卒論への道
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実験・調査 |
文献 |
分析 |
文章化 |
その他 |
4月 |
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4年次卒論構想・
論文紹介 |
一般的な技術の習得
(EXCEL,SAS,INTERNET...) |
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縦コン |
5月 |
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↓
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6月 |
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↓
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7月 |
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↓
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8月 |
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(合宿) |
9月 |
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論文要約発表 |
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10月 |
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論文読み |
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11月 |
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↓
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12月 |
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↓
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1月 |
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↓
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2月 |
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↓
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合宿・就職活動開始(民間) |
3月 |
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テーマ概略決定 |
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要旨 |
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4月 |
予備実験 |
本格的収集 |
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問題意識 |
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5月 |
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サンプルデータによるテスト |
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6月 |
本調査 |
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方法 |
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7月 |
本調査 |
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就職活動開始(施設等) |
8月 |
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9月 |
実験開始 |
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本分析開始 |
結果 |
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10月 |
実験終了 |
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11月 |
追加実験 |
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考察 |
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12月 |
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問題意識再考 |
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研究方法について
A 研究の分類
[1] 内容からの分類 基礎研究,応用研究
[2] 方法からの分類 実験研究,調査研究,文献研究,事例研究,臨床研究
[3] 目的からの分類(三木安正)
1「による研究」 心理一般の原理,法則の追及
2「のための研究」 その研究対象となる被験者の福祉を直接追及するための研究
[4] 目的の設定からの分類
1 探索課題 仮説の設定のための研究
2 検証課題 仮説の検証のための研究
B 研究のプロセス
[1] 研究目標の設定
(1) 研究目標の設定
1 おおよその問題を決める
イ疑問,問題,困難なことを書きとめて置く
・日常生活の中で,本,雑誌を読む,講義を聞く
ロごく簡単な観察・調査・実験をする
2 問題の焦点をしぼる
イ研究の意味を考える
・教育・福祉に役立つか
・その領域の知見を豊かにできるか
ロ研究の目標を具体的・現実的なものにする
具体的なテーマ決定法
1.まず中心となる心理学変数を決定する
(非行とかうつとか障害とか)
2.その変数(A)に関する知見を知る
そのテーマに関する書物,学術雑誌を当たる。まずは日本語で書かれた紀要などがいい。紀要は査読が入らないためロジックや分析に飛躍があることがあるが,それがヒントを得る際には有利に働くことが多い。
これだけでは論文にならない。記憶について,とか,知的障害についてというようなのは論文のテーマではない。
3.二つ目の変数(B)を決定する。
A×Bで研究がほとんどなく,またその意味があることが示せれば,その対応関係を示すという論文でもよい。
Bは場合によっては経年変化(発達)ということもありえる。(例:{知的障害児の}性意識の発達的変化)
通常はそんな話はほとんどない。またこの場合問題意識が重要になる。
4.Bの心理的意味合いがはっきりしない場合は,AとBの関連性についてある種の仮説を設定できる第三の変数(C)を定める
障害者に対する態度(A)を学部別(B)に比較するという研究では有意差があっても説明に困る。
例えば学部の違いは元々の障害者に対する知識の差なのか,障害者に対する意識が異なるために異なる学部にいるのか,学力の差が問題なのか...
それらの考えられる要因を区別できる変数(C)があるとよい。例えば知識テストなど。
考察は,懺悔をするところでないので,きちんとした説明ができるほうが望ましい(単なる推測でないほうが当然良い)。
5.具体的にA,B(,C)を定める。
潜在変数と顕在変数の関連性を考慮して決定する。それで充分かどうかは先行研究を調べる。
一般には潜在変数(学力)と顕在変数(英語の得点)の違い顕在変数が複数あれば潜在変数を設定することができる。先行研究次第では一つの健在変数で潜在変数と見なせるものもある(知能検査得点など)
6.研究方法の決定
研究の方法からの分類で実験研究か調査研究かそれ以外か(文献研究,事例研究,臨床研究)を決定する。
[2] 研究計画の作成
(1) 研究方法の決定
(2) 研究対象の吟味
(3) 指標の選択,および数量的分析と質的分析
(4) 要因の分析と統制
(5) 予備研究
[3] 研究の実施
[4] 研究結果の整理
[5] 研究結果の解釈と結論
[6] 研究論文の作成
C 研究結果の表現
タイトル
1キーとなる変数が含まれていること
2変数間の関係が明瞭であること
3実験・調査に参加した被験者が明記されていること。
が望ましい。
例:中学特殊学級児童の歩行行動に影響を及ぼす空間推論能力に関する基礎研究。
変数は2つ。従属変数(非説明変数)と独立変数(説明変数)。従属変数は実験によって測定される変数である。例えばテストの結果とか,ある行動の頻度とか,距離とかである。独立変数は他の変数から影響を受けない(と見なす)変数である。性別,学年,兄弟数など。
相関研究では,原因と結果という因果関係は扱えない。従って,独立変数,従属変数という区分も意味がない。
目次
全体の構成を決める上で非常に重要。できる限り再区分しておいて,それらについてひとつずつ完結するように書き進めていく。目次を見るとだいたいその論文の出来がわかるといわれる。
本文
その他
単一の相関関係を扱った研究は意味がない。結果を一般化することが難しいからであり,また,なぜそうした関係が生じたかについて類推するほかないからである。
手続きに正確さを欠くもの。単一被験者あるいは.少数被験者を扱って定量的分析がないもの。記述的考察が中心となっているもの。
問題意識
1)直接研究テーマに関連する変数
2)間接的に研究テーマに関連する変数
3)それらの変数を選んだ理由
について書く。
目的
具体的に明らかにする仮説,目標等を書くこと。方法に直結するものでなくてはならないことに注意。
方法
データの収拾に使用した心理テスト,チェックリスト,自作の尺度,観察方法,実験機器等は関連資料をつけて詳しく記述。テストなら信頼性,妥当性,観測値の一致率など。特に重要なのはなぜその特定の尺度を選んだのかを明確に記述すること(有名な尺度,たとえばWISCなどについては説明は不必要)。自作の尺度等はその作成手続きやプリテストの統計情報を付け加える。
被験者
手続き
実験計画法に関する記述。被験者のグループ分け,実験変数の配置と提示方法など。
結果
統計情報について
記述統計部分と推測統計に分ける。前者は平均,標準偏差など。後者は仮説の検定など。だらだら書いてはいけない。自分の結果の中で確実に言えることをきちんとまとめること。
考察
結果と違うのは,内容が自分のこの論文内で言われていないことについて言及すること。
結論
目的,方法,考察を手短に書く。
※目的,方法,結果の3つはタイトに結びついていなくてはならない。
2008年12月12日(予定)4時卒論提出(現4年生)
2009年12月11日(予定)4時卒論提出(現3年生)
※ゼミの評価は,ゼミ時の発言内容, 購読の資料作成の出来具合により決める。
一応出席も考慮する。
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