齊 藤 正 彰 @北星学園大学


 

  国法の諸形式とその調査



  〈目 次〉

   0 はじめに
    0.1. 参考文献
    0.2. 国法の諸形式

   1 憲法・法律・命令
    1.1. 法形式
    1.2. 六法
    1.3. web上の法令サイト
    1.4. 六法に載っていない法令の調べ方  
    1.5. 旧法令・旧規定
    1.6. 法令の構成
    1.7. 関連法令
    1.8. 法令用語の調べ方

   2 議院規則

   3 最高裁判所規則

   4 条例

   5 条約

   6 告示・訓令・通達・要綱



0.はじめに

0.1. 参考文献

[01] 弥永真生『法律学習マニュアル』〔第2版補訂版〕
    (有斐閣・2007年)
[02] 西野喜一『法律文献学入門』
    (成文堂・2002年)85頁以下
[03]林修三『法令用語の常識』〔第3版〕
    (日本評論社・1975年)
[04]林修三『法令解釈の常識』〔第2版〕
    (日本評論社・1975年)
[05]林修三『法令作成の常識』〔第2版〕
    (日本評論社・1975年)
[06]田島信威『法令入門──法令の体系とその仕組み』〔第3版〕
    (法学書院・2008年)
[07]田島信威『最新 法令の読解法──やさしい法令の読み方』〔3訂版〕
    (ぎょうせい・2006年)
[08]長谷川彰一『法令解釈の基礎』〔改訂版〕
    (ぎょうせい・2008年)
[09]大島稔彦編著『法令起案マニュアル』
    (ぎょうせい・2004年)
[10]田島信威『最新 法令用語の基礎知識』〔3訂版〕
    (ぎょうせい・2005年)
[11]http://www007.upp.so-net.ne.jp/shirabekata/
    (法情報 資料室 ☆やさしい法律の調べ方☆)
[12]http://www.ndl.go.jp/horei_jp/Countries/Japan/Japan_horei.htm
    (法令資料:国立国会図書館 議会官庁資料室
[13]川崎政司「法文の特殊性と民主化」月報司法書士2003年2月号(NO.372)
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0.2. 国法の諸形式

以下では、成文法 (文字で書き表され、文書の形式を備えている法)の諸形式の概要と、その所在について概観します。
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1. 憲法・法律・命令

1.1. 法形式

1.1.1. 憲法

憲法は、国の最高法規として、国内の法令の最上位にあります。この意味での憲法は、形式的意味の憲法、すなわち「日本国憲法」という名称の憲法典のことです。「実質的意味の憲法」(国家の統治制度の根本的事項を定める法)の内容は、必ずしも憲法典(形式的意味の憲法)の中にすべて書き尽くされているわけではありません。

1.1.2. 法律

日本国憲法第59条の定める方式に従い、国会の議決を経て制定される国法の形式を、「法律」と呼びます。法律は、憲法・条約に次ぐ地位(形式的効力)を有し、命令・条例などより上位にあります。
ただし、「法律」の語は、広い意味で「法」と同じに用いられることもあります。

1.1.3. 命令

国の行政機関が制定する政令・省令などの法形式を、国会が制定する「法律」に対して、「命令」と総称します。
「政令」については、憲法第73条第6号に規定があります。政令・省令などを合わせた「命令」についても、憲法第81条および第98条第1項において存在が予定されています。
「命令」のうち、内閣によって制定されるものを「政令」といいます。閣議の決定によって成立し、天皇が公布します。各省大臣が主任の行政事務について発するものを「省令」といいます。内閣総理大臣が内閣府の長として発する命令を、「内閣府令」といいます。位置づけは省令と同様とされます。
旧憲法下で天皇により制定された法形式の一つに「勅令」がありました。現行憲法の施行の際に効力を有していた勅令のうち、日本国憲法上は法律で規定すべき事項を定めたものは、一定期間経過後に失効し、その他のものは、政令と同一の効力を有するものとされました(日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律・日本国憲法施行の際現に効力を有する勅令の規定の効力等に関する政令)
大日本帝国憲法では独立命令(法律から独立して発せられる命令)や緊急勅令が認められていましたが、現行憲法では、委任命令(法律または政令の委任に基づき制定される命令)と、執行命令(法律または政令の規定を実施するために必要な細則を定める命令)だけが認められています。
このように、一般国民の権利義務に関する規範など、本来は法律をもって定めるべき内容(法律事項・法規)を、行政機関が命令の形式で定めることがあります。法規の性質を有する命令を、講学上(学問上の用語で)、「法規命令」と呼びます。法律の委任に基づいて法規命令を定める例は、少なくないとされます。これに対して、命令(行政権が制定する一般的な定め)のうち法規の性質をもたないものを、「行政規則」と呼びます。訓令・通達などと呼ばれるものも、行政規則に分類されます。
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1.2. 六法

