Archive-name: rfc1855j/part1 Last-modified: Fri Frb 2 1996 Version: 1.0 ※このRFC1855の日本語訳は訳者が個人の責任で翻訳したものです。 文中〔〕【】の部分は訳者が補った注記です。 日本語訳 高橋邦夫 1996年2月2日 --------------------------Start of rfc1855j/Part1---------------------------- ネットワーク・ワーキング・グループ RFC(Request For Comments) 文書番号:1855 FYI(For Your Information)文書番号:28 分類:Informational サリー・ハンブリッジ著(インテル社)   1995年10月      高橋 邦夫訳(東金女子高等学校)1996年2月2日                ネチケットガイドライン このメモの状態 このメモは、インターネットコミュニティのために情報を提供するものです。このメモは、いかなる種類のインターネット標準をも規定するものではありません。このメモの配布は、無制限です。 概要 この文書は、各組織が採用し自身の利用のために適合化できるネットワーク・エチケット(ネチケット)ガイドラインの最小限の組み合わせを提供するものです。そのため、適合化がしやすいように、そして特定の項目を(できるだけ)簡単に見つけられるようにわざと箇条書きに記述してあります。また、個々の利用者および管理者のためのガイドラインの最小限の組み合わせとしての役目もします。このメモは、インターネット技術特別調査委員会(IETF)のネットワーク責任利用作業部会(RUN; Responsible Use of Network Working Group)の成果著作物です。 目次  1.0 はじめに           Introduction  2.0 1対1の通信         One-to-One Communication  3.0 1対多の通信         One-to-Many Communication  4.0 情報サービス         Information Services  5.0 推奨文献目録         Selected Bibliography  6.0 保安への配慮         Security Considerations  7.0 著者のアドレス        Author's Address  8.0 日本語版について 1.0 はじめに かつて、インターネット社会の住民は、インターネットで「育ち」、技術的に注意されて、その情報転送やプロトコルの性質を理解しました。今日、インターネット利用者の共同社会には初めてその環境を体験する人々が含まれています。これらの「新参者(Newbies)」は、その文化に慣れておらず、情報転送やプロトコルについて知る必要を感じていません。これらの新しいユーザを早くインターネット文化に導き入れるために、このガイドは、各組織と個人が自分自身の使用のために採用し、適合化できる最小限の組み合わせを提示します。インターネット・アクセスを提供しているのが誰か(インターネット・サービス・プロバイダの個人アカウントなのか、大学の学生用アカウントなのか、勤務先の発行したアカウントなのか)に関わらず、各個人は、その組織の持つ、メールとファイルの所有権および適切な投稿・送信のしかた、自分自身を表現するためのやり方についての規則を知っていなければなりません。各組織固有のガイドラインについては、それぞれの管理者に必ず確認してください。 私たちは、この文書を3つの部分にまとめました。:メールとトークを含む1対1の通信;メーリングリストとネットニュースを含む1対多の通信;FTP、WWW、Wais、Gopher、MUDとMOOを含む情報サービスの3つです。最後に、私たちは参考となる文献選び、目録にまとめました。 2.0 1対1の通信(電子メール、トーク) 私たちは、ある個人が別の個人に面と向かって会話するように通信すること、つまり対話のことを1対1の通信と定義します。人々と付き合うための常識的な礼儀作法は、一般にどんな場合でも尊重するべきですが、インターネットの場合には、身振りや声の調子を推測させることしかできないなどの理由から、その重要性が2倍になります。電子メールやトーク(会話)を通じたコミュニケーションのネチケットについてもっと知りたい場合は、推奨文献目録の参考文献[1,23,25,27]を参照してください。 