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授業内容
09/29
音声の性質
- 音声と他の音の違い
- 音声学の下位分野
- 自分の発音の観察
調音器官,発声のメカニズム
音声器官の作り
- 音声器官と調音器官の区別
- 調音器官の名称の確認
- 音声記号の書き方
単音とその産出
- 気流の発生源と音の名称
- 肺臓・喉頭・軟口蓋
- 流出・流入
10/06
- 声帯振動のメカニズム:閉鎖→気流による開放→ベルヌイ効果によるより戻し→閉鎖
- 子音と母音の違い
母音の調音
調音音声学的記述
- 舌の最高部の前後(前舌・中舌・後舌)
- 舌の最高部の高低(狭・半狭・半広・広)
- 唇の丸め(円唇・平唇)
- 母音調音のX線動画
10/20
聴覚的記述:基本母音
- 1,4,5,8を調音に基づいて決める。
- 1から4,5から8をそれぞれ4分割して聴覚的に異なるように調音する。(=2,3,6,7番)
- 補助記号:強い丸め,弱い丸め,前寄り,後寄り,中寄り
- 基本母音のトレーニング:自分なりの聞き分け法を持って,違いを感じられるようにする。その上で自分の口を動かして丹念に自分の発音を聞く。
- 練習用のサイト
音響的記述
- 母音の違い=音波の形の違い
- 口腔内の形状によってどの高さの音が響くかが変わってくるため,音波の形の違いになる。
- 音源フィルタ理論:母音を作る要素=音源(声帯振動)+共鳴(声道の形状)
- 声帯音の特徴:低い周波数ほど大きい(強い)音になる。
- フィルタ:あるものは通して(大きくして),あるものは通さない(小さくする)性質を持つ。(カメラの偏光フィルタ,砂のザル)
- 口腔内で強くなっている周波数=フォルマント(低い方から第1,第2,第3…と続く)
- 舌の高低=第1フォルマント:きしみ声の時の音の高さが対応している。
- 舌の前後=第2フォルマント:ささやき声の時の音の強さ(高さの違いのように感じる)が対応している。
- [i]のフォルマント=低い第1フォルマント,高い第2フォルマント
- [a]のフォルマント=中ほどで第1,第2フォルマントが近寄っている。
- [u]のフォルマント=[i]と同じぐらいの第1フォルマントで,第2フォルマントも同じぐらいにある。
10/28
日本語の母音
- ウ=中舌で発音されるため,平唇で発音される傾向がある。
母音の諸特徴
- 二重母音:母音の移り変わりが滑らかなもの
- 英語の母音(ページ中のClick to hear General American English vowelsをクリックする)
- 中国語の母音:単母音/二重母音/三重母音("..."で囲まれている部分にマウスをあわせると発音されます)
- 連母音:母音の移り変わりが急なもの
- 調音結合:前後の音の調音による影響。
子音の調音
調音方法
- 調音方法の分類で基準になるもの
- 口腔内の閉鎖の有無
- 閉鎖の種類(完全/瞬間的1回/瞬間的複数回)
- 隙間の広狭(噪音の有無)
- 鼻腔の開放の有無
- 日本語の子音の分類
- 破裂音:カ,タ,ガ,ダ,バ,パ
- 摩擦音:サ,ハ
- 破擦音:ザ,チャ
- 鼻音:ナ,マ
- はじき音:ラ
- 接近音:ヤ,ワ
11/10
- 側面的調音の特徴
- 音響的特性
- 破裂音:長い無音区間
- 摩擦音:広い範囲の周波数に渡って音が出ている
- 破擦音:無音のあとに広い範囲の周波数に渡って音が出ている
- 鼻音:全体的に弱いが,高い周波数が小さい音になる。
- はじき音:短い無音区間
- 接近音:狭母音の持続時間が短いもの
- 有標性
- 音の体系は無標(一般的)なものと有標(特殊)なものに分けることが一般的である.
- 言語獲得では無標なものから先に獲得し,有標なものほど後に獲得される.