国語辞典のような体裁の書籍に主要な法律などを掲載した法令集を、「六法」(ろっぽう)と呼んでいます。一般の人の間では「六法全書」と呼ばれることも多く、すべての法律が収録されていると思っている人もいるようですが、「全書」とは、「その分野の関係事項にわたって広く記事を集めた書物」という意味です。詳しくは、「六法の種類とその利用法」を御参照ください。
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1.3. web上の法令サイト

現在は、総務省行政管理局が提供する法令検索システムによって、インターネット上で容易に法律を検索し、条文を確認することができます。
[14]http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi
   (法令データ提供システム:総務省行政管理局
この[14]では、法律の名称だけでなく、条文中に含まれる言葉でも検索できます。
そのほかに、法令情報を提供する民間サイトもあります。そうしたサイトは、
[15]http://www.law.co.jp/link.htm
   (法律とサイバースペース関係リソース集(LINK)Cyber Law Japan 弁護士法人 英知法律事務所 Home Page
などにおいて紹介されています。ただし、法律の改正に応じて条文が最新の状態に維持されているかどうか、注意が必要です。
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1.4. 六法に載っていない法令の調べ方

法令の条文を見るには、たいていは、みなさんのお手許にある六法か、図書館などにある大型の六法などで足りるでしょう。
しかし、それでは分からないときもあります。

1.4.1. マイナーな法令

1.4.1.1. すべての現行法令を収録するもの

現行のすべての法令が『六法全書』に収録されているわけではありません。「全書」というと、全ての法令が収録されているように思うかもしれませんが、「全書」というのは、「広範囲にわたって記事を集めた書物」という意味です。
現行の法令がすべて収録されているものとしては、
[16]国立印刷局編『法令全書』
    (国立印刷局・1868年〜)
があります。法令全書は、政府が毎月刊行している冊子体の法令集です。国の各種の法令を収録しており、現在は独立行政法人 国立印刷局(かつては、財務省印刷局、大蔵省印刷局、内閣官報局)が編集・発行しています。詔書、法律、条約、政令、府令、省令その他あらゆる(国の)法令が月別に収録されています。
しかし、現在は、[14](法令データ提供システム)の利用が便利でしょう。
六法に載っていない現行法令を調べるには、ほかに、
[17]法務大臣官房司法法制調査部編『現行日本法規』
    (ぎょうせい)
[18]衆議院法制局・参議院法制局編『現行法規総覧』
    (第一法規出版)
が知られています。国立国会図書館 議会官庁資料室の解説によれば、「この2種の間では、加除(頁の差し替え)作業の頻度・索引・告示の収録件数・改正法令の注記などで異同がありますが、単に最新の条文を知ろうとする場合には『現行日本法規』が加除作業の頻度が多いのでよいでしょう」とされています。
この[17]と[18]は、どちらも、全100巻を超える威容を誇る、加除式の法令集です。「加除式」とは、ルーズリーフ形式(差し替え式)の書物のことです。新法の制定や改正などに応じて追加・差し替えを行い、内容を最新の状態に保ちます(加除の頻度によって、ある程度のタイムラグは生じる)
その後、場所をとらず、検索も便利な電子媒体の法令集が普及しました。CD-ROM版としては、以下のものがあります。
[19]『現行法令CD-ROM』(ぎょうせい)
[20]『リーガルベース法令版』(日本法律情報センター)
[21]『[電子版] 現行法規』(第一法規出版)
現在は、オンラインでの提供が主流といえるでしょう。インターネット上の商用データベースとしては、
[22]http://www.e-hoki.com/academy/academy.php
    (法令MASTER/MASTER Library:e-hoki.com
[23]http://www.gyosei.co.jp/horei_data/hourei.html#01
    (現行法令インターネット版:ぎょうせい
[24]http://jlic.softhouse-ilu.com/doc/horei_free.php
    (リーガルベース法令検索:LEGALBase インターネット版)
[25]https://www.d1-law.com/d1w2_portal/product_genko_g.html
    (『インターネット 現行法規』:第一法規D1-Law.com
があります。[17]が[19][23]に、[18]が[21][25]に発展しています。いずれも有料(会員制)です。ただし、[22]はサービスを停止して、[26]に移行することになっています。また、[22]では、約140法令を収録したLite版を無料でトライアル検索できましたが、このサービスも終了となりました。
[26]http://www.westlawjapan.com/products/wljp/contents/
    (収録コンテンツ:Westlaw Japan
米国系の法律情報DBとしては、
[27]http://www.lexisnexis.jp/legal/
    (判例・法令検索データベース:LexisNexis JP
が先に日本でのサービスを開始していますが、[27]も法令情報を提供しています。

