1. GIMPとは --- GIMPの概要を学ぶ

LMS(Learning Management System)であるPowerCampusの教材ウェブ作成機能で作成したものを、一般のウェブ資料としてエクスポートしたものです。 オリジナル版の著作者:(活水女子大学文学部教授 川場 隆さん) ただし、部分的に加筆変更あり。

  1. 1. GIMPとは

    (1) 簡単な紹介と入手方法

    GIMPはFree Software Foundationが著作権(GNU)をもつソフトウェアで、その名前は、GNU Image Manipulation Program に由来する。(GIMP is free software; you can redistribute it and/or modify it under the terms of the GNU General Public License as published by the Free Software Foundation; either version 2 of the License, or (at your option) any later version.)
    1995年にカリフォルニア大学バークレイ校の二人の学生が開発を開始し、その後オープンソース化して改良が継続され、1998年に正式版1.0.0がリリースされた. GIMPはもともとUNIX用のソフトウェアであったが、 X Window System向けにも制作され、多くのデスクトップ向けUNIX互換OS上では、デフォルトで同梱されている。 現在はWindows XP/Vista版やMac OS X版(要X11.app)も製作されている.
    歴史的な説明は
    ここを参照. 安定版は、Version 2.6.4 (2009年1月2日現在)が最新である.
    特徴:『レイヤー、トーンカーブ、ヒストグラム、画像の形状からの切抜き、ブラシエディタ、パスの編集、多種多様なプラグインなどが使える。 また、モザイク編集や、アニメーション合成を行うなどといったフィルタ機能も数多く備えており、 これひとつで、コンピュータ上のほとんどの画像編集は行えてしまう。 フリーソフトでありながら有料のグラフィック編集ソフトウェアと比べても遜色のないレベルである。 ただしCMYKカラーをネイティブサポートしていない(プラグインによる機能追加はできる)など、 本格的な印刷業務には向いていないという面もある。』 引用文の出典:
    フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia) )

    (2) 参考サイト

    1. Gimp wikiのサイト 日本語で最新情報を知るwiki.ダウンロードはここから行うとよい。
    2. GIMP2を使おう (http://www.geocities.jp/gimproject/gimp2.0.html)
      GIMP 2の紹介.インストールマニュアルも掲示されているので、ダウンロードはここから行うとよい。 機能を強化する多くのプラグイン(http://registry.gimp.org/)も掲載されている。
    3. GIMP(英語) http://www.gimp.org/ GIMPの公式ページ。最新情報や動向を知る上で必須のサイトである。
    4. User Group(英語)
      作例やチュートリアルが充実している。中・上級のテクニックを学習したい場合には最適のサイト。 現在のところ日本語ではこのようなサイトはない。やさしい英語なので、次のステップを目指す人は是非トライして欲しい。特にチュートリアルはお勧め。

    (3) 操作説明書

    1. 「ビギナーのための GIMP2」(工学社)2008年09月13日 税込1,995円
      GIMPを活用して写真を編集加工するためのテクニックを中心に、イラストやロゴ制作など、広範に渡る機能を紹介。
    2. 「GIMP Book」 (毎日コミュニケーションズ ) 2005年10月03日
      リファレンスとして使える書籍。GIMP 2.2.8に対応しており、図が豊富で分かりやすく初心者に最適である。
    3. GIMPユーザーズマニュアル」(日本語) http://www.geocities.jp/gimpfile/gum_jp/index.html(更新:2006年10月12日)
      最新バージョンには対応していないが、リファレンスとして使える詳細な日本語マニュアル.


  1. 2. 画面構成 (GIMP 2.2)

GIMPを起動すると、以下のようなマルチウィンドウの画面が表示される.
実際に画像を作成・編集するウィンドウ (画像ウィンドウ) は起動直後の状態では表示されない.

画像を編集中の画面は以下のようになる. 画像編集ウィンドウの上部には、操作メニューがある.

2. ファイル操作と簡単な編集 --- 新規にデータを作成し保存してみる

  1. 1. 新規ファイルの作成

    (1) 新規ファイルの表示

    メニューで[ファイル]⇒[新規]と選択し、[OK]をクリックすると新規の画像ウィンドウが表示される.

     このとき、新規ウィンドウの背景色は、ツールウィンドウに表示されている「前景・背景色」 の背景色が充てられる.

