Word Tips

はじめに

 もともとこのページは,卒論に見出しを簡単につける方法を解説するものでしたが,ついでだからワードを使って論文を書く場合に知っておくと便利な方法ということ全般にわたって書くことにします。

 卒業論文(修士論文,博士論文も)では,目次と本文で別々にページを振り,各自1ページから振ります。目次のページは通常T,U,V(@,A,B)のようにローマ数字で,本文は通常の数字で振ることが多いようです。内容の変更に伴って目次も変更しなくてはならないので,目次作成は論文の最後に行われますが,ぎりぎりになって作成されることが多く,なかなかしんどい作業です。
 この作業を楽にする仕掛けがMicrosoft Wordにありますので,それを利用して目次を作る手順を以下に示します。なお上記の仕様はそのままでは満たせません。目次を最後のページに作成して,製本するときに最後のページを先頭にもってくればいいのですが,どうも美しくありません。かといって先頭ページに目次を作成すると,目次自身からの通しページになってしまいます。一般に流通する書籍ではこの両方のスタイルがあるようですが,論文はやはり1ページからはじめるべきでしょう。
 一応Word2003を前提としていますが,おおむねWord2000でも大丈夫だと思います。

予備知識

ワードは書式等に関して4通りの大きな区分があると考えられます。

この点を意識するとだいぶワードの振る舞いが理解できるようになります(元々ワードには多数のバグなのか不適切な仕様なのか理解できない振る舞いが多々あります(汗)けれど)。
特に指定しなければ,それ前の設定が引き継がれます。
1),4)は省略。2)は普通の感覚では「改行」がこの「段落」にあたります。改行されると段落が変わります。別の文書をつぎはぎすると,書式が不統一のままになったり,うまく受け継がれなかったりするのはこのせいです。
文書を書いていて必ず同じ書式で続けたい場合は改行でなく[shift]+[enter]で文書を区切ります。
段落の最初には一字あけるとか,段落の終わりにどのくらいのスペースをつけるとか,1つの段落内で2行目以降はへこますとか逆に出すとかという「段落」に関する設定はこのレベル(「書式」〜「段落」)で行います。そうすれば以後ずっとその段落に関する設定が続いていきます。 弄りすぎて変になった場合は,そうしたい範囲を指定してから,書式設定ツールバーのスタイル内に書式のクリアを選ぶと標準に戻ります。
もっと大幅な変更をする場合(段組をするとか)はセクションをわけなくてはなりません。それには「挿入」〜「改ページ」〜「セッション区切り」とします。
紙の文書ならページの区切りは結構大きな意味をもちますが,ワードではたいした意味をもちません。あくまで段落とセクションが主体です。それらをページの区切りに合わせるように設定することはできますし,そのほうが混乱しないと思います。

事前に設定しておくことが望ましいもの

目次作成法

概略

 本文をセクションを利用して2つに分け,別々にページをふる。前半のセクションに目次を置き,後半のセクションに本文を置く。必要ならその前後にもセクションをおくこともできる(表紙など)。
 本文を書く時に目次にしたい行に「見出し」スタイルをつけておく。すでにある程度書き終えている場合は後でつけてもよい。内容により「見出し1」「見出し2」「見出し3」等使い分ける。章は「見出し1」,節は「見出し2」,項は「見出し3」,それ以下も内容,量を見て適宜使い分ける。
これら各見出しに対して目次をつけることになる。

具体的手順



その他目次に関して

図表の参照

「見出し」同様に図や表についても,ワードの管理に任せれば番号管理が楽になります。

相互参照(クロスリファレンス)

「見出し」による目次を作成したり,図表に通し番号を付けたりするだけでなく,それらを本文中に書きたいことがあります。「....被験者の詳細は表3−1参照...」というようにです。この場合自分で書き込んでは,図表に追加削除があった場合本文を書き換える必要がでてきますので,この機能を使って自動的に書き換えるようにします。
手順は以下の通り

なお,[Ctrl]を押しながら参照文にマウスポインタを合わせてクリックすると,参照先の図にジャンプします

アウトライン機能

書式表示

現在書きかけ中

お節介機能の停止

 [ツール(T)]-[オプション(O)]-にあるもの スマートタグ [保存]-□スマートタグを埋め込む(G) 描画キャンバス  [全般]-□オートシェイプの挿入時,自動的に新しい描画キャンバスを作成する(C)

事後でも使えるもの

ドラッグ&ドロップに関する注意

ワードの(新規)文書が開いている状態で,新たに文書を作る,あるいは挿入するつもりで,エクスプローラやマイコンピュータで表示されているファイル名をドラッグ&ドロップ(D&D)すると予想外のことが生じる可能性があります。
アイコンをずるずるとマウスで引っ張っていってアプリケーション(やそのアイコン)に落とすD&Dは便利ですが,あれ?と思うことが起きます。
開いているワード文書の紙の部分にD&Dするとオブジェクトとして張り付きます。図や写真なら普通に感じるのですが,テキストファイルやワードの文書の場合に予想外のことが生じます。
テキストファイルなら何らかの(大学なら秀丸の)アイコンが張り付きます。
ワード文書の場合はこれがやっかいなのですが一見普通に張り付きますが,あくまでオブジェクトなので通常の操作ができないことがあります。
それだけでなく,この方法で複数文書をつないでいくといつか暴走します。過去にループ文書・サブ文書という機能を使うつもりで,大きな論文を章ごとに書いたことがありますが,なぜか体裁がうまく整わず,力ずくで第一章のファイルにこの方法でファイルの最後に最後に第二章以下を順に貼り付けていくとあるところでうんともすんとも言わなくなり,時間がないときだったので非常に焦りました。
D&Dで新たに文書を開く場合はドロップする先をメニューやアイコン等本文以外の場所にするようにしましょう。これなら普通に別の文書として開かれます。

おまけ

マイコンピュータ(エクスプローラ)間でのD&Dは,同じドライブのフォルダ同士であるか否かで結果が異なります。
同じドライブのフォルダ同士の場合は移動します(もとのフォルダからは消えます)。この場合それではまずいのならすぐに「編集」〜「元に戻す」を選んでやり直します。
別のドライブの場合はコピーになります。
ネットワークドライブにしておくと,実質的には同じドライブであってもコピーになります。
正確なことは忘れましたが,以前は実行ファイルの場合は実体でなく,ショートカットがコピーされる場合もありました。
コピー等のファイル操作をする場合は右ドラッグですることをお勧めしておきます。コピー(移動)先で,どうしたいのか聞いてくれますので,そこで選択すれば安全です。

図の設定

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