- 言語喪失では有標なものから先に喪失し,無標なものほど後まで残る.
- 調音方法に関しては,破裂音と鼻音がかなり無標。
11/17
調音位置
- おもな調音位置→教科書参照
- 日本語の子音の分類
- 音響的特性
- 調音位置の違い≒周波数分布の違い
- 破裂音:フォルマント遷移
- 摩擦音:強い振幅の見られる周波数
- 有標性:歯茎音,軟口蓋音,両唇音はかなり無標
12/01
声帯振動
- 有声音と無声音
- 共鳴音と阻害音
- 声帯振動の有標性は共鳴音と阻害音で異なる。
日本語の音の変化
- 単独時の発音
- (現時点で)注意すべき音声記号:ヤ行,ラ行,ザ行,ヒ,フ
12/08
- チ・ツの発音:破擦音
- 同化:周りの特徴に合わせるような音の変化
- 口蓋化:イ段,拗音。ただし,口蓋化した音に特別な記号を用意している子音(シ系列,ジ系列,チ系列,ヒ系列)があるので注意する。
- 摩擦化:ガ行,バ行,ザ行
12/09
- 撥音:後続する音と同じ調音位置の鼻音
- 促音:後続する音と同じ子音(ただし破擦音のときは閉鎖のみ)
- 長音:長い母音
- 母音の無声化:母音/i/,/u/が無声音に挟まれたとき,もしくは無声音の後ろで発話末のとき,無声化しやすい。持続時間の変化が背景にあるかも?
発声
子音の変化
その他の子音
- 覚えておいて欲しい子音(緑=日本語の標準的な発話に出てくる/黄=日本語の標準的な発話には出てこないが重要)
期末試験対策ガイド
大雑把に練習問題のようなものを作りました。がんばってください。
- 音声学の下位分野は何があったか?
- 調音器官にはどのようなものがあったか?
- 気流の発生源にはどのようなものがあったか?
- 気流の発生源と方向によって,どのような音が出たか?
- 母音の発音において,舌の前後の位置にはどのようなものがあったか?
- 母音の発音において,舌の広狭にはどのようなものがあったか?
- 母音の発音において,唇の丸めにはどのようなものがあったか?
- 第一次基本母音を聞き分けられますか?
- 基本母音の1番−17番−16番(前後の3段階)を聞き分けられますか?
- 母音の音源はなんですか?
- 音の3要素には何がありましたか?
- 母音の音源の特徴はなんですか?
- 母音の発音においてフィルタになるものは何ですか?
- 母音の発音においてフィルタはどのような役割を果たしますか?
- 母音の調音的特徴と音響的特徴はどのような対応関係になっていますか?
- 日本語の母音とフォルマントの形状の対応付けはできますか?
- 二重母音と連母音の違いは何ですか?
- 調音結合について簡単に説明できますか?
- 子音の調音方法には何がありますか?また,それらの違いは何ですか?
- パラトグラムとおもな子音の対応付けはできますか?
- 破裂音,摩擦音,破擦音,鼻音,はじき音,接近音の音響的特徴は何ですか?
- 有標性って何ですか?
- 調音方法に関してどのような有標性の関係がありますか?
- 調音位置を全て挙げられますか?
- おもな調音位置について,音響的特徴を挙げられますか?
- 調音位置に関してどのような有標性の関係がありますか?
- 共鳴音って何ですか?
- 阻害音って何ですか?
- 有声性に関してどのような有標性の関係がありますか?
- 日本語の単語の標準的な発音を音声記号に直せますか?また逆はできますか?
- 同化って何ですか?
- 日本語で口蓋化はどのような時見られますか?
- 日本語で摩擦化はどのような時見られますか?
- 撥音の発音はどのようにして決まりますか?
- 促音の発音はどのようにして決まりますか?
- 母音の無声化はどのようなとき起こりますか?
- 帯気音化の発音の特徴は?音声記号は?
- 日本語の鼻音化ってどういう例がありますか?