松浦年男の物置

2010 長崎純心大学・集中講義 音声言語
この欄には授業の情報を掲載していきます。

科目概要

時代背景

 言語には音声と意味という2つの側面がある 。伝統的に,音声は言語を記述する(≒正書法を作る)上で基礎となる情報になる。また,音声は言語のうち身体的な側面がより強く表に現れる,すなわち(意味に比べて)よく「見える」分野である。さらに,音声はただ意味を伝えるための情報にはとどまらず,発話の意図をも担っている。このことを考えると,音声に対する理解は言語の問題を考える上で非常に重要なものだということがわかる。

科目内容

 そこで,この授業では,音声の特徴をどのように捉えるか,また,音声と意味に関わる諸問題をどのように考えるべきかについて,(多くの受講生にとって母語であろう)日本語をベースにして,様々な現象の紹介や演習を通して解説していく。

人材目標

 この授業では,音声の調音・音響・聴覚という3つの側面について理解し,自分の力で音声を分析し,(言語学的・音声学的に)適切な解釈できるような人材を育成することを目標にする。

単位取得の指標

 この授業で単位を取得したということは,音声分析に関する基礎的な専門書を読むのに必要な知識が身に付いていることを意味する。

各回における授業内容

日付 トピック 授業内容
8月4日(水) 音声の性質と観察,音声器官と発声
  • 音と音声の定義
  • 音声分析の下位分野
  • 音声の連鎖
  • 音声器官
  • 発声のメカニズム
  • 有声性の音響特徴
  • 8月5日(木) 母音の構造,子音の構造
  • 調音に基づく分類
  • 基本母音の考え方
  • 調音と音響特徴の関係
  • 標準語の音声と音声変化
  • 8月6日(金) リズムの構造
  • モーラ
  • 音節
  • フット
  • 8月7日(土) 音調の構造
  • アクセント体系
  • 外来語のアクセント
  • 単純語のアクセント
  • イントネーションの機能
  • イントネーションと言語構造
  • 成績

     2〜4日目の最初と4日目の最後に行う小テストの点数に基づいて評価する。

    教科書・参考書

    教科書

    なし

    参考書

    講師に関する情報