公務員にズームイン!!

〈 目  次 〉

1.このページは……
1-1.「公務員になりたいんですが……」に答える 
1-2. 試験勉強の前に情報収集を
1-3. おっとその前に……

2.公務員にはこんな種類がある
2-1. 国家公務員と地方公務員
2-2. 警察官
2-3. 裁判所事務官・家庭裁判所調査官
2-4. 国税専門官

3.公務員の種類により試験の内容もちがってくる
4.コクイチ、コクニ、チジョウ……なに?
5.試験区分がある
6.試験日程は……
7.専門知識を問う試験だけでなく教養を試される
   ……あと面接も

8.リンク集





1.このページは……

1−1.「公務員になりたいんですが……」に答える

 先日、1年生のオリエンテーションでこういう質問がありました。
 「公務員になりたいんだけど、どんな勉強すればいいですか?」
 でも、これって答えにくい質問なんです。とても抽象的な質問だからです。
 学生のみなさんは、「公務員」というと、市役所や道庁で働いている人たちを想像すると思います。でも、「公務員」にもいろんな種類があるのです。そして、それぞれの種類ごとに、試験の内容も難易度もちがいます。「公務員」にはどんな種類があるんでしょうか。また、それぞれどんな試験内容で、どんな勉強が必要なんでしょうか。
 ここでは、公務員試験について、情報を提供したいと思います。職業選択・進路選択の一助にしてください。
 公務員を希望する人たちを対象に、各省庁や市役所などで、セミナーや職場見学会が開催されます。今がその時期です。参加してはどうでしょうか。北海道庁の場合は、こちらをどうぞ。

1−2.試験勉強の前に情報収集を

 みなさんが大学を受験したときには、受験勉強だけをしていたわけではないでしょう。試験日程はいつ?、試験科目は?、過去問はあるか?、併願の組み合わせはどうしようかな?、どんな雰囲気の大学なの?……。さまざまなチャンネルを通して多くの情報を収集したと思います。
 公務員試験でも同じです。公務員ってどんな仕事?、どんな内容の試験なの?、試験日程は?、併願できるかな?……。受験勉強を始める前に、そして勉強と並行して、公務員や公務員試験について情報を収集することが必要です。
 「敵を知り己を知れば百戦百勝危うからず」
 己を知るのは勉強、戦うのは試験(百戦百勝かどうかは分からないけど……)、そして「敵を知る」のが情報収集です。
 でも、これって、公務員試験だけじゃないですよね。税理士になりたい人、行政書士の資格を取りたい人。それぞれ、税理士試験行政書士試験の試験情報の収集を怠りなく。

1−3.おっとその前に……

 試験とは直接関係しませんが、受験資格を確かめてください。
 公務員試験のほとんどは、受験できる年齢を制限しています。それぞれの募集で受験できる年齢がちがいますので、注意してください。
 「禁錮(きんこ)以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者」など、公務員になれない者が法律上規定されています(国家公務員法38条地方公務員法16条)。
 国家公務員になるためには、日本国籍を持っていなければなりません。地方公務員については、日本国籍を要件としない自治体が増えています。
 警察官については、身長・体重・視力などの身体要件があります。
 このほかにも、さまざまな受験資格があります。募集要項を注意して読んでください。


2.公務員にはこんな種類がある

 上にも書いたように、一口に「公務員」といっても、さまざまな種類があります。ここでは、その代表的なものに限って情報を提供しています。ここに挙がっていないものについては、リンク集を活用してください。

2−1.国家公務員と地方公務員

 国に採用されるか地方自治体に採用されるかで、国家公務員と地方公務員が区別されます。地方公務員には、都道府県の職員と市町村の職員があります。
 国家公務員採用の窓口は、人事院です。試験情報については、こちらをご覧ください。
 地方公務員は、それぞれの地方自治体ごとに採用試験が行なわれます。窓口は、人事委員会です。北海道の職員採用については、北海道人事委員会へどうぞ。札幌市の職員採用については、札幌市人事委員会のページ市役所職員の採用に関する情報が掲載されています。
 そのほかの市町村でも、募集要項をインターネットで公開しているところがあります。町村職員については、北海道町村会このページからどうぞ。

2−2.警察官

 警察官採用試験では、教養試験、論文試験などが出題されます。ただし、教養試験では、一般教養だけでなく、憲法、刑法、行政法などの専門的知識を問う問題も出題されています。
 1次試験合格者には、2次試験で面接などの試験が行なわれます。
 採用は、都道府県がそれぞれ行なっています。北海道警察については、「警察官採用試験の案内」からどうぞ。
 このような都道府県警察の採用試験とは別に、国家1種採用で警察官になったり、国家2種採用で警察官になることもできます。

都道府県警察採用の場合 巡査→巡査部長→警部補→警部→……
国家2種採用の場合      巡査部長→警部補→警部→警視→……
国家1種採用の場合           警部補→警部→警視→警視正→……

 上の図のように、どのルートで警察官になるかで昇任も変わります。
 なお、男性と女性とを別枠で採用することがありますので、注意してください(消防士なども、そうです)。

2−3.裁判所事務官・家庭裁判所調査官

 裁判所事務官は、全国各地の裁判所の事務局で庶務、人事、会計などの仕事を担当します。裁判所事務官には、1種、2種、3種があります。
 憲法・民法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法の知識を問う試験が行なわれます。
 事務官に採用後、書記官研修所で研修を受けて裁判所書記官になることもできます。
 具体的な試験情報は、最高裁判所から説明してもらいましょう。こちらからどうぞ。

