ORG SAS実践課題.txt 1998/12/04 05:37:33

大学院設置に関するアンケートの分析


目的


福祉心理学科1〜3年生及び社会福祉学科卒業生に,ある程度共通した項目のあるアンケートを実施し,その結果を集約する。その概要を表1,表2に示す。
実際には,他学科で作成された在学生向けアンケートに合わせて,卒業生向けアンケートを作成したので,形式的には変なところがあり,変数名等も同一ではない。大体同じではある。

表1卒業生向けアンケート
┌──────────────────────────────────────┐
│Q1  あなたの性別,年齢,住居形態と現在の職種を教えてください。            │
│                                                                            │
│(Q1_1) あなたの性別… 1男   2女                                           │
│(Q1_2) あなたの年齢…          歳                                           │
│(Q1_3) あなたの住居形態…1親と同居 2ひとり暮らし、下宿 3その他           │
│                         4配偶者と二人暮し 5配偶者及び子どもと同居        │
│                                                                            │
│(Q1_4)あなたの現在の職種                                                    │
│      1大学院在学中      2公務員関係           3社会福祉協議会           │
│      4福祉施設関係      5シルバーサービス関係 6病院関係(福祉)         │
│      7病院関係(心理)  8民間企業             9教員                     │
│    10無職            11その他                                          │
│                                                                            │
│                                                                            │
│Q2 あなたは、大学院に進学するものと仮定すると,大学院に進学するのはどの  │
│      ような動機からですか。あてはまるもの3つまで回答して下さい。          │
│(Q2_1〜Q2_12)                                                               │
│                                                                            │
│    1より高度な理論を学びたい  2より高度な福祉現場の実践技術を学びたい    │
│    3より高度な社会調査技術を学びたい 4より高度な心理学的技術を学びたい   │
│    5将来、大学などの教育研究職に就きたい  6福祉施設の管理職になりたい    │
│    7国際的な福祉学や心理学を学びたい      8大学院卒の学歴がほしい        │
│    9就職するには早い                    10勉強が好きである              │
│  11その他                              12全く大学院進学を希望しない    │
│                                                                            │
│Q3 あなたは、どのような条件があれば大学院に進学したいですか。あてはまる  │
│      ものすべてを選んで下さい。                                            │
│(Q3_1〜Q3_10)                                                               │
│                                                                            │
│    1 希望すれば全員に奨学金が与えられる(月10万程度)                  │
│    2 授業料が安い                  3 面接や小論文が重視される試験      │
│    4 教育設備が充実している        5 講義科目が充実している            │
│    6 教授陣が充実している          7 心理・福祉関係職に就職できる      │
│    8 大学院には行くつもりがない    9 その他→( )内に記述            │
│    10 現在の仕事を続けられるなら                                        │
│                                                                            │
│Q4  あなたがもし、本学大学院へ進学するなら、どのような分野の講義形式(ま  │
│たは実習)に重点が置かれていれば良いと思いますか。あてはまるものすべてを選  │
│んでください。                                                              │
│(Q4_1〜Q4_9)                                                                │
│                                                                            │
│    1 学習・認知心理学    2 臨床心理学    3 障害児者心理学            │
│    4 社会心理学          5 産業心理学    6 人格心理学                │
│    7 健康心理学          8 発達心理学    9 その他                   │
└──────────────────────────────────────┘
  
  
  表2在学生向けアンケートの一部
┌──────────────────────────────────────┐
│                                      │
│(Q1〜Q2及び,Q5以下略)                       │
│                                                                            │
│Q3 あなたは、大学院に進学するものと仮定すると,大学院に進学するのはどのよ│
│   うな動機からですか。あてはまるもの3つまで回答して下さい。            │
│(Q3_1〜Q3_3)                                                                │
│                                                                            │
│    1より高度な理論を学びたい    2より高度な福祉現場の実践技術を学びたい  │
│    3より高度な社会調査技術を学びたい  4より高度な心理学的技術を学びたい  │
│    5将来、大学などの教育研究職に就きたい    6福祉施設の管理職になりたい  │
│    7国際的な福祉学や心理学を学びたい        8大学院卒の学歴がほしい      │
│    9就職するには早い    10 勉強が好きである                            │
│    11その他→(回答用紙の記述回答へ)                                    │
│    12全く大学院進学を希望しない(ので答えられない)                      │
│                                                                            │
│Q4 あなたは、どのような条件があれば大学院に進学したいですか。あてはまる  │
│   ものすべてを選んで下さい。                                            │
│(Q4_1〜Q4_8)                                                                │
│                                                                            │
│    1 希望すれば全員に奨学金が与えられる(月10万程度)                  │
│    2 授業料が安い                      3 面接や小論文が重視される試験  │
│    4 教育設備が充実している            5 講義科目が充実している        │
│    6 教授陣が充実している              7 福祉・心理関係職に就職できる  │
│    8 その他→(回答用紙の記述回答へ)                                    │
└──────────────────────────────────────┘
                                                                                