2.1 利用者のガイドライン 2.1.1 電子メールのガイドライン ◇あなたがインターネットプロバイダーを通じた個人のインターネットアクセスを持っている場合を除き、電子メールの所有権についてはあなたの雇い主に必ず確認しておきましょう。電子メールの所有権についての法律は、場所によって変わります。 ◇あなたが暗号化装置(ハードウェアかソフトウェア)を使っている場合を除き、インターネット上のメールは安全ではないものと考えておかなければなりません。あなたが葉書に書かないようなメッセージ〔クレジットカード番号やパスワードなど他人に知られたくない個人情報や非公開情報など〕は決してメールに含めてはいけません。 ◇あなたが複製する文書については、その著作権を考慮に入れましょう。ほとんどすべての国では著作権法が制定されています。 ◇あなたが受け取ったメッセージを他人に転送したり、再投稿する場合には、元の言葉遣いを変えてはいけません。あなた宛の個人的なメッセージを、あるグループに再投稿する場合には、あらかじめ発信者に再投稿の許可を求めておかなければなりません。メッセージを短縮したり、関連する部分だけ引用しても構いませんが、適切な出典〔もとのメッセージや発言者が特定できるような情報〕を必ず示しましょう。 ◇電子メールでは、絶対にチェイン・レターを送ってはいけません。チェーン・レターはインターネットで禁止されています。あなたのネットワーク利用権を無効にされるでしょう。もしあなたがチェーン・レターを受け取ったならば、所属組織のシステム管理者に連絡してください。〔チェーン・レター(チェーン・メール)とは、幸福の手紙(不幸の手紙)のように別の人に同じ内容を転送することを要請する内容の手紙です。理由の如何を問わず禁止されています。〕 ◇よい経験則:送信する内容には慎重さを、受信する内容には寛大さを心がけましょう。たとえ挑発されても、激情的なメッセージ(これを「フレーム(flames;炎)」と呼びます)を送ってはいけません。一方、もしあなたが火あぶりにあって〔非難されて〕も、驚いてはいけませんし、フレーム・メッセージに対しては応答しないのが賢明なやり方です。 ◇一般に、メッセージに応答する前に、あなた宛に届いた全部のメールについて、最低限サブジェクト(題名)だけでも点検しておくことは賢明です。時々、助け(または確認)を求めて質問した人が、「気にしないでください」という内容の別のメールを送ってくることがあります。また、あなたが応答しようとするメッセージが確実にあなたに向けられたものであることを確かめましょう。あなたが、主要な受け取り人ではなく、cc:されただけである場合もあります。〔cc:は、同じ内容のメールを(参考のために)別の人に転送することを指定するための電子メールのヘッダ〕 ◇受け取る相手に対する気配りを心がけましょう。多くのメーラ(電子メールプログラム)は、あなたの差出人アドレスを含むヘッダ情報をはぎ取ってしまいます。あなたが誰であるか他人に確実にわかるようにするために、あなたのメッセージの終わりに1行か2行の連絡先情報を必ず入れましょう。事前にそのファイルを作っておいてメッセージの最後に付け加えることもできます(いくつかのメーラは、自動的にやってくれます)。インターネット用語では、これは「.sig」とか「署名(シグネチャ)」ファイルとして知られています。あなたの署名ファイルは、名刺の代わりになります。(また、状況によって複数の署名を使い分けることもできます。) ◇メールのアドレスを書く時には慎重にしましょう。個人のアドレスのように見えても、実はあるグループに送られるというアドレスもあります。誰に送ろうとしているのかを知っておきましょう。 ◇返事をするときには、cc:の宛先に気をつけましょう。メッセージが1対1のやりとりになるときには、他人を巻き込み続けてはいけません。 ◇一般に、インターネットを使うほとんどの人々には、インターネットやその働きについての一般的な質問に答えている暇がありません。RFCやメーリングリストで名前を見かけた人に、頼まれてもいないメールを送って情報を求めるようなことをしてはいけません。 ◇あなたが交信する相手が住んでいる地域は、世界中に広がっていることを覚えておきましょう。至急返事が欲しいメッセージを送る場合、それが相手に届く時には、相手は家で寝ているかもしれません。メールが届いていない、とか、相手が無視した、と思う前に、相手の人が目を覚まして会社に行ってコンピュータにログインするために必要な時間的余裕を与えてあげましょう。 ◇長い論説や個人的な論述を出す前には、全文章〔と宛先〕を点検しましょう。また、サブジェクト・ヘッダに「Long(長文)」という言葉を含めておくと良いでしょう。受け取り人は、メッセージを読むのに時間がかかることがわかり、対応することができます。