OPACは芦部先生を知らない!?
−OPACと検索語−


 
北大附属図書館のOPACの拡張画面で、
「書名に右の語を含む」の欄に「佐藤幸治」と入力して検索すると、
佐藤幸治先生の還暦記念論文集がヒットします。

  〔図書〕.現代立憲主義と司法権 : 佐藤幸治教授還暦記念. - 東京 : 青林書院 , 1998.7.

では、「芦部信喜」と入力して検索するとどうなるでしょう?
芦部信喜先生の還暦記念あるいは古稀記念の論文集がヒットするかと思いきや、
該当件数ゼロです。

これは北大附属図書館のOPACの検索のしくみの基本に関わる問題です。
(他大学でも北大と同じシステムを使用しているところ(東北大、阪大、九大等)では、
 問題は共通であると思われます)

北大附属図書館のOPACは、
書名等の文字列を、検索語辞書が有意の単語と認識した単位に分解し、
(例えば、『山田太郎先生還暦記念』という書名を、
 「山田」「太郎」「先生」「還暦」「記念」と切り分け)
適宜それを再構成して検索の対象となる語を作り、
(例えば、「山田太郎」「山田太郎先生」「太郎先生還暦記念」
 などが検索対象として再構成される)
そのような検索対象の語と利用者が入力した文字列とを照合して、
一致したものがあれば、当該文献が「該当」として表示される、
というしくみになっています。

『山田太郎先生還暦記念』の例では、
以下のような検索対象の語が切り出され、
その単語または単語の組み合わせで検索すると、ヒットします。

 ・山田
 ・山田太郎
 ・山田太郎先生
 ・山田太郎先生還暦
 ・山田太郎先生還暦記念
 ・太郎
 ・太郎先生
 ・太郎先生還暦
 ・太郎先生還暦記念
 ・先生
 ・先生還暦
 ・先生還暦記念
 ・還暦
 ・還暦記念
 ・記念

ただし、
書名からキーワードとして検索対象の語を切り出すときには、
OPACの検索語辞書に登録されている単語が、切り分け場所を判断する基準となります。

したがって、
『山田太郎先生還暦記念』の例で上述のように検索対象の語が作成されるためには、
「山田」と「太郎」の語が辞書に登録されていることが前提となります。

佐藤幸治先生の還暦記念論文集の場合、
『佐藤幸治教授還暦記念』の部分から、

・佐藤 
・佐藤幸治 
・佐藤幸治先生 
・佐藤幸治先生還暦
・佐藤幸治先生還暦記念 
・幸治 
・幸治先生 
・幸治先生還暦
・幸治先生還暦記念 
・先生 
・先生還暦 
・先生還暦記念
・還暦 
・還暦記念 
・記念

という検索対象語が作成されます。
OPACの辞書に「佐藤」「幸治」「先生」「還暦」「記念」の語があるので、
その部分で切り分けて、検索対象となる語を作成しているのです。

芦部信喜先生の場合、
OPACの検索語辞書が「芦部」と「信喜」の語を持っていないらしく、
「芦部」も「信喜」も有意の単語として認識されないため、
つぎの「先生」のところまで切れず(切れ目が認識されず)、
「芦部信喜先生」が最小単位となってしまうようです。

そのため、
検索対象となる語は、以下のものしか作成されません。

・芦部信喜先生 
・芦部信喜先生還暦 
・芦部信喜先生還暦記念
・還暦 
・還暦記念 
・記念

したがって、
「芦部信喜」を書名のキーワードとして検索してもヒットしないのです。

OPACの検索語辞書は、人名・地名等をあまり網羅していないようです。

解決法としては、
検索語の後に *を付けて(「芦部信喜*」)前方一致検索します。

こうすると、
検索語辞書が検索対象語として用意した「芦部信喜先生」にヒットします。
書名の主題または副題の先頭に姓名がきている場合は、
前方一致検索で上手くいきます。

なお、
検索語辞書にない単語(人名)でも、
その直後が漢字以外の文字(助詞の平仮名など)の場合には、
検索対象語として切り出されます。
 

※本ページの内容は、
 北大附属図書館情報システム課目録情報掛の方からの御教示に依存しております。
 ただし、本ページに含まれる誤りは、制作者の知識・理解の不足に起因するものです。
 


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〈齊藤正彰@北星学園大学〉