                                                                                

方法

データセットは5群に分かれている。5名がバラバラに入力したためである。

  原データセットの構成
┌─────────────────────────┐
│                          ┌ A(松浦 inm.dat)    │
│          ┌卒業生データ─┼ B(宮武 inh.dat)    │
│          │              ├ C(岡田 inoh.dat)   │
│          │              └ D(岸谷 inr.dat)    │
│          │                                      │
│          └在学生データ── E(ank.dat)         │
└─────────────────────────┘
最初に在学生データが入力され(ank.dat),そのデータを読み出すSASプログラムは すでに書かれていた(ank.sas)のでこれを利用する。

卒業生データの4つ(A〜D)は変数名については話し合って共通にしてある。 しかしながら,以下の原則は必ずしも守られなかった(そのためにプログラムで対応をする必要が生じた)。
変数は項目名をなるべく生かした名をつけたので,たとえばQ1の1番目の問いは性別であるが,その変数名はQ1_1としてある。
また,原則として1つの問いには変数が1つであるが,複数回答可(3つまで選択,あるいは該当するものを全て選択)の項目については,後の分析を容易にするために選択肢分の変数を用意し,選択されていれば1,そうでなければ「.」(ピリオド)を入力する。

 課題


課題1 卒業生データの合成
 4名に分けて入力したので形式が異なるので調整をし,1データセット(データセット名 dataall)にする。
 A(松浦 inm.dat)の一部
───────────────────────────────────────
021 2 26 2  7 . . . 1 . . 1 . . 1 . . . 1 . 1 1 1 1 . . 1 1 1 1 1 . . . 1 . HM
022 2 25 1 11 1 . . 1 . . . . . 1 . . 1 1 . . 1 . 1 . . 1 . 1 . . . 1 . 1 . HM
023 2 24 1 10 . . . 1 1 . . . . . . . 1 1 1 . . . 1 . . . . 1 1 1 . 1 . 1 1 HM
024 2 26 4 11 1 1 . 1 . . . . . . . . . . . . . . . 1 . . . 1 1 1 1 1 . . 1 HM
───────────────────────────────────────

 B(宮武 inh.dat)の一部
─────────────────────────────
061 2 24 1 . . . . . 1 . . . . . 1 . . 1 . . 1 . . . . . 
    . 1 . 1 1 1 . . . . . 1 1 . . . . 1 .
062 2 28 4 . . . . . . . . . . 1 . . . 1 1 . . . . . . .
    . 1 . 1 1 1 1 . . . . . . 1 . . . . .
063 2 24 1 . . . . . . . . . . 1 1 . . 1 . . . . . . 1 . 
    1 . 1 1 1 1 1 . . . . 1 . . . . . . .
064 2 30 5 . . . . . . . . 1 . . 1 . . 1 . . . . . . . . 
    . 1 . . . . 1 . 1 . . 1 1 . . . . 1 .
─────────────────────────────

 C(岡田 inoh.dat)の一部
─────────────────────────────
041 1 27 4 9 . 1 . . . . 1 . . . . .
    . 1 . . . . . . . 1 . . 1 . . . . 1 .
042 1 23 2 10 1 . . . . . 1 . . 1 . .
    1 . . 1 1 1 1 . . . 1 1 . . 1 1 . . .
043 2 30 2 2 . . . 1 . . . . . . . .
    1 1 . . . . 1 . . 1 . . 1 1 . 1 1 . .
044 2 26 2 9 . . . 1 . . . . . . . .
    . 1 . . 1 . . . . 1 . 1 . . . . . . .
─────────────────────────────