100行を超えるメッセージは「長文」と考えられます。 ◇困ったとき誰に助けを求めれば良いのかを調べておきましょう。通常、あなたの手の届く近さに情報資源があるものです。自分の近くにいるソフトウェアやシステムの問題について手助けできる人に聞きましょう。また、あなたが何か疑わしいもの、不法なものを受け取った場合に誰に連絡すれば良いのかを調べておきましょう。多くのサイトでは「Postmaster」という名前で知識のあるユーザにメールが届くように設定されていますから、このアドレスにメールを出して助けを求めることができます。 ◇受け取り人は、文化、言語、ユーモアの基準があなた自身とは異なっている人間であることを忘れないでください。日付の書式や、計測単位、慣用語は地域によって異なるものだということを忘れないでください。特に、皮肉〔いやみやあてこすり〕には注意してください。 ◇〔英語の場合〕大文字小文字を混ぜて使いましょう。UPPER CASE LOOKS AS IF YOU'RE SHOUTING.のように大文字だけで書くと、あなたがシャウト(大声で叫ぶ)しているように見えます。〔本当に必要な時以外にシャウトを使うことは、読み手にとってとても迷惑なこととされています〕 ◇強調のためにはシンボル記号を使いましょう。That *is* what I meant.の*is*のようなもののことです。下線(アンダーライン)には、アンダースコア記号「_」を使いましょう。_War and Peace_ is my favorite book.のように書きます。 ◇声の調子を表わすためにはスマイリー(顔マーク)を使いましょう。ただし、控え目に。「:-)」は、スマイリーの例です(横に見てください)。ただし、スマイリーをつけておくことで、受け取り人があなたの言うことに満足するとか、ほかの侮辱的な言葉を拭い去る効果があるなどと仮定してはいけません。 ◇メッセージに対して感情的な応答をする時、送信する前に一晩待ってみましょう。あなたがその問題について本当に強い思いを持つならば、FLAME ON/OFFで囲ってから、それを表現しましょう。次はその例です :FLAME ON: This type of argument is not worth the bandwidth it takes to send it. It's illogical and poorly reasoned. The rest of the world agrees with me. FLAME OFF (和訳)フレーム始め:  この種の抗議を送るのは、帯域幅の無駄遣いだ。非論理的で合理性に乏しい。ほかの人は世界中みんな私の味方だ。     フレーム終わり: ◇MIME形式のものか、メーラがエンコード〔文字コード変換〕するものでない限り、メッセージの中でコントロール文字や非ASCII形式データを含めてはいけません。エンコードしたメッセージを送る場合は、受け取り人がデコード〔解読〕できることを確認しておきましょう。〔日本語の場合、半角カナやシフトJISコードの文字がこれに該当します。このほか、JIS未定義領域文字は機種に依存しますので相手の機種(環境)に配慮する必要があります。〕 ◇そっけなさすぎることがない程度に簡潔な表現を心がけましょう。メッセージに応答する時には、理解するために十分なだけのオリジナルの文書を含めておき、それ以上の部分は省略しましょう。ある1つのメッセージに返答するだけのために、前のメッセージの全文を引用して含めるのは、非常に悪いやり方です:無関係な部分はすべて削除しましょう。 ◇1行の長さは、半角65文字未満に制限し、1行の終わりには1つの復帰改行(キャリッジ・リターン)を入れましょう。 ◇メールには、メッセージの内容を反映するサブジェクト(題名)ヘッダをつけなければいけません。 ◇署名をつける場合、署名は短くしておきましょう。経験則では4行以下です。多くの人が、1分毎に接続料金を支払っていることを忘れてはいけません。あなたのメッセージが長ければ長いほど、彼らはたくさん支払いをしなければならないのです。 ◇(今日の)メールが私的なものではないかもしれないのと同様、(今日の)メール(とニュース)は偽造をされたり、さまざまな程度の異常探知をごまかす操作を受けるかもしれません。あるメッセージが本物だと思い込む前に、常識の「現実チェック」の適用しましょう。 ◇電子メールメッセージを受け取ったとき、メッセージの重要性から判断してそうするのが妥当だと思った場合には、直ちに短い返事を送り、送信者にあなたが受け取ったことを伝えましょう。たとえ後でもっと長い返事を書くつもりでいたとしてもです。 ◇電子メールを経由した何かの行為において「合理的に」期待できるものは、相手とあなたとの間の関係やその通信の状況に依存します。特別な電子メール環境で身につけた標準は、インターネット経由した一般的な電子メール通信には適用できないかもしれません。俗語的表現や内輪の省略語に注意しましょう。 ◇電子メールメッセージを配達するのにかかるコストは、平均すると、その送り主とその受け取り人(あるいは、彼らの組織)がだいたい等しく負担します。これは、通常郵便や電話、テレビ、ラジオのような他の媒体とは異なっています。また、誰かにメールを送ることで、ネットワーク帯域幅やディスク容量、CPU処理量のようなその他のコストを相手に負担させているかもしれません。これは、頼んでもいない広告電子メールが歓迎されない(そして、多くの状況において禁じられている)ことの基本的経済的な理由です。 ◇あなたが送ろうとするメッセージがどれだけ大きいのかを知っておきましょう。ポストスクリプトファイルやプログラムなどは、あなたのメッセージを非常に大きくし、大きすぎて配達できなくなったり、あるいは少なくとも過大な資源を消費してしまうことになります。良い経験則は、50キロバイトよりも大きいファイルを送らないことです。ほかの方法でファイルを転送するとか、より小さい部分に分割して別のメールとして送ることを考えましょう。 ◇頼まれてもいない大量の情報を他人に送ってはいけません。 ◇あなたが利用しているメールシステムでフォワード(別のアドレスへの転送)が使えるときには、恐ろしいフォワード・ループ(連環)に注意してください。あなた宛のメッセージが1台のコンピュータから他のコンピュータへ次々と転送されて、無限ループに陥ってしまうことがないように、数ヵ所のホストにフォワードを設定することは決してしてはいけません。 2.1.2 トークのガイドライン トーク(talk)は、2人の人がコンピュータを通して会話的な対話を持つことができる一群のプロトコルです。 ◇手紙をタイプしたりメールを送る時と同じように、大文字小文字を混ぜて、適当な句読点を使いましょう。 ◇行の終わりを越えてしまったり、単にターミナルの自動改行に任せたりしてはいけません;行の終わりには、復帰改行(CR)を使いましょう。また、あなたが使っている画面サイズが、他の人と同じだと思ってはいけません。良い経験則としては、1行を半角70文字以内に収め、行数は12行を超えないようにしましょう(分割画面を使っているからです)。 ◇いくらかのマージン(余白)を残しましょう;画面の端に書いてはいけません。 ◇あなたの発言が終了し、相手が文字入力を開始しても良いという合図に、2回改行(空白行)を使いましょう。 ◇交信を打ち切る前には、常にグッドバイなどのお別れの言葉を言い、相手からのお別れの言葉を待ってから切りましょう。このことは、遠く離れた相手と交信しているときには特に重要です。あなたの交信を実現するためには、双方の帯域幅(通信パイプの太さ)と伝送時間(光の速度)を要していることを覚えておきましょう。 ◇トークが相手に対するある種の妨害活動であることを覚えておきましょう。使うのが適当な時だけに使いましょう。そして、赤の他人とは絶対にトークしてはいけません。 ◇返事がない場合、その理由はいくらでも考えられます。何もかもがうまく作動していると思ってはいけません。すべてのトーク・プログラム間に互換性があるわけではありません。 ◇トークは、そのままにしておくと相手を再呼び出しします。1回か2回は呼び出しさせてやり、つながらない時には終了させましょう。 ◇もし相手からの応答がない時には、ほかの端末を試してみても良いでしょう。どれが動いているかを見るにはfingerを使います。それでも相手が応答しない時には送信を続けてはいけません。 ◇トークでは、あなたのタイピング能力がわかります。あなたのタイプ入力が遅くて、ミスタイプをした時、多くの場合、修正に時間をかける必要はありません。あなたが何を言いたいのかは、たいてい相手側でわかりますから。 ◇複数のトーク交信をしようとするときには、慎重に行いましょう! 2.2 管理者のガイドライン ◇種々の状況(特に、違法な通信、不当な通信、偽造通信)を処理するためのガイドライン(指針)を必ず明文化しておきましょう。 ◇利用者からの要望事項は、適時に処理しましょう。(翌ビジネス日までに) ◇不当なメッセージや違法なメッセージを受け取ったという利用者への対応は早急に行いましょう。チェイン・レターに関する要請があれば、直ちに扱わなければなりません。 ◇ディスク割当てのような、システム利用規定を利用者に説明しましょう。