25.セントマーカー大聖堂(St Machar's Cathedral Transepts)

  これまでに2、3度行っていたが、アバディーン大学にあまりに近すぎてリポートするのを忘れていた。
  まずもってこの「St Machar」の発音。セントマッハーと表現されたり、セントマハーと表現されたりしている。いずれも正しいのだろうが、教会内部に置いてあった日本語のちらしによれば、アバドニアンはこれをセントマーカーと発音するという(この大聖堂の歴史と案内が記載されたA5サイズ両面刷りの日本語のちらしがあることが驚きだ)。

  そのちらしによれば、この大聖堂の歴史は紀元590年頃まで遡ることができることであり(最初に教会を建てたのがセントマーカー)、現在のような建物として完成したのは16世紀頃である。興味深いのは、セントマーカーは、この地方のピクト人にキリスト教を布教するために教会を建てたということだ。ますますピクト人について興味が湧いてくる。
  さて、現在のセントマーカー大聖堂は、天井の紋章は1520年頃のもの、窓は19、20世紀のものといった具合に、長い歴史の中で付け加えられた「部分の集合」で、中世の頃のものは教会本堂と側廊だけだと書いてある。中世は5世紀〜15世紀頃を指すので(もっと狭く考えると10世紀〜15世紀)、歴史があるといえば歴史はあるが、そんなにめずらしいものであるとは思われない。むしろ、アバディーンの教会らしく花崗岩で教会が建てられているというほうが面白い。

  また、現在でも教会活動が行われている教会なので、よく手入れが行き届いている。とくに素晴らしいのはステンドグラス。外からは気付かなかったが、本堂内部に入ると、真っ先に目に飛び込んでくる。このステンドグラスも19、20世紀のものなのでそんなに古いものではないが、しばし足を止めてしまうほどの美しさだ。


Cross in my pocket

  付け加えると、この大聖堂の中には売店がある。教会グッズを販売している。その中には、Cross in my pocketという「お守り」があった。それを見ていると、日本のお寺や神社が縁起物を販売していると同じなんだなあと思わずにはいられなかった。

【付記】この大聖堂に通じる道(Canonry)の途中にアバディーン大学植物園(Cruickshank Botanical Gardens)がある。もちろんアバディーン大学植物学部の研究施設だが、無料で一般公開している。わざわざ見に来るというべきものではないが、静かでホッとできる場所である。セントマーカー大聖堂の帰りにでも休憩する場所として立ち寄ればいいだろう(なんだかツアーガイド風になってしまった)。


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