 D(岸谷 inr.dat) の一部
─────────────────────────────
001 2 28 1 11 . 0 . 0 . . . . . . 0 .
. . . . . . . 0 . .
. 0 0 0 0 0 . 0 .
002 1 27 1  8 . 0 0 . . 0 . . . . . .
. . . 0 0 0 . . . .
0 . 0 0 . 0 . 0 .
003 2 30 5 10 0 . . 0 . . . . . . . .
. . . . . . . 0 . .
. . . . . . 0 . .
004 1 30 2  2 . . 0 0 . . . 0 . . . .
. 0 0 . . . . . . 0
0 . . 0 . . . . .
─────────────────────────────
ここでは,A(松浦 inm.dat)の形式に統一する。A(松浦 inm.dat)は元のQ1_1〜のデータのほかにIDとwという変数を作成してある。IDは質問紙につけた通し番号,Wは入力者を示す変数である。IDについてはすでにA〜Dの全てで入力されている。WはAだけが入力してある。

1) B(宮武 inh.dat)の調整
・Q1_4の形式がQ2以下と同様だったので,1変数にまとめる。すなわち,
1つ選択であるから,他のA,C,Dでは1つの変数Q1_4としているが,Bでは[あれば1],[なければ欠損]の11個のデータになっているのでこれを1個の変数にまとめる。
・データが1名2行になっているので,これも注意する。
・wの値を'MH'とする。

2) C(岡田 inoh.dat)の調整
・q2_1-q2_12 q3_1-q3_10 q4_1-q4_9の各変数における欠損値が0だったので,「.」に変更 する。
・wの値を'OH'とする。

3) D(岸谷 inr.dat)の調整
・q2_1-q2_12 q3_1-q3_10 q4_1-q4_9の各変数における(非該当が「.」で)該当項目が0だったので,0を1に変更する。
・wの値を'RK'とする。

4)以上の調整を行って卒業生向けデータをする


課題2 在学生向けのデータの取り込みと再調整
在学生向けのデータ入力はすでに行われていたが,その形態がだいぶ異なっていた。

ank.datの一部
  ───────────────────  
  0651020899999912679999332188888888888   
  0664020812999912679999332188888888888   
  0673020707040824679999332188888888888   
  0684029904090812567999332188888888888   
  0694080402040724799999332188888888888   
  0702020404070159999999332288888888888   
  0711020402030912345679332388888888888   
  0724070809080579999999332188888888888   
  0732080212050979999999331188888888888   
  0744080212999989999999332188888888888   
  0754070212999919999999332188888888888   
          :                      
  ───────────────────  
となっている。これを読み出す変数は

ank.sasの一部
  ─────────────────────  
  input no 1-3 q1 4 q2a 5-6 q2b 7-8           
        q3a 9-10 q3b 11-12 q3c 13-14          
        q4a 15 q4b 16 q4c 17 q4d 18           
        q4e 19 q4f 20 q4g 21 q4h 22           
        course 23 grade 24 sex 25 house 26    
        q6 27 q7 28 q8a 29 q8b 30 q8c 31      
        q9a 32-33 q9b 34-35 q10 36 q11 37;    
  ─────────────────────  
のようになっている。卒業生データに合わせるために,変数名の変更等をおこなわなければならない。在学生データで使われている変数名を旧変数,卒業生データのほうを新変数ということにする。

      変数名の対応
────────────────────────────────────
     旧変数         新変数
     no             id
     sex            q1_1
     house          q1_3
     q3a,q3b,q3c    q2_1-q2_12
     q4a...q4h      q3_1-q3_9  (q4hはq3_9に対応し,q3_8は聞いていない)
────────────────────────────────────
データ変更上の注意点
・旧変数では欠損値は9または99である
・旧q3変数群(q3a,q3b,q3c)は3つ選択する問いなのであるが,そのまま数値データとして入力されている。新q2変数群(q2_1-q2_12)は12問の1(ある)「.」(なし)データである。
・旧q4変数群(q4a...q4h)は該当は全て選択する問いであるが,これもそのまま数値データとして入力されている。これも旧q3変数群と同様の変換をする必要がある。
以下の具体的課題の順に解決していく。


1) 不要な変数を落とす。
在学生データは 属性として性別と住居形態のみ残し,その他は問3,問い4のみ 残す。
q6以降は計画学科のみのアンケートなので不要。q1,q2も今回はいらない。

2) 変数名が異なるので修正する。
変数名の変更は
  ┌─────────────────┐
 │ RENAME 旧変数名=新変数名....    │
  └─────────────────┘
とする。ただしこの命令はデータセットとして出力する時に変更されると考える。従って,そのデータステップ中でのデータの操作は旧変数名で行う。
勘違いしないためにはこの命令はデータステップの最後に置いておくことを勧める。

