこにどういったことを書くべきか理解している。
- パラグラフ内部がどのような構成になるべきか理解し,実際にその構成で文章を書くことができる。
- ルールにしたがって引用することができる。
- 指定された書式に従った文章を書くことができる。
- 標準的な表記の決まりを理解している。
各回における授業内容
前期
回数 | トピック | 授業内容 |
第1回 | オリエンテーション | |
第2回 | 情報の技術 |
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第3回 | 説明の技術のまとめ,表記の規則 |
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第4回 | 第1回中間課題 |
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第5回 | 絵の分析 |
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第6回 | テキストの分析 |
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第7回 | テキストの分析 |
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第8回 | 図書館ガイダンス | (図書館での演習) |
第9回 | 第6回から第9回のまとめ |
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第10回 | 第2回中間課題 |
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第11回 | 意見文の条件と構成 |
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第12回 | 反論のトレーニング |
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第13回 | 対立意見を組み込んだ意見文 |
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第14回 | 第11回から第13回のまとめ |
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第15回 | 総復習 |
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後期
回数 | トピック | 授業内容 |
第16回 | 後期の内容説明,テーマの絞り込み |
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第17回 | 目標規定文 |
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第18回 | 情報の収集と目標規定文の再検討 |
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第19回 | アウトラインの作成 |
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第20回 | アウトラインの修正 |
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第21回 | パラグラフの構造,文献情報の書き方 |
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第22回 | 議論の作成 |
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第23回 | 背景とまとめの作成 |
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第24回 | 文章を読みなおす |
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第25回 | 口頭発表<練習> |
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第26回 | 口頭発表<実践>(1) |
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第27回 | 口頭発表<実践>(2) |
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第28回 | 評価 |
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第29回 | まとめ |
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第30回 | 図書館ガイダンス(時期未定) |
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成績
評価項目
この授業では,授業課題,中間課題,期末レポートの3つに基づいて成績を付ける。まず,授業課題とは授業内容に基づきほぼ毎回課される課題である。中間課題は2回行う予定である。期末レポートは7月末,12月末頃提出予定のレポートである。
単位取得のための条件
授業課題,中間課題,前期,後期末レポートにおいて関門点をとること。
- 授業課題,中間課題,前期末レポート:各60点
- 後期末レポート:50点
教科書・参考書
教科書
- 河野哲也『レポート・論文の書き方入門 第3版』慶應義塾大学出版会,\1000(全員購入する)
- 『日本語表現−演習問題と資料』(松浦のクラスは購入する必要有りません)
購入物品
- A4版の2つ穴バインダー(フラットファイル)
参考書
基本的な書き方に関する文献
- 戸田山和久『論文の教室:レポートから卒論まで』日本放送出版協会,\1120
- 藤沢晃治『「わかりやすい文章」の技術』講談社ブルーバックス,\800
- 阿部朋世ほか『大学生のための日本語表現トレーニング:ドリル編』三省堂,\1900
内容をより充実させるために役立つ文献
- 福嶋隆史『「ビジネスマンの国語力」が身につく本』大和出版,\1400
- 野矢茂樹『新版 論理トレーニング』産業図書,\2200
- 山田ズーニー『伝わる・揺さぶる!文章を書く』PHP新書,\660
- 上山あゆみ『論文を書くためのWord利用法 〜文書も頭も構造化する〜』くろしお出版,\1680