授業ノート
アンケート
以下の項目を記入して,件名を「◎大」にしてに12月10日午前9時までに送ってください。なお,アンケートの内容は氏名を伏せた形で公開される可能性があることをご了解ください。
- この半年間の自分の取り組みについて振り返ってください。
- この半年間の授業について感想を述べてください。
- 来年もこの授業を受けるならどんなことに気をつける,心がけるか書いてください。
- 来年この授業を受ける人にアドバイスを送ってください。
- 松浦へ愛憎メッセージをください。
10/1
音声の性質と観察
ちょっと練習問題を。
- 音声とは何か?
- 音声学の下位分野は?
- 「音が違う」というときにそれぞれの分野で何が違っているのか?
音声器官,音声記号
- 音声器官と調音器官の区別
- 調音器官の名称の確認←確実に!!
- 音声記号の書き方
10/15
発声
子音の調音
- 子音を作る要素
- 調音位置の分類
- 調音方法の分類(とりあえず下のものを)
- 閉鎖を伴う
- 完全な閉鎖&口蓋帆を上げて鼻腔に気流を流さない→破裂音(カ,タ)
- 完全な閉鎖&口蓋帆を下げて鼻腔に気流を流す→鼻音(マ,ナ)
- 瞬間的な閉鎖を一回行う→はじき音(ラ)
- 閉鎖を伴わない
- 狭い隙間がある→摩擦音(サ,ハ)
- 広い隙間がある→接近音(ヤ,ワ)
- 声帯振動の分類
- 有標性
- 音の体系は無標(一般的)なものと有標(特殊)なものに分けることが一般的である.
- 言語獲得では無標なものから先に獲得し,有標なものほど後に獲得される.
- 言語喪失では有標なものから先に喪失し,無標なものほど後まで残る.
- 調音位置の有標性:両唇,歯茎>軟口蓋
- 調音方法の有標性:破裂音>摩擦音(語頭),摩擦音>破裂音(非語頭)
- 声帯振動の有標性:無声>有声(阻害音),有声>無声(共鳴音)
10/22
カ行の調音
- カ,ク,ケ,コの調音
- 舌を後ろに下げた「カ」=口蓋垂破裂音
- キの調音=口蓋化
- 「キ」の調音:前舌が盛り上がっている→口蓋化
- 促音:後ろの子音のコピー
- 長音:前の母音のコピー
10/30
- 「カ」の口の構えで,舌を少し下げて調音→摩擦音
- 「カ」を息を出して調音→帯気化
- 音韻論
- 音素:意味を変える最小の単位
- 異音:音素が実現したときの形
- 最小対:問題の部分だけが異なる対(例:[kako]と[koko]では[a]と[o]のみ異なる)。最小対がある場合,問題の音は異なる音素である。
- 相補分布:片方が現れるときにはもう片方が現れないという関係。ある音同士が相補分布しているならば(そして,それらが似た音ならば),その音は同じ音素の異音である。
- カ行の場合,次のような分布になっている。
| カ
| キ
| ク
| ケ
| コ
|
[k]
| ○
| ×
| ○
| ○
| ○
|
[kj]
| ×
| ○
| ×
| ×
| ×
|
- [k]は「カ,ク,ケ,コ」のときに現れ,[kj]は「キ」のときのみ現れるので,これらは相補分布している。したがって同じ音素/k/の異音であると考える。
ガ行の調音
- 調音
- アゴを固定して発音すると口蓋垂音になりやすい。
- 母音に挟まれると摩擦音になりやすい。
11/5
- 鼻濁音:語中の濁音を鼻音で発音する話者がいる(東北地方とか,それ以外でも高年層を中心に)。NHKなどのアナウンサーはこれを標準語の発音としている。
サ行の調音
- 調音(サ・ス・セ・ソ)
- 調音(シ)
- 調音位置:後部歯茎
- 調音方法:摩擦
- 声帯振動:無声
- そり舌音:舌の裏が鏡で見えるように調音する。
- 歯音:舌端が上歯の真下に来るように調音する。
ザ行の調音
- 調音(ザ・ズ・ゼ・ゾ)
- 調音(ジ)
- 調音位置:後部歯茎
- 調音方法:破擦
- 声帯振動:有声
- 母音に挟まれると摩擦音になりやすい。
ナ行の調音
- 調音
- 口蓋化(ニ)の音を硬口蓋音で書く人もいるが,厳密な音声記号の使い方からは外れている。
バ行の調音
パ行の調音
11/12
マ行の調音
ラ行の調音
- 調音
- 調音位置:歯茎
- 調音方法:はじき音
- 声帯振動:有声
- 関連するほかの音(調音図,記号を確認しましょう)
- そり舌接近音:アメリカ英語の/r/
- 歯茎接近音:イギリス英語の/r/
- 歯茎ふるえ音:複数回の接触がある。スペイン語の/rr/
- 口蓋垂ふるえ音:フランス語の/r/
- 側面的調音
- [l]=側面的調音
- [s]=中線的調音
- [t]=側面と中線の区別ナシ
タ行の調音
- タ・テ・トの調音
- ツの調音
- チの調音
- 調音位置:歯茎後部
- 調音方法:破擦
- 声帯振動:無声
- 音韻論
- タ行の子音語幹動詞(kat-<勝つ>)の活用から考えて音素は/t/でいいだろう。
- ティ,トゥは例えば/tyi,tyu/というように特別な音素を設定する。
- ツァ,ツェなども同様に/ca,ce/などというような音素を設定する。
11/19
ダ行の調音
- ダ・デ・ドの調音
- ヅの調音
- ヂの調音
- 調音位置:歯茎後部
- 調音方法:破擦
- 声帯振動:有声
- ヅ,ヂはズ,ジと区別がない(四つ仮名)。母音間での摩擦も同様である。
- ダ・デ・ドは母音間での摩擦がない。
ハ行の調音
- ハ・ヘ・ホの調音
- フの調音
- ヒの調音
- 有声の[h]:母音中のハ・ヘ・ホに見られがち。
ヤ行の調音
ワ行の調音
- 調音
- 調音位置:両唇・硬口蓋
- 調音方法:接近
- 声帯振動:有声
撥音
拗音
11/26
母音
- 母音の分類基準
- 舌の最高部の前後(前舌・中舌・後舌)
- 舌の最高部の高低(狭・半狭・半広・広)
- 唇の丸め(円唇・平唇)※教科書の非円唇が平唇に対応します。
- 基本母音(1,4,5,8番は調音により定義し,残りは聴覚的に違わせるようにします)
12/3
日本語の母音
- 「ウ」の調音
- 無声化
- 二重母音と母音連続(連母音)
同時調音
- 同時調音:二箇所で狭めを伴う調音
- 二重調音:閉鎖の度合いが同じ
- 二次的調音:閉鎖の度合いが異なる
- 主な二重調音:破裂,接近
- 主な二次的調音:唇音化,(硬)口蓋化
- その他の注意する調音
- 破擦化
- 帯気音化
- 鼻音化
- 有声化
- 丸めの強い
- 丸めの弱い
- 息もれ声
- きしみ声
- 歯音(化)