1.4.1.2. 特定分野の法令を多数収録するもの

「広範囲にわたって法令を集めた書物」としての「六法」には、分野ごとの「六法」もあります。特定の分野について、関連する法令を網羅的に収録しているものです。地方自治、教育、社会保障などの分野を中心に、大変多くのものが出版されています。
[28]http://kanpo.net/genre/1007.html
    (六法・法令集:官報&政府刊行物 @政府刊行物サービスステーション)
には、各種の六法のリストが掲載されています。このほかに、分野ごとの加除式法令集もいくつかあり、特定の分野についての現行法令を収録しています。
※ 加除式の書籍は、本学の図書館では、1階奥の「追録架」に配架されている。
インターネット上の情報としては、各省の提供するDBとして、
[29]http://www.env.go.jp/hourei/
    (法令・告示・通達:環境省
[30]http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/
    (厚生労働省法令等データベースシステム:厚生労働省
があります。法律や命令(政令・省令)だけでなく、告示や、訓令・通知なども検索できます。そのほか、各府省所管の法令・告示・通達などへのリンク集として、
[31]http://www.e-gov.go.jp/link/ordinance.html
    (所管の法令・告示・通達等:電子政府の総合窓口
があります。

1.4.2. できたばかりの法令

冊子体の六法は、追録があるとはいえ年1回の刊行ですから、成立したばかりの法令を調べることはできません。
成立した法律および政令は官報によって公布されますから、最新のものについては官報を調べればよい、というのが基本的な考え方でしょう。
しかし、現在は、かなりの部分が[14]でカバーされているでしょう。
ただし、公布されているけれども未施行の法令については、「お知らせ」のページに一覧表示されており、法令名をクリックすると全文が表示されます。
[32]http://law.e-gov.go.jp/announce.html
   (法令データ提供システム−お知らせ:総務省行政管理局
前述の[14]の更新が間に合っていない場合、すべての法令は「官報」で公布・公示されるため、公布年月日がわかれば「官報」で法令を見つけることができます。ただし、日刊の「官報」そのものを逐一調べるのは大変な手間ですから、
[33]http://www.gov-book.or.jp/asp/Kanpo/KanpoList/
    (官報検索:政府刊行物/官報/官報公告
[34]http://kanpo.net/kanpo/
    (官報について:(株)かんぽう
などで検索して、官報の該当号を調べたほうがよいでしょう。
そのうえで、官報の発行時期によって、最近1週間分については、
[35]http://kanpou.npb.go.jp/
    (インターネット版『官報』:独立行政法人国立印刷局
先週の官報本紙と号外の目次、公布された法律・政令の内容については、
[36]http://www.kantei.go.jp/jp/kanpo/digest.html
    (官報ダイジェスト:首相官邸
それ以前(おおよそ半年〜1年分)の官報本紙と号外の目次、公布された法律・政令の内容については、
[37]http://www.kantei.go.jp/jp/kanpo/digest-bk.html
    (官報バックナンバー:首相官邸
を利用することができます。
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1.5. 旧法令・旧規定

過去の判決に関する法令を調べている場合などには、その法令の全部または一部が既に改正または廃止されてしまっていることがあります。また、法令改正の際に附則の経過措置で旧法の取り扱いによるとされていることもあります。詳しくは、「旧法令・旧規定の調査法」を御参照ください。
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1.6. 法令の構成

