松浦年男の物置

2010 山口大学・集中講義 言語学特殊講義
この欄には授業の情報を掲載していきます。

科目概要

時代背景

 方言音声に関する研究は長い歴史がある。その中で九州地方の方言は,その多様性や歴史研究に持つ含意などから多くの注目を集めてきた。しかし,一般言語学的な位置付けという点から見たとき,明確なものがあったとは必ずしも言えない。また,従来の記述研究の多くは調査者の聴覚印象に基づいて行われてきたが,近年,PCを用いた分析を簡単に行うことができる環境が揃いはじめ,新たな記述様式によって再検討する必要も出てきた。

科目内容

 そこで,この授業では九州地方の諸方言を主な対象に,そこで見られる音声現象を紹介し,その一般言語学的な位置付けを示す。

人材目標

 自分の手で簡単な音声の記述と音韻分析を行える人材を育成する。

単位取得の指標

 この授業で単位を取得したことは,九州地方の方言に見られる音声現象について,準専門的な解説を読めることを意味する。

各回における授業内容

日付 トピック 授業内容
12月25日(土) 音声のとらえ方,音交替と音韻規則
  • 音声学と音韻論
  • 音韻規則の心的実在性
  • 一般化と有標性
  • 連濁と言語構造
  • 二字漢語と単音の性質
  • 12月26日(日) アクセントの規則性
  • アクセントの定義と分類
  • 標準語のアクセント
  • 長崎方言のアクセント
  • アクセントと特殊モーラ
  • 12月27日(月) イントネーションの類型論
  • イントネーションの多様性
  • 標準語のイントネーション
  • 福岡方言のイントネーションと統語構造
  • 一型アクセントと無型アクセントのイントネーション
  • 成績

     レポートに基づいて行う。

    教科書・参考書

    教科書

    なし

    参考書

    講師に関する情報