3) 変数名を変更した後のidが衝突する可能性があるので,在学生のidは1000を加える。

4) 旧q3変数群(q3a,q3b,q3c)の問いは3つ選択の形式である。これがそのまま選択した数字が書かれているので,12個の[あれば1],[なければ欠損]のデータに変更。

5) 4)の修正後 12(大学院に行かない)を選んだ学生は,他の項目は選択しなかったことにする 。

6) 旧q4a..q4hでは欠損値が9になっているので,「.」に変更。旧sexとhouseも同様。

7) 旧q4群の8は新q3群の9にあたることに注意

8) 旧q4群では,番号がそのまま記述されているので,[あれば1],[なければ欠損]のデータに変更する。


課題3 データの分析
1)卒業生データと在学生データを合成して,ラベルとフォーマットをつける。
ラベルは
      Q1_1='性別' Q1_2='年齢' Q1_3='住居形態' Q1_4='職種'
      Q2_1='理論の習得'
      Q2_2='福祉現場実践技術習得'
      Q2_3='社会調査技術の習得'
      Q2_4='心理学的技術の習得'
      Q2_5='大学教育研究職志望'
      Q2_6='福祉施設の管理職志望'
      Q2_7='国際的心理・福祉習得'
      Q2_8='大学院卒の学歴取得'
      Q2_9='就職はまだ早い'
      Q2_10='勉強が好き'
      Q2_11='その他'
      Q2_12='進学希望せず'
      Q3_1='奨学金制度'
      Q3_2='授業料の安さ'
      Q3_3='面接小論文重視試験'
      Q3_4='充実した教育設備'
      Q3_5='充実した講義課目'
      Q3_6='充実した教授陣'
      Q3_7='心理福祉関係職就職'
      Q3_8='進学希望せず'
      Q3_9='その他'
      Q3_10='現在の仕事の継続'
      Q4_1='学習・認知心理学'
      Q4_2='臨床心理学'
      Q4_3='障害児者心理学'
      Q4_4='社会心理学'
      Q4_5='産業心理学'
      Q4_6='人格心理学'
      Q4_7='健康心理学'
      Q4_8='発達心理学'
      Q4_9='その他'

フォーマットは
   VALUE sexf 1='男' 2='女' .='未記入';
   VALUE ieF 1='親と同居' 2='ひとり暮らし・下宿' 3 ='その他'
      4 ='配偶者と二人暮らし' 5='配偶者及び子供と同居';
   VALUE shokuf 1='大学院' 2='公務員関係' 3='社会福祉協議会'
      4='福祉施設関係' 5='シルバーサービス関係' 6='病院(福祉)'
      7='病院(心理)' 8='民間企業' 9='教員' 10='無職' 11='その他'
      .='未記入';
である。

2) 単純なデータ入力ミスがないかどうか確かめる。
全ての分析変数(数値変数)の個数,最大,最小,平均を出力させる。また全ての分類変数(文字変数)の単純集計をとる。

3) 被験者の性別×職業別人数のクロス表を出力する。

4) 卒業生についてQ2動機について×性,Q3条件について×性,Q4講義について×性のクロス表を出力する。

5) 卒業生についてQ2動機について×居住形態,Q3条件について×居住形態,Q4講義について×居住形態のクロス表を出力する。

6) 卒業生についてQ2動機について×職種,Q3条件について×職種,Q4講義について×職種のクロス表を出力する。

7) Q2動機とQ3条件について,卒業生と在学生とを比較できるような表を作成する。

8)上記4)〜6)について以下のような形態で表を作成しなさい。エクセル等にデータを引き渡すためには,罫線がじゃまであるから,それを削除したものも作成しなさい。以上はできればSASマクロで作成すると大変よろしい。
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|住居形態×性         |    女    |    男    |  未記入  |   ALL    |
|---------------------+----------+----------+----------+----------|
|ひとり暮らし・下宿   |        51|        14|         0|        65|
|---------------------+----------+----------+----------+----------|
|親と同居             |        37|         6|         0|        43|
|---------------------+----------+----------+----------+----------|
|配偶者及び子供と同居 |        26|         5|         1|        32|
|---------------------+----------+----------+----------+----------|
|配偶者と二人暮らし   |        20|         6|         0|        26|
|---------------------+----------+----------+----------+----------|
|その他               |         5|         1|         0|         6|
|---------------------+----------+----------+----------+----------|
|ALL                  |       139|        32|         1|       172|
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