法令の形式について、特別の決まりがあるわけではありません。ただ、法令は、内容が膨大なものとなることも多いので、構成を分かりやすくするための工夫がなされています。そして、そうした工夫が、長年の間に一定の形として定着しています。詳しくは、「法令のしくみと相互関係」を御参照ください。
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1.7. 関連法令

法律は、孤立しているわけではなく、他の法令との相互関係に注意する必要があります。詳しくは、「法令のしくみと相互関係」を御参照ください。
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1.8. 法令用語の調べ方

法令の中で分からない用語に出会したら、その意味を調べましょう。主要な辞典としては、以下のようなものがあります。
まず、法律学で用いられる概念・用語などについて、主に研究者が解説した法律学辞典です。著名事件・重要判例や、人物なども項目として採りあげられており、百科辞典的といえるかもしれません。
[38]國井和郎=三井誠編集代表『ベイシック法学用語辞典』(有斐閣・2001年)
[39]金子宏ほか編『法律学小辞典』〔第4版〕(有斐閣・2004年)
[40]佐藤幸治ほか編『コンサイス法律学用語辞典』(三省堂・2003年)
[41]竹内昭夫ほか編『新法律学辞典』〔第3版〕(有斐閣・1989年)〈絶版〉
[42]杉村敏正ほか編『新法学辞典』(日本評論社・1991年)〈絶版〉
この[38]〜[42]の解説では難しすぎるという人には、
[43]自由国民社編『図解による法律用語辞典』〔補訂2版〕(自由国民社・2006年)
もありますが、下記の[44]の解説は比較的平易ですから、こちらを使ってみましょう。
法令において用いられる用語などについて、主に実務家が解説した法令用語辞典です。国語辞典的といえるかもしれません。
[44]法令用語研究会編『有斐閣 法律用語辞典』〔第3版〕(有斐閣・2006年)
[45]吉国一郎ほか編『法令用語辞典』〔第8次改訂版〕(学陽書房・2001年)
この[44]は見出し語が平仮名で表記されており、法令用語の読み方を知ることもできます。それでも、法令用語には、読み方が分かりにくいものや、似ているけれども意味の違うものなどが多くあります。「及び」と「並びに」の使い分けなども、ごく基本的な知識として習得しておく必要があります。そうしたことについての知識を得るための辞典もあります。
[46]林大=山田卓生編『法律類語難語辞典』〔新版〕(有斐閣・1998年)
[47]浅野一郎=田島信威=岩崎隆二編『必携法令難語辞典』〔第3版〕(三省堂・2003年)
また、特定の分野ごとの辞典もあります。例えば・・・
[48]大須賀明ほか編『三省堂 憲法辞典』(三省堂・2001年)
[48a]大沢秀介編『確認 憲法用語300』(成文堂・2008年)
[49]伊藤正己ほか編『憲法小辞典』〔増補版・追補〕(有斐閣・1986年)
[50]浅野一郎=河野久編著『新・国会事典−用語による国会法解説−』(有斐閣・2003年)
[51]園部逸夫=大森政輔編『新行政法辞典』(ぎょうせい・1999年)
[52]淡路剛久編集代表『環境法辞典』(有斐閣・2002年)
[53]筒井若水編『国際法辞典』(有斐閣・1998年)
[54]国際法学会編『国際関係法辞典』〔第2版〕(三省堂・2005年)
[55]阿部齊ほか編『現代政治学小辞典』〔新版〕(有斐閣・1999年)
[56]林屋礼二=小野寺規夫編集代表『民事訴訟法辞典』(信山社・2000年)
[57]三井誠ほか編『刑事法辞典』(信山社・2003年)

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2. 議院規則

各議院(衆議院・参議院)が憲法第58条第2項の規定に基づいて制定する規則を、「議院規則」といいます。各議院がそれぞれの議決によって定めたものとしては「衆議院規則」「参議院規則」があります。両議院の議決の積み重ねにより共同に定めたものとして「両院協議会規程」などがあります。憲法上、公布は必要でないが、官報等で公示されるのが例であるとされます。内容によって、議員以外の者も拘束されます。
小型六法・中型六法には収録されていないようです。
インターネット上の情報として、次のようなものがあります。
[58]http://www.sangiin.go.jp/japanese/aramashi/houki/3.htm
    (参議院規則:参議院ホームページ
衆議院のホームページでは、衆議院規則の公開は行われていません。インターネット上で見られる衆議院規則および関係法規には、以下のものがあります。
[59]http://www.asahi-net.or.jp/~JC8Y-KMZK/rules.html
    (衆議院規則:Yoshihiro Komazaki's Promenade
[60]http://www.asahi-net.or.jp/~JC8Y-KMZK/process.htm
    (衆議院における議事関係法規:Yoshihiro Komazaki's Promenade
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3. 最高裁判所規則