メールでファイルを取り寄せることに伴って、ディスクを満杯にするとか、電話代がかさむとか、メールの遅配などが起こることを利用者に確実に理解させておきましょう。 ◇あなたが「Postmaster」として確実にエイリアス(別名)されているようにしましょう。あなたが「Root」として確実にエイリアス(別名)されているようにしましょう。これらのアドレスに届いたメールは、確実に誰かが読むようにしておきましょう。 ◇あなたの利用者に対する苦情が来たら、寛大な心で調査にあたりましょう。アドレスは、偽造されたりごまかされたりするかもしれないということを覚えておきましょう。 3.0 1対多の通信(メーリングリスト、ネットニュース) あなたが1対多の通信をする時には、メールに関するすべてのルールも常に適用しなくてはなりません。1対1の通信の場合よりもはるかに多くの人を傷つける可能性があることを考慮に入れておけば、結局、一つのメール・メッセージや投稿で多くの人と通信することと、1人の相手と通信することとはとてもよく似ています。したがって、あなたのメッセージの読者についてできるだけ多くのことを知っておくのは、とても重要なことです。 3.1 利用者のガイドライン 3.1.1 メーリングリストとネットニュースの一般的なガイドライン ◇あなたが何かを投稿する前に、1〜2か月の間メーリングリストとニュースグループの両方を読みましょう。これは、あなたがそのグループの文化を理解するのに役立ちます。 ◇システム利用者の行為に関して、そのシステム管理者を非難してはいけません。 ◇多くの読者があなたの投稿を読むということを考えましょう。その中には、あなたの現在の、あるいは将来の上司がいるかもしれません。あなたが書く内容に注意しましょう。また、メーリングリストもニュースグループもしばしばアーカイブになり、あなたの言葉が非常に長い間多くの人々がアクセスできる場所に保管されるかもしれないということを覚えておきましょう。 ◇ある人の発言は、その人の個人的な意見であり、(特に明示していない限り)その所属組織の見解ではないものと考えましょう。 ◇メールもニュースもシステム資源を消費するものであることを覚えておきましょう。その利用について、あなたの組織が定めているかもしれない特別な規則について注意を払いましょう。 ◇メッセージや記事は、簡単で要領を得たものでなければなりません。的外れの話題をさまようことなく、脱線することのないようにし、単に他人の誤字脱字を指摘するためだけのメールや記事を送ったりしてはいけません。これらの行為は、他のどんな行為よりも明白にあなたが未熟な初心者であることを示してしまいます。 ◇サブジェクト(題名)の行は、そのグループの規則に従って書かなければなりません。 ◇偽造やごまかしは、承認された行為ではありません。 ◇広告は、ある種のメーリングリストやニュースグループでは歓迎されますが、その他のメーリングリストやニュースグループでは嫌悪されます!これは、投稿する前に読者が誰かを知っておく、ということのもう1つの例です。完全に話題から外れた頼まれてもいない広告を出せば、確実に多数のいやがらせのメールがあなた宛に届くことになります。 ◇あるメッセージについて返事を送ったり投稿する時には、必ず先頭にオリジナルの要約を書くか、状況を伝えるのにちょうど十分な量のオリジナルの文を引用として含めましょう。これで、あなたの返事がどこから始まるのかを確実に読者に理解させられます。特にネットニュースでは、記事があるホストから他のホストに次々と配送されるため、オリジナルが届く前に返事が先に届いてしまうこともあります。状況説明を与えることは、全員に役立ちます。ただし、オリジナルの全文を含めることはしてはいけません! ◇繰り返しますが、あなたのメッセージに付ける署名を必ず持ちましょう。これにより、ヘッダ情報をはぎとってしまうメーラやニュースリーダでも、あなたの連絡先の情報は消されないで確実に残るようになります。 ◇あなたがメッセージや記事に返事をする時には慎重に行いましょう。しばしば、返事のメールや記事は元の記事のあったアドレスに返送されますが、多くの場合それはメーリングリストかニュースグループのアドレスです!個人的な返事をとてつもなく多くの人に送りつけ、みんなを当惑させてしまうかもしれません。最も良い方法は〔個人的な返事を書くときには〕「返事を書く(reply)」機能に頼らずに、宛先アドレスを自分でタイプすることです。 ◇配達証明、不着時の情報、休暇中自動応答プログラムは、完全に標準化しているものではなく、インターネットメールに接続されたシステム間を経由する上で完全に信頼できるものでもありません。これらはメーリングリストに送信する時には侵略的ですし、配達証明はプライバシーの侵害であると考えている人もいます。