2003[syllabus][prev][next]

Excelの入力と計算の基本

3. セル参照と数式の入力

Excelを使って表の計算するとき、セル(Cell)を参照して数式を入力しておくと、その数式を他のCellに複写(copy)して再利用できることは便利であり,効率よく仕事をするためにはぜひ「セル参照と数式の入力」を理解しておく必要がある。 ところが,最初に入力した数式の計算結果は正しいのに,数式をcopyした先のCellでエラー(error)や変な結果が出ることがときどき起こる,こんな経験をしたことがある人は多いであろう。
Excelでは,Cellは"相対参照"される。相対参照とは,数式をcopyすると数式のあるCell(copy元)とcopy先のCellの位置関係 を基準にして,数式の参照Cell番地が相対的にずれる(shift)という仕組みである。数式によっては参照しているCell番地がずれると正しい結果 を得られなくなったり,参照先が「空白」等でerrorが出るという訳である。ここでは,参照するCellを固定してセル参照する(これを"絶対参照"という)skillを身につけよう。

次の表は,インターネット(Internet)とPC(Personal Computer),およびInternetへのBroadband(広周波数帯域、ブロードバンド)接続の人口普及率の国際比較である。 InternetについてはITUと総務省のデータ(data)を収録している。総務省のデータには日本を含め一部の国のデータには携帯電話によるInternet接続も含まれている。

world Internet
参照:
1)ITU"Internet indicators: Hosts, Users and Number of PCs"
  http://www.itu.int/ITU-D/ict/statistics/at_glance/ の「2002年版」より作成
2)総務省「情報通信白書 平成15年度版」より,図表Eインターネット人口普及率50%以上の国
  図表Lブロードバンド契約数の国際比較(上位15か国・地域),図表Nブロードバンド世帯普及率の国際比較
3)ITU 「Strategic Planning Workshop on Promoting Broadband Background Paper」、
4)「Year book of Statistics Telecommunication Services 1992〜2001」 により作成
5)総務省「平成14年通信利用動向調査」,NUA社調べ(2002年度末の同社HP上での数値)等により作成
練習1:
上の表で,Internetの人口普及率(B列)の順位を表示してみよう。RANK関数を使えば,指定したCell範囲の中での順位を求めることができる。この場合,順位を求める対象となる全体のCell範囲が固定していないと,数式をcopyしたときに正しい結果が求められない。 参照するCell範囲を固定するには,列番号と行番号の前に「$」記号をつける。
  1. 順位を求める列をI列とし,「順位」と「インターネット」という項目名を入力
  2. 韓国の順位を求めるために,Cell「I4」を選択し,「関数wizard」利用して"RANK"関数を選ぶ。下の図のように引数を指定
  3. 範囲の引数で"$B$4"とするには,"B4"にmouseをpointして,Function key "F4" を使う。
    メモ: Cell参照でFunction key "F4"を押すと,Cell参照が"$B$4"⇒"$B4"⇒"B$4"⇒"B4"のように変わる。

  4. celld1
  5. Cell「I4」に韓国の順位が求まったら,このCellの数式をCell範囲「I5:I27」にcopyし,ロシア(Russia)や中国までの順位を求める
  6. 同様に,PCの人口普及率と人口の順位を,それぞれJ列とK列に求めてみよう。

参照するCell,またはCell範囲を固定する

練習2:
相対参照と絶対参照を使い分ける。I列の数式をJ列にcopyしてPCの人口普及率を求められるようにしてみよう。

条件付き書式の指定の仕方

練習3:

参考文献
1) 日経PC21 2003年7月号 p.28 "エクセルの「疑問・難問」一挙解決!