最高裁判所が憲法第77条で認められた規則制定権に基づいて制定する規則を、「最高裁判所規則」といいます。司法の運営に関する事項については、裁判所による規則制定に任せられているのです。主要なものとしては、民事訴訟規則、刑事訴訟規則、家事審判規則、少年審判規則、民事調停規則、民事執行規則、最高裁判所事務処理規則などがあります。
主要なものは、小型六法にも収録されています。
インターネット上の情報としては、最高裁判所のホームページで、主要な最高裁判所規則の公開が行われています。
[61]http://www.courts.go.jp/kisokusyu/
    (規則集:裁判所
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4. 条例

地方公共団体が制定する法形式のうち、地方公共団体の議会の議決によって定められるものを、「条例」といいます。地方公共団体の長が制定する「規則」と区別されます。条例で規定できる事項は、地域における事務、およびその他の事務で、法令により地方公共団体が処理することとされるものに関するもの、とされます。条例は法令の範囲内で制定されるものとされます。
条例は、地方公共団体の発行する「公報」と呼ばれる機関紙に登載されます (国の官報には掲載されません)。公報には、条例、規則、告示、訓令、任免、公告等、一般に公示する事項を掲載し、その発行の方法は、各地方公共団体においてそれぞれ定められています。

地方自治体の条例については、


地方自治法
第16条第4項 当該普通地方公共団体の長の署名、施行期日の特例その他条例の公布に関し必要な事項は、条例でこれを定めなければならない。



北海道条例等の公布等に関する条例
第2条第2項 条例の公布は、北海道公報(以下「公報」という。)に登載してこれを行う。ただし、天災事変等により公報に登載して公布することができないときは、北海道庁前の掲示場及び公衆の見やすい場所に掲示してこれに代えることができる。

とされています。
一般には、地方自治体ごとに、条例集または例規集という名称で加除式の形で編集されていることが多いようです。当該地方自治体の公共図書館に備え付けられていることも多いでしょう。当該地方自治体にある大学に所蔵されていることもあるでしょう。
なお、国会図書館議会官庁資料室では、 「47都道府県すべての現行例規集と都道府県公報(条例・規則を掲載)を所蔵しています」。
かつては、前年中につくられた先進的・特徴的な条例を収録・解説したものとして、自治体議会政策学会監修の『地方自治体新条例解説集』(イマジン出版)が刊行されていましたが、インターネット上で例規集を公開する自治体が増えたこともあり、情報提供のありかたを変えたようです (詳しくは、こちら
条例は、分野ごとの法令集や大型六法などに収録されていることもあります。例えば、『教育法令集』(第一法規出版)の15・16・17巻は、「北海道編」となっています。
現在では、
[62]http://joreimaster.leh.kagoshima-u.ac.jp/
    (全国条例データベース:鹿児島大学法文学部法政策学科
において、「全国の自治体の特徴的な条例・規則・要綱(環境、まちづくり、情報公開、個人情報保護、行政手続が中心)」が収集され、データベース化されています。
[63]http://www.bunken.nga.gr.jp/kenkyuusitu/kenkyuusitu_r.html
    (条例研究室:地方六団体地方分権推進本部の分権ネット
[64]http://homepage3.nifty.com/jiti/LIbr/jul3010.htm
    (条例・規則・要綱等 事例集:市町村Portal
においても、分野別に条例が収集・整理されています。
また、各自治体も、インターネット上で条例などを公開するところが増えています。ほとんどの都道府県の現行の条例・規則(例規)はインターネット上で公開されるようになりました。そうした自治体について、
[65]http://www.ndl.go.jp/horei_jp/Countries/Japan/Japan_horei_local.htm
    (都道府県の条例:国立国会図書館 議会官庁資料室
の中にリストがあります。公報にもリンクしています。
[66]http://www.hi-ho.ne.jp/tomita/reikidb/reikilink.htm
    (自治体Web例規集へのリンク集:洋々亭の法務ページ
も、各自治体の資料へのリンク集です。
ちなみに、北海道について、
[67]http://www.reiki.pref.hokkaido.jp/cgi-bin/d1w_savvy/d1w_login.exe
    (北海道例規類集検索:北海道の条例・規則
ただし、次のような情報もあります。
[67a]http://www.imagine-j.co.jp/member/member_jourei.html
    (自治体ホームページには掲載されていない条例集:イマジン出版
地方自治体の公報については、[65]のほか、
[68]http://www.geocities.co.jp/WallStreet/3993/koho.html
    (「住民」と「行政」の情報循環/都道府県公報:政・官・民の情報トライアングル
が、オンライン公報へのリンク集を整備しています。
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5. 条約