要するに、これらを使ってはいけないということです。 ◇個人宛のメッセージをメーリングリストやニュースグループに流してしまったことに気付いたら、相手とそのグループにおわびのメールを送りましょう。 ◇自分がある1人の人と意見が一致しないことに気付いた時には、メーリングリストやニュースグループにメッセージを送り続けるのではなく、個別に電子メールで返答しましょう。そのグループが何がしかの関心を持つかもしれない点を討論しているならば、あなたは彼らのためにあとで要約をしてあげても良いでしょう。 ◇フレーム戦争(感情的論争)に巻き込まれてはいけません。火のつきやすい記事は、投稿してもいけませんし、返答してもいけません。 ◇返答に対して、もはや必要のない返答でしかないメッセージや記事を送ることは避けましょう。 ◇等幅フォントや図は慎重に使いましょう。これらは他のシステムでは異なって表示されるでしょうし、同じシステムでもメーラによって表示が異なります。 ◇さまざまなニュースグループやメーリングリストが、さまざまな趣味や話題を議論するために用意されています。これらは、生活様式、宗教、文化の多様性を表わしています。あなたが反対意見を持つグループに対し「あなた方の考えには反対だ」という攻撃的なメッセージや記事を投稿することは受け入れられません。性的、人種的いやがらせのメッセージは法的な問題になるかもしれません。攻撃的な項目があるかどうかフィルタして探しだせるソフトウェアも利用できます。 ◇〔日本では、一般にサブジェクトに日本語文字を用いることは歓迎されていないことを覚えておきましょう。システム環境によっては、サブジェクトの日本語文字が正常に表示できない場合があります。初めての相手にメールを送る時や、グループに送る場合には注意しましょう。〕 3.1.2 メーリングリストのガイドライン インターネット上にどんなメーリングリストが存在していて、どう参加したら良いかを知る方法はいくつかあります。あなたの組織が、メーリングリストへの加入と投稿について、どんな方針を定めているかを確実に理解しておきましょう。一般に言えることですが、インターネットで情報を探し始めるよりも先に、まず自分の組織内の情報を調べてみることは常に良いことです。インターネット・メーリングリストと参加方法を一覧にしたファイル群がnews.answersに定期的に投稿されています。これは、各種の話題に関するメーリングリストを探すための貴重な資源です。推奨文献一覧の [9,13,15]も参照してください。 ◇参加申請(subscribe)、脱退申請(unsubscribe)のメッセージは適切なアドレスに送りましょう。いくつかのメーリングリストソフトウェアにはこれらをキャッチできるほど賢いものもありますが、すべてが探し出せるわけではありません。メーリングリストがどのように機能しているかを学び、正しいメールを正しい場所に送るのはあなたの責任です。非常に多くのメーリングリストで -requestをつけたアドレスで参加脱退申請を受け付けるように設定してはいるものの、全部がそうしているわけではありません。参加しようとするメーリングリストで使われている方式を必ず調べておきましょう。 ◇自分が参加するすべてのメーリングリストの参加申請メッセージを保存しておきましょう。通常、その中には脱退方法〔と連絡先アドレス〕も書いてあります。 ◇一般に、一度あなたが送ったメッセージを回収することは不可能です。あなたのシステム管理者でも、あなたが送っってしまったメッセージを取り戻すことはできません。これは、自分の書いたメッセージが本当に送信したいものなのかどうか、あなた自身で確認しておかなければならないことを意味します。 ◇多くのメールプログラムが持つ自動返信機能は内輪の通信には役立ちますが、メーリングリスト全体に送られた時には悩みの種になります。メーリングリストから届いたメッセージに返答する時には、「Reply-To」アドレスを調べましょう。ほとんどの自動返信機能ではメーリングリストの全参加者に送信します。 ◇URL (Uniform Resource Locator) やFTP可能なバージョンの入手先を示せば済む場合には、メーリングリストに大きいファイルを送ってはいけません。ファイルを複合ファイル〔分割ファイル〕として送りたい時には、そのグループの慣習に必ず従わなければいけません。どんな慣習になっているのか知らない時には、尋ねましょう。 ◇長期間にわたってメールをチェックできない時には、脱退するか、「nomail」オプションの設定をする(それが利用できるとき)ことを考慮しましょう。 ◇1つのメッセージを複数のメーリングリストに投稿する時、特にそのリストが互いに密接な関係のあるときには、クロスポストすることについて謝罪しておきましょう。 ◇質問をしたときには、必ずサマリ(summary; 概要)を投稿しましょう。その時は、受け取ったメッセージの束を送るのではなく、正しく要約して送りましょう。 ◇メーリングリストの中には私的なものもあります。これらの招かれていないメーリングリストにメールを送ってはいけません。私的なメーリングリストから届いたメールを、対象外の人々に広報してはいけません。 ◇あなたが論争につかまった場合は、書き手の人格ではなく、書いてある内容に議論を集中するように保ちましょう。 3.1.3 ネットニュースのガイドライン ネットニュースは、人々が特定の関心を持つ話題について交流することができる地球的規模の配信システムです。複数の分類(ヒエラルキー=階層;〔トップグループ〕)に分割されており、主要なものは以下の通りです:sci(科学関連した議論);comp(コンピュータ関連した議論);news(ネットニュース自体に集中した議論の場);rec(レクリェーション活動);soc(社会関係);talk(息の長い決して終わらない議論);biz(ビジネス関連した記事);alt(代替の階層)。 Altの命名は、ある altグループを作ることが、その階層の他の部分でグループを作るのと同じ手続きを踏んではいないことから名付けられています。そのほか、地域的な階層もあれば、Bionetのような広く配送される階層もあり、あなたの職場にも独自のグループがあるかもしれません。最近、humanities(人間性)階層が追加されましたが、今後もさらに追加されていくでしょう。ニュースについてのもっと長い議論については、推奨文献一覧の[2,8,22,23]を参照してください。 ◇ネットニュース用語の中で、「投稿(Posting)」は、1つの新しい記事を1つのグループに投稿すること、または他の誰かが投稿した記事に返答すること〔フォロー〕を意味します。「クロスポスト」とは、1つのメッセージを複数のグループに投稿することです。あなたがあるグループにクロスポストを紹介したり、記事のヘッダに「Followup-To:」を指定するときには、読者に警告しましょう!読者は、たいていの場合そのメッセージが特定の1グループに投稿され、フォローはそのグループ内に掲載されるものだと考えています。ヘッダ情報でこの動作を変更できます。 ◇返答を投稿する前に、進行中の議論のすべて(スレッド(糸)と呼びます)に目を通しましょう。前の投稿に賛成だということに限定された内容の「Me Too(私も)」メッセージを投稿することは避けましょう。フォローアップ記事は、引用された内容を発展させたものでなければいけません。 ◇ある質問への回答を1人の人だけに与える場合にはメールを送りましょう。ニュースは地球規模で配送され、個人的な返答には世界全体がたぶん全く関心を持っていないことを覚えておきましょう。しかし、何かそのニュースグループの参加者が共通の関心を持ちそうな記事の場合には、投稿するのをためらってはいけません。 ◇記事ヘッダの「Distribution(配送範囲)」部を点検しましょう。しかし、それに頼ってはいけません。News配送の複雑な方法のため、Distributionヘッダは、あてにならないものになっています。しかし、あなたが限定された読者が関心を持ちそうな記事を出す場合には、それらの人々にあなたの投稿の配送が限定されるように、配送範囲指定行を使いましょう。たとえば、ニュージャージー州の読者だけに関心のありそうな記事を出すには、Distributionに「nj」を指定します。 ◇もし、ある記事が複数のニュースグループの関心の範囲にあるものと感じたら、それぞれのニュースグループに個別に投稿する〔マルチポスト〕のではなく、必ずクロスポストにしましょう。一般に、これを正当化できるほど似通った関心を持つニュースグループの数は、おそらく5〜6グループにすぎません。 ◇質問を投稿する前に、文献資料(コンピュータマニュアル、新聞、ヘルプファイル)を使うことを検討しましょう。答が他の方法で簡単に手に入る質問をニュースグループに尋ねると、RTFM (read the fine manual;良いマニュアルを読め−通常はこれに人を罵倒する俗悪な言葉が付け加わりますが)という不機嫌な答えが返ってきます。 ◇広告行為を歓迎するニュースグループもありますが、一般には話題に関係ない商品を広告することは、犯罪以外のなにものでもないこととみなされます。広告をあらゆるニュースグループにそれぞれ送ることは、ほとんど確実にあなたのインターネットアクセス権をはく奪されることにつながります。 ◇もし自分の投稿に誤りを発見したなら、できるだけ早くその記事をキャンセルしましょう。 ◇自分の書いた記事以外の記事をキャンセルすることは絶対してはいけません。自分の記事をキャンセルする方法がわからなかったり、チェインレターのようにキャンセルする必要がある記事を見つけた場合は、あなたの組織の管理者に連絡をとりましょう。 ◇あなたが何かを投稿した後で、即座にそれを見ることができない場合でも、投稿に失敗したのだと思い込んだり、再投稿したりしてはいけません。 ◇いくつかのグループは、他の状況では疑問を感じる内容の投稿を許して(いくつかのグループでは歓迎して)います。それでもまだ、あなた以外のすべての読者があなたと同様に適切な投稿だと思ってくれる保証はありません。罪を犯すことを避けるためには、ローテートユーティリティ(記事の中の全部の文字をアルファベットの13文字分ずらしてくれます)を使いましょう。たとえば、UNIXの場合、Rot13というユーティリティがあります。 ◇映画または本について議論するグループでは、作品の内容を暴露する投稿に「スポイラー(Spoilers;おせっかい)」という目印をつけることが必須とされています。サブジェクトにSpoilersという語〔内容を暴露しているという注記〕をつけましょう。内容が目に触れないように、あなたの記事の始めに空白行を入れるとか、ローテート(転字)させるかしておいても構いません。〔読者の判断で先を読むかどうか選択でき、読みたい人だけが内容を読めるように工夫しましょう。〕 ◇ニュース記事を偽造することは、一般に非難される行為です。自分自身を偽造から守るためには、アメリカのPGPのような変造を検出する「指紋」を生成するソフトウェアを使うことができます。 ◇匿名のサーバを経由して投稿することは、あるニュースグループでは許容されることもありますが、その他大多数では嫌われています。個人名を明かして投稿するのが不適当な内容の記事は、匿名で投稿するときにも不適当なものです。 ◇モデレートされた(検閲を受ける)グループに投稿する時には、いくらか遅れて掲載されることを了承しておきましょう。議長(モデレータ)は、あなたの記事のサブジェクト(題名)を特定のスレッドにふさわしいように変更することもあります。 ◇フレーム戦争(感情的論戦)に巻き込まれてはいけません。火のつきやすい記事は、投稿することも、それに返答することもしてはいけません。 ◇〔日本語のニュースグループに投稿する記事は、JIS漢字コードで送信しましょう。〕 3.2 管理者のガイドライン 3.2.1 一般的問題 ◇ネットニュースへの参加、およびメーリングリストへの参加に関するあなたのサイトの方針をすべて明示しましょう。 ◇ニュスグループとメーリングリストへの投稿に関して、.sig(特定話題グループ)で否定される利用法も含めて、あなたのサイトの方針をすべて明示しましょう。 ◇アーカイブ方針を明示し、広報しましょう。(記事の保管期間の長さは?) ◇あなたの利用者に関する告発は、早急に、そして寛大な心で調査しましょう。 ◇あなたのシステムの健康状態を必ず監視しましょう。 ◇システムログの保存期間について考え、ログ記録に関する方針を広報しましょう。 3.2.2 メーリングリスト ◇メーリングリストは「跳ね返りメール」問題を避けるために最新に保ちましょう。 ◇問題が起きた時には、メーリングリスト責任者を手助けしましょう。 ◇メーリングリスト責任者にメンテナンス窓口やシステムダウンの予定を知らせましょう。 ◇メーリングリストの申し込みと管理のための「-request」エイリアスは、必ず持たせるように設定しましょう。 ◇すべてのメールゲートウェイが円滑に稼働していることを確認しましょう。 3.2.3 ネットニュース ◇あなたが購読しているニュースフィードの性質を広報しましょう。もし、あなたが全部のフィードを購読しているのでない時には、人々はなぜ購読していないのか知りたがるかもしれません。 ◇クライアントのニュースリーダーソフトが多様なため、クライアント側の問題なのにニュースサーバが非難されることがありえることに気をつけましょう。 ◇利用者から自分の記事のキャンセルや、チェインレターのような不正な記事のキャンセルを求められた時には、直ちに最優先で対応してあげましょう。 ◇「Usenet」、「Netnews」、「News」という名前をエイリアスしておき、これらに宛てたメールを誰かが確実に読むようにしておきましょう。 ----------------------------End of rfc1855j/Part1----------------------------