 家庭裁判所には、家庭裁判所調査官という人たちがいます。少年事件では、事件の背景をつかみ適切な判断をするために、心理学、社会学、教育学などの知識を活用しなければなりません。そこで、家庭裁判所調査官が裁判官を助けて問題の解決にあたります。
 試験に合格した後、家庭裁判所調査官研修所で研修を受け、事実の調査や人間関係の調整など専門的な仕事をすることになります。
 家庭裁判所調査官になるには、心理学、社会学、教育学、法律学などを学習する必要があります。詳しい試験情報はこちらからどうぞ。
 家庭裁判所を舞台にした毛利甚八(原作)・魚戸おさむ(画)のマンガ『家栽の人』(小学館)が有名です。

2−4.国税専門官

 税金に関する仕事をする公務員です。税のスペシャリストであり、特に経済系の科目について、深い知識を要求されます。試験では、1次で教養試験と専門知識(択一式および記述式)の試験があります。記述試験では、憲法、民法、経済学、会計学、社会学から1科目を選択します。
 詳しい内容は国税庁採用案内からどうぞ。


3.公務員の種類により試験の内容もちがってくる

 公務員の種類ごとに、試験内容がちがいます。警察官と市役所職員の採用試験では、要求される知識・考え方がちがうという具合です。これは、仕事の内容がちがうからです。例えば、労働基準監督官の試験では、労働法、労働経済、労働事情、社会保障などが出題科目となっています。外務省の中堅職員を採用する「外務省専門職員」の試験では、外国語和訳、和文外国語訳が出題されます。
 何を勉強するかは、どういう公務員を目指すかで変わってくるのです。


4.コクイチ、コクニ、チジョウ……なに?

 国家公務員試験には、1種、2種、3種のちがいがあります。「コクイチ」とか「コクニ」とか言われています。1種は大学卒業程度、2種は短大・大学卒業程度、3種は高校卒業程度の人たちを、それぞれ対象としています。注意が必要なのは、これは学歴を受験資格とするものではないということです。大学を卒業した人でも3種を受験することはできます。
 この種類の区別ごとに、それぞれ試験の内容や難易度もちがってきます。また、試験日程もちがっています。したがって、1種と2種の併願ができることになります。国家1種では、専門試験が択一式と記述式になっていますが、国家2種の専門試験は択一式だけです。
 1種採用は、全国規模で転勤する人たちが多くいます。2種採用は、出先機関(たとえば北海道財務局財務省の出先機関)などの幹部養成を主な目的としているので、地域の中で転勤をすることになるかもしれません。
 地方公務員試験は、上級、中級、初級に分かれています。地方上級を「チジョウ」と言っています。これも国家公務員と同じく、試験内容や難易度それに日程がちがいます。例えば、北海道の場合はどうでしょう。道人事委員会に説明してもらいましょう。どうぞ
 札幌市では、「大学の部」と「短大の部」にわけています。詳しいことは札幌市人事委員会へどうぞ。


5.試験区分がある

 例えば、国家1種の試験には、「法律職」、「行政職」、「経済職」という試験区分があります。この試験区分は、公務員になってからの仕事の内容と密接に関係しています。専門試験の内容も試験区分によってちがいます。
 国家1種の専門試験の記述問題を例にします。行政職では、政治学、行政学、憲法、経済学、労働経済、国際関係から選択して解答を作成します。法律職では、憲法、行政法、民法は必須科目とされ、そのほかに、憲法、行政法、民法、国際法から選択します。経済職の場合、経済理論、財政学、経済政策について解答を作成しなければなりません。
 詳しいことは、人事院に説明してもらいましょう。
 国家2種では、試験区分は「行政職」のみです。


6.試験日程は……

 公務員試験のピークは6〜7月です。この時期には、毎週日曜に試験が行なわれます。勉強科目の傾向が合うものは併願できます。
 2002年度は次のようなスケジュールで、それぞれ1次試験が行なわれました。

 6月 9日……国家1種
   16日……国税専門官、労働基準監督官
   23日……北海道上級職、札幌市大学の部
 7月 7日……国家2種
   14日……北海道中級職
 9月 8日……国家3種
   29日……札幌市短大の部


7.専門知識を問う試験だけでなく教養を試される……あと面接も

 公務員になるためには、専門的知識だけではだめです。教養試験が行われます。世界史・日本史など一般知識を問う問題のほか、数的推理や判断推理など、一般知能を問う問題も出題されます。「一般知能」などと大げさな名前がついていますが、ほんとうはパズルです。しかし、解答には一定のスキルが必要なので、過去問集などで勉強することが必要でしょう。
 教養試験や専門試験に合格した人には、面接が行なわれます。面接対策も必要ですね。ノックは何回?、どんな服装?、何を話せばいいの?、グループ面接対策……。


8.リンク集

人事院
  人事院北海道事務局
  国家公務員採用試験情報
首相官邸官公庁リンク集
衆議院事務局職員・法制局職員の採用案内
参議院事務局職員の採用案内

最高裁判所のHP
  「採用試験のここが知りたい」
  裁判所事務官1種の採用案内
  裁判所事務官2種の採用案内
  裁判所事務官3種の採用案内
  家庭裁判所調査官補1種の採用案内

北海道庁職員採用情報ページ
  北海道警察警察官採用情報ページ
  北海道人事委員会

札幌市役所
  札幌市人事委員会
旭川市役所職員採用情報ページ
函館市役所職員採用情報ページ
小樽市役所職員採用情報ページ
帯広市役所職員採用情報ページ
釧路市役所
北広島市役所
石狩市役所
恵庭市役所職員採用情報ページ
千歳市役所
岩見沢市役所

北海道の町村職員の採用情報リンク集北海道町村会より)

全国自治体マップ検索全国知事会などが運営するNippon-Netより)
 ※全国の地方自治体のオフィシャルHPが検索できます。