国際法上の主体(国家や国際機関など)の間において、(文書の形式により)国際法の規律に従って締結される合意を指します(広義の条約)。その名称が「条約」であるか否かを問いません(協定、憲章、規約、議定書、取極などでもよい)。日本国憲法に関して論ずる場合、「条約」は、広義の条約ではなく、国会の承認を要する条約(国会承認条約)を指すことがあります。
これに対して、「行政取極」とは、国家間の国際約束のうち、条約締結権を有する行政府が、既存の条約もしくは国内法または予算の範囲内で実施しうる事項などについて、憲法第73条第2号の外交関係の処理として同条第3号による国会の承認を経ることなく、行政府かぎりで締結したもののことです。「行政取極」とも呼ばれます。
日本の法令用語としては、「条約」「行政取極」を合わせて「国際約束」と呼びます。

主要な条約の条文(日本語訳)は、市販の「条約集」と呼ばれる文献で見ることができます。これら条約集は、六法と似たような体裁です。近年は、年版で刊行されるようになりました。
[69]『国際条約集』(有斐閣)
[70]『解説条約集』(三省堂)
[71]『ベ−シック条約集』(東信堂)
このほかに、人権、環境、経済など分野別の条約集もあります。たとえば人権関係の条約(国際人権条約)等を集めたものについて、こちらを御参照ください。
これらに掲載されていないものは、[17][18]の条約編で調べることができます。
外務省が編纂している条約集もありますが、刊行頻度にやや難があるようです。
[72] 外務省国際法局『主要条約集 上巻・下巻』
    (国立印刷局・数年ごと)
[73]外務省国際法局『条約集:二国間条約』
    (国立印刷局・年刊)
[74]外務省国際法局『条約集:多数国間条約』
    (国立印刷局・年刊)
インターネット上でも情報が提供されています。
ただし、外務省のサイトでは、近年に政府が国会に提出したもの、最近署名を行ったのものが掲載されているほか、人権関係の諸条約が紹介されているにとどまります。
[75]http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/index.html
    (条約:外務省
[76]http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken.html
    (人権外交【人権宣言と主要人権条約】:外務省
[77]http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsil/materials_page/index_mtrls.html
    (国際法資料集:国際法学会
[78]http://www1.doshisha.ac.jp/~karai/intlaw/docs.htm
    (オンライン条約集:国際法研究室
[79]http://www.and.or.jp/~kamei/6_law.html
    (Web六法)
[80]http://www.law.tohoku.ac.jp/link/intlaw-j.html
    (国際法関係のページへのリンク集:東北大学大学院法学研究科・法学部
などのほか、
[81]http://list.room.ne.jp/~lawtext/forest/
    (法林)
[82]http://www.houko.com/
    (法庫)
などにも情報があります。[82]は、一部有料です。
条約については、
[83]http://www.law.co.jp/link/jyouyaku.htm
    (条約関係リンク集:Cyber Law Japan 弁護士法人 英知法律事務所 Home Page
においても、インターネット上の情報が紹介されています。
商用の法令DBとしては、[23][24][25]が条約を収録しています。

