2003 [syllubus][next]

Excelの入力と計算の基本

1. 入力データの表示

 Excelはどのようにデータが入力されたかの情報を利用して,文字列, 数値,数式, 日付,時間などのデータの種類(データタイプまたはデータの型という)を自動認識する。さらに,データの種類に合わせてセルにデータをどのように表示する か(表示形式という)をも自動設定して表示する。例えば,次の表でセルに左欄のように入力されたデータは右欄のように表示される。「数式バー」には自動認 識さ れてセルに保存されているデータそのものが表示される。(参考1)

入 力データ

セ ルの表示
数 式バーのデータ
例1 000100
Enter Key
100
100
例2 0110012731
110012731 110012731
例3 127.000
127
127
例4 (3)
-3
-3
例5 9-01 9月1日 2003/9/1
例6 10/11 10月11日 2003/10/11
例7 11:05 11:05 11:05:00
例8 =SUM(B2:B5) 110012955 =SUM(B2:B5)

 これは,通常のデータ入力では便利な機能だが,「入力した通りに表示できない」場合は困ることがある。どのようにすればよいのだろうか。

 表示できない理由はデータ入力の自動認識である。したがって,解決策は,データを入力する前に表示形式を指定すればよいことが分かるであろう。 データを入力した通りに表示したいときは,次のいづれかの方法で表示形式を「文字列」に指定する。

    データを「文字列」として入力する方法:
  1. 入力するセル範囲を指定し,右クリック→「セルの書式設定」→「表示形式」タブ→「分類」欄で「文字 列」を選択→OKボタンを押す。この設定後にデータを入力する。
  2. データの先頭に引用符「'」(single quotation)を付けて入力すると,「'」の後のデータは「文字列」として扱われる。

入 力データ

セ ルの表示
数 式バーのデータ
例1 '000100
Enter Key
000100
'000100
例3 '127.000
127.000
'127.000
例4 '(3)
(3)
'(3)
例5 '9-01 9-01
'9-01
例7 '11:05 11:05 '11:05
例8 '=SUM(B2:B5) =SUM(B2:B5) '=SUM(B2:B5)

データファイルをExcelで開く場合:

 データをテキストファイル(CSVファイルなど)で入手し,Excelで開く場合も自動認識の機能が働く。これによってCSVファイル内の 「9-01」の ようなデータが「日付」形式として自動認識され、「 9月1日」などに変換されてしまう。これが不都合な結果になる場合のために,Excelには「テキストファイルのインポート」という,区切り文字の種類等 を指 定するダイアログ機能が用意されている。これを使ってカンマ区切り(CSV)やタブ区切り(TXT)のテキストファイルを開くと,データ表の各列の「デー タ形式」を 個別に指定した上で,データを「正しい」形式で読み込める。<

参考文献
1) 日経PC21 2003年7月号 p.28 "エクセルの「疑問・難問」一挙解決!