     背景色を透明にしたい場合は、[高度なオプション]の+マークをクリックすると指定できる.
     高度なオプションでは、ダイアログが広がって、複数のオプションを指定できる.[塗りつぶす色]をクリックすると、透明や白を選択することが出来る.なお、解像度は通常は変更する必要はない.

    (2) ペイント系ツール

     ツールボックスからペイント系ツールをクリックして、画像ウィンドウに描いてみよう.各ツールをクリックすると、下段のオプションウィンドウに設定項目が表示される. 項目の値をいろいろ変更して描いてみると、各ツールの使い方を知ることができる.

    [練習1]色とブラシを選んで絵筆で文字を描く

     ツールオプションを選択することにより、様々な線、パターン、グラデーションを描き分けることができる. なお、オプションを変更した場合、ツールオプションダイアログの下段にあるリセットボタン をクリックしておくと、設定値を規定値に戻すことできる.

    補足1:描画色の選択

    「前景・背景色」 の前景色部分をマウスでダブルクリックすることにより、描画色変更ダイアログを開く(背景色部分をダブルクリックすると、背景色の変更となる). 下図に示すように、マウスを使ってまず色合いのレベルを選択し、次に十字線の交点を動かしながら色を選択する. 色が決まったら[OK]をクリックする.

    補足2:ブラシ、パターン、グラデーションの選択

     画面右側に表示される専用ダイアログからそれぞれ選択すると簡単である.

    [練習2]グラデーションを指定してブレンドツールで塗る

     ブレンドツールはグラデーションで塗るツールです.グラデーションのタイプを選択したら、グラデーションの方向と長さをマウスドラッグで指示してから指を離します. 以下に長さや向きでどのようにグラデーションが違ってくるか例を示します.

    資料:各ツールオプションの一覧

    (3) 文字ツール ( )

     画像の上に文字を書くと、文字は画像とは別のレイヤーに書かれる.レイヤーは画像に重ねるフィルムのようなものと考えることができる.文字の書かれるレイヤーを文字レイヤーという.

    【テキストの入力手順】

    【テキストの移動】

    レイヤーパネルで文字レイヤーを選択すると、移動ツール( )を使ってテキストの位置を移動することができる.ツールウィンドウで移動ツールをクリックし、 文字の真上(実際に字が書かれている部分)にポインタを置き、ドラッグする.
     字の真上でなければ、マウスポインタは指の形( )となり、このときドラッグするとレイヤー自体が動いてしまうので注意しなければならない.

    【テキストの再編集】

  1. 2. 新規ファイルを保存する

    (1) ファイル保存手順

     1/3 作成したファイルを保存するには、メニューで ...
       [ファイル(F)]→[別名で保存(A)]と選択
     2/3 保存ダイアログが表示されるので、...
       [他のフォルダの参照]と[ファイルタイプの選択]の+マークを両方ともクリックする

     3/3 保存ダイアログが拡張表示される。ここでは、以下の順番で操作するとよい。

    (2) ファイル形式の意味と選択
    xcf 形式
    GIMP独自の形式。画像データ以外にもレイヤーやチャネルの状態など、さまざまな情報がすべて保存される。作成した画像はこの形式で保存する。
    jpg 形式 (JPEG形式、Joint Photographic Experts Group)
    作成した画像をWebで表示したり、印刷したりしたいときにXCF形式の画像をこの形式で保存し直して、別ファイルを作成する。写真の保存に使う。
    ・24ビットフルカラー(16,777,216色)を扱うことができる
    ・圧縮率を指定できる
    gif 形式 (Graphic Interchange Format)
    作成した画像をWebで表示したり、印刷したりしたいときにXCF形式の画像をこの形式で保存し直して、別ファイルを作成する。写真以外の画像の保存に使う。
    ・256色までのカラーを扱える
    ・任意の色を透過色(透明)に指定できる
    ・インターレスを指定できる
    ・データサイズが小さい
    png 形式 (Portable Network Graphics)
    作成した画像をWebで表示したり、印刷したりしたいときにXCF形式の画像をこの形式で保存し直して、別ファイルを作成する。あらゆる種類の画像の保存に使えるが、データサイズがやや大きくなる傾向がある。
    ・GIFの特許問題からGIFに変わるものとして開発された
    ・GIFとJPEG両方の利点を持つが、普及は今ひとつ.