ここで、批准を必要とする条約を例にして、条約締結の過程を見てみましょう(批准を必要とせず、署名のみで成立する国際約束もあります)
〈1〉条約作成交渉
二国間条約であれば相手国と、多数国間条約であれば関係国の協議や国際機関の会議などにおいて、交渉が行われるでしょう。
[84]http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/index.html
    (外交政策:外務省
〈2〉署名・調印
条約作成交渉が合意に達し、条約の最終的な条文が採択されると、各国の代表が署名して条文を確定させます。
批准を必要とする条約の場合、署名をしただけでは条約の法的拘束力は生じません。ただし、署名した条約の趣旨を没却するような行為は、慎まなければなりません。
[85]http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/shomei.html
    (最近署名を行った条約:外務省
これに対して、批准を必要としない簡略形式の国際約束(署名発効条約、交換公文、交換書簡など)の場合、署名によって法的な拘束力が生じます(これらの多くは締結について国会の承認を必要としない「行政取極」でしょうが、これらの国際約束が国会承認を必要とする場合は、憲法73条3号にいう「事前に」とは「署名前」を意味します)
〈3〉国会承認
憲法第73条第3号により、締結について国会の承認を必要とする条約が国会に提出されます。[84]において、近年の国会に提出した条約・提出予定の条約を見ることができます。[86]では、近年の国会提出条約の一覧と、それぞれの提出理由を見ることができます。
[86]http://www.clb.go.jp/contents/index.html
    (最近の法律・条約(件名):内閣法制局
日本法令索引では、第1回国会(昭和22年)以降の条約承認案件を検索することができます。
[87]http://hourei.ndl.go.jp/SearchSys/frame/jyouyaku_top.jsp
    (条約承認案件検索:日本法令索引
〈4〉批准
批准とは、当該条約に拘束されることへの最終的な同意の表示です。内閣が批准書を作成し、天皇の認証(憲法第7条第8号)を得た後、批准書の交換(二国間条約の場合)や寄託(多数国間条約の場合)が行われます。
〈5〉公布
条約が官報によって公布されます(憲法第7条参照)
なお、日本国は条約を批准したけれども、当該条約が国際法上は未発効である場合(一定数の国の批准が発効の要件とされている、など)があります。この場合、条約が発効すると、官報において告示(後述)されるようです。
[88]http://www.clb.go.jp/contents/promulgation_treaty.html
    (平成19年1月から現在までに公布された条約(題名):内閣法制局
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齊 藤 正 彰 @北星学園大学

6. 告示・訓令・通達・要綱

[89]http://www.hiraoka.rose.ne.jp/2files/d13vwvsuhorei.htm
    (「行政規則」と法令用語:平岡 久のホームページ(1)−Prof. Dr. Hiraoka's Website



国家行政組織法
第14条第1項
 各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、公示を必要とする場合においては、告示を発することができる。

告示とは、公の機関がその決定事項等を公式に広く一般に知らせること、またはその形式をいうとされます。国の機関による告示は、官報に掲載されます。地方公共団体の機関も告示を行い、それらは地方公共団体の公報に掲載されるのが通例であるとされます。告示の内容は、法規命令である場合、行政規則である場合、行政処分である場合、単なる事実上の行為である場合などさまざまであり、事実の通知行為であっても法律により一定の効果が伴うとされている場合もあり、法的性質は個別に判断しなければならないとされます。


国家行政組織法
第14条第2項
 各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、命令又は示達するため、所管の諸機関及び職員に対し、訓令又は通達を発することができる。

