12.ダイス・シンボル・ストーンズ(Dyce Symbol Stones)

  ダイス・シンボル・ストーンズは、我々を古代史トレイルに導いた場所である。

  AAのロードアトラスでは、アバディーン空港の北、B977沿いにダイス・シンボル・ストーンズがある。ちょうどドン川とB977の間あたりだ。自宅からはA96−A947を経由してB977に入るルートが合理的に思えた。しかしA96からどこでA947に乗り換えたらいいのかわからず、知らない山道を走ったりして、ずいぶん遠回りをしてしまった。やっとB977にたどり着いてからもなかなかシンボル・ストーンズにたどり着かなかった。地図上ではそのあたりを走っているハズだったがどこにも道標が見つからない。ようやくかみさんが「あれじゃない?」といった石は、小高い丘の上に立っていたが、そこに近づく道がない。何とか周辺の道を走って、道標があるところまでたどり着いた。

  道標があるあたりからさっき発見した石が見える。ところがシンボル・ストーンズまで3/4マイル地点と表示された場所からその道標が示す方向に進むことができなかった。その方向には採石工場があったからである。
  道標のある場所に自動車を停めて徒歩で接近を試みる。しかしやはり道は見つからなかった。

  遠目で見る限り、その石は四角柱で石灯籠のような形に見えた。いかにも最近作ったように見えたが、古代の遺跡らしい。

  誰が何のために作ったのかその時点ではまったくわからなかった。しかし興味深い。「今度また来よう」と話し合って帰路についたが、何のことはない、B977はダイスの町なかに通じる道であり、途中でB997に乗り換えればまっすぐ自宅付近まで走ることができたわけである。

  その後、ヒストリック・スコットランドに入会してサイト・ガイドを読めば、廃墟と化した教区教会の中に二つのピクト人が描いた石があるとのことだった(だから、シンボル・ストーンではなくシンボル・ストーンズと表示されていたわけだ)。
  『ということは我々が見たのはどちらだったのだ?』

【追録】
  ダイス・シンボル・ストーンズが気になっていた小生は、3月下旬、再びその場所を訪れた。
  今回は、採石工場の敷地内を走り(土曜日で工場は休業)、例の石灯籠の近くまで車を走らせたが、やはりその丘に通じる道は発見できなかった(まわりには有刺鉄線が張り巡らされていた)。
  その後、すぐ近くにある墓地に向かった。墓地があるということはその近くに教会があるかもしれないと考えたからである。もし教会があれば、その中にシンボル・ストーンズがあるハズだった。

  ところが、その墓地の前で我々が見たものは左のようなプレートであった。まず、Dyce Symbol Stonesの文字が目に飛び込んできたので『ここだったか』と期待したのもつかの間、良く読んでみると、現在、ダイス・シンボル・ストーンズは保存修復作業のため、エディンバラの保存センターに持ち出しているとのことだった。それを読んでがっかり。
  しかし、これで現在そこにはシンボル・ストーンズはないということが確認できたのだが、もう一つの問題が発生した。

  『だとすれば、あの石灯籠は何だったのだ?』

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