上級行政機関が、その指揮監督権により、下級行政機関に対して発する命令を「訓令」といいます。訓令は、行政組織の内部では法的拘束力を有し、下級行政機関は訓令に従わなければなりませんが、直接に国民を拘束するものではありません。また、裁判所も、法律の解釈・適用にあたって行政機関の訓令に拘束されることはありません(したがって、訓令で示された法律の解釈は、裁判所によって否定される可能性があります)。ただし、訓令や通達などは、法令を実際に執行するために必要な細則を定めるものが多く、法解釈に際しても、その調査・検討が必要になることが少なくありません。
国家行政組織法第14条第2項の定める者以外でも、指揮命令権を有する上級行政機関は、訓令を発することができるとされます。国の機関による訓令は、官報に掲載されます。
「訓令」と「通達」との区別については、
(1) 書面をもって送付された訓令を、とくに「通達」と呼ぶ
(2) 職務運営の基本に関する命令事項を内容とするものを「訓令」、職務運営に関する細目的事項、法令の解釈・運用方針に関する示達事項などを内容とするものを「訓令」と呼ぶ
という、2通りの理解があります。
要綱とは、一般的には、基本的・重要な事柄、またはそれをまとめたものを意味します。法律などの制定の過程では、「法律案要綱」などとして要旨を記した文書が作成されることがあります。しかし、ここで問題にする「要綱」とは、行政機関が定める命令のうち、行政機関内部での規律であって、例えば「宅地開発要綱」や「補助金交付要綱」のような、行政機関の事務処理の基準として定められるものをいいます。こうした「要綱」は、実質的には訓令の一種であり、国民や裁判所を直接に拘束するものではありません。ただし、行政機関による、いわゆる行政指導の基準となることがあります。このような要綱は、「告示」などの形式によって住民に公表されることが多いといわれます。法律や条例に基づくことなく、要綱に基づく行政指導によって指導・調整を行うような「要綱行政」については、法治主義の見地からの批判もあります。
告示・通達(訓令を含む)に関する諸問題と調べ方については、
[90]吉田利宏=いしかわまりこ「法のアジール−告示と通達」
     法学セミナー626号(2007年)
があります。[90]は、連載「法令読解心得帖」の第3回目です。
なお、インターネット上での通達等についての資料として、
[91]http://www.e-gov.go.jp/link/ordinance.html
    (所管の法令・告示・通達:電子政府の総合窓口
があり、各省庁の情報にリンクしています。
この[91]からは、
[92]http://www.mof.go.jp/hourei1.htm
    (告示・通達等:財務省
[93]http://wwwkt.mlit.go.jp/notice/koj_search.html
    (告示・通達データ提供システム:国土交通省
[94]http://www.kokuji.maff.go.jp/kokujituti/top.asp
    (告示・通知データ提供システム:農林水産省
[95]http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/
    (厚生労働省法令等データベースシステム:厚生労働省
[96]http://www.env.go.jp/hourei/
    (法令・告示・通達:環境省
[97]http://www.nta.go.jp/category/tutatu/tutatu.htm
    (国税庁通達等目次:国税庁
[98]http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_web/
    (訓令等の検索(訓令・達・通達等・告示)防衛省・自衛隊
[98a]http://hrsk.jftc.go.jp/
    (独占禁止法関係法令集検索システム:公正取引委員会
などの、各省庁の独自の検索・公開システムへリンクを辿って利用することもできます。また、
[99]http://www.jaish.gr.jp/anzen_pg/HOU_FND.aspx
    (法令・通達:安全衛生情報センター
もあります。その他にも、
[100]http://www.lawdata.org/files/tsutatsu.html
    (通達・告示:法令・告示・判例・例規等の検索
に情報があります。これらでも検索できない場合には、
[101]http://websearch.e-gov.go.jp/cgi-bin/common.cgi?CONFFILENAME=common.conf.J&TEMPLATE=keyword_J.html&form_mode=0
    (ホームページ検索:電子政府の総合窓口
で全省庁または(指定した)特定省庁のサイトを横断的に検索することができます。
インターネット上で公開されていないものについては、
[102]日本税理士会連合会編『税務六法 通達編』
    (ぎょうせい・年度版)
のような各分野の専門の六法や、
[103]基本行政通知編集委員会編『基本行政通知・処理基準』
    (ぎょうせい・2001年〜)
[104]登記研究編集室編『登記関係先例集』
    (帝国判例法規出版社(テイハン)・1955年〜)
[105]丸山高弘編『戸籍先例集』
    (六法出版社・年度版)
[106]最高裁判所事務総局編『供託関係先例集 (民事裁判資料65号)』
    (法曹会・1958年)
[107]最高裁判所事務総局編『強制執行及び競売に関する通達回答集』
    (法曹会・1955年)
のほか、各省庁の公報など(司法関係の最新の通達や回答については、『裁判所時報』『家庭裁判所月報』『法曹時報』『民事月報』などを調べることになるでしょう)の紙媒体資料で調査することになるでしょう。[108]は、かつて、『基本行政通達』(1974年〜)と称していたものです。訓令、通達、閣議決定を収録していますが、網羅的ではありません。
各省庁などの公報のリストとして、
[108]http://www.ndl.go.jp/horei_jp/Countries/Japan/Japan_gazette.htm
    (国の機関の公報(当館所蔵分):国立国会図書館 議会